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#52 離婚の後遺症

こんにちは。id_butterです。

人生で最高に不幸な時に恋に落ちた話 の52話目です。

離婚してからふと思う。
わたしはもう一度結婚したいだろうか。
したいな、と思うけど、どうしてだろう、と思ったのち、いやしない方がいいんじゃないか、とか別に誰かにプロポーズされたわけでもないのに。

したいな、のそのココロは。
やっぱひとりじゃなく、ふたりがいいな。
さっきのおじいちゃんとおばあちゃん、手をつないで散歩してた。
そんなことにあこがれる。
いいなぁ。
ただそれだけ。

でも、ふたりでいてもひとりだったじゃない。
頭の中で冷たい声がする。
でも、もうさすがに慣れてきたので、
瞬時に、知ってるよこれエゴって言うんだよと返す。
それでも、なんとなく曇ったココロは晴れない。

「結婚したい」
そう素直に言えない理由のひとつは、結婚制度に全面賛成できないからだ。
基本的に女性だけが姓を変えることとか。
姓を変えること、というかその奥に潜む「人の所有」の感覚がなんとなく好きじゃない。姓を変えることは、車の売買に似ている。
猫と一緒にいたい、でも「飼いたく」はないし、ペットショップで「買おう」とも思わない。

でもこんなこと言ったら、めんどくせぇなって思われるだろうな。
だって、自分ですらめんどうな女だなって思う。
こんなことに引っかからないでスンナリ生きていけてたらと思う。

じゃあなんで結婚したのよ、と言われたら子どもが欲しかったからだ。
こんなわたしのわがままに、子どもをつき合わせる気がしなかった。
結婚制度に守られている権利というのはたくさんある。
結局離婚したので、今となっては、だけれど。

それなのに、どこかで「結婚したい」という気持ちが残る。
それは、やっぱりずっと誰かを愛したいし、愛されたいからだろうな。
「結婚」というと、どうしても一生の約束という感じがする。
でも、正直それが叶うのかよくわからない。

自分に素直でい続けることは、昨日の自分と今の自分は違うし、明日の自分もまた違う、それを受け入れ続けることだ。
そう思うと、なんか涙が出てくる。
自由だけれど、信じきれていないからかいつも少し不安なのだ。

素直でいようと決めたけど、心細いし、生まれ続ける一瞬の感情に後ろ髪ひかれる。
昨日、誰かを愛しいと思ったあの瞬間にもうちょっといたい。
今通り抜けていく気持ちよさに溺れてしまいたい。

今を味わえば味わうほど、余計に。

明日のわたしは、彼をどう思っているのかな。
自分がよくわからない。
ずっと好きでいられたら、いいのに。
苦しくないときはそう思う。
でも、一生片思いというのはどうだろう。
今度は不安に襲われる。

感覚を捨ててしまいたくなる。

いや、しない方がいいんじゃないか、というのはこういうとき。
片思いがいやだから諦めて結婚する、とかいう方向性に舵を切りたくない。
結局のところ、彼しか好きじゃない。
明日はわからない、とか言いながら、逃げようとしてみても今まで全然逃げきれない事実笑
だから、「すっぱい葡萄」的に「したくない」とかいうのは日和ってるだけだ、とか今度は自分を追い詰め始める。

だから、今のことだけを味わいなよ、と上から誰かの声がする。

でもこの急に崖の前に連れて行かれたような感覚だったり、あれここお花畑ですかくらいの幸せ感をもらったり、っていう気分のフルコースを味わうにはタフじゃないといけないけど、そんなにタフにできてない。

金婚式を迎えてもラブラブなご夫婦に、「正解」を教えて欲しい。

ずっと一緒にいたいひととどう接したらいいですか。
ちょうどいい距離の保ち方を教えてください。
だいすきなひとに毎日やさしくしたいし、してもらいたい。
じぶんのことも大好きでいたいし、いてもらいたい。
隣にいることが自然でありたい。

わかったら、結婚したいって素直にいえるかもしれない。
あるいは、思わなくなるかもしれない。




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