50代のこしかけ ‐ 第0話
【第0話】40代と50代の違い
2021年の夏、50歳になる前に、知人の男性が一足先に50歳になった。
「お誕生日おめでとう」とLINEで送ったら、
「一足先に、50歳を楽しんでますね~」と軽快な返信がきた。
え、楽しむの……?
斜め後ろからきた返信に、ちょっと目からうろこだった。
50代になるって、地味に憂鬱、若干ネガティブにとらえていた私にとっては新鮮なモノの見方だった。
しかし、実際には、簡単に「50代バンザイ! 50代だからこそできることを楽しもうぜ!」という気持ちは沸いてこない。
オトコとオンナの違いか?
オンナ@50代は、かなり衝撃的な事態だったりする、本人にとっては。自覚するまでに結構な時間がかかる。
49歳11か月30日と50歳0か月0日でお肌に差があるはずもないが、オンナの心はそんな現実的な回答をもらっても納得できない。
平然を装いながらも「ああ、あと少しで50歳になる」と心の中でドキドキしつつ、ついに(でも何事もなく)50歳になって半年ほど過ぎたころ、またこの知人の男性に「50代どうですか? 40代と何か違いますか?」と訊いてみた。
すると、「50代になると、人生を逆算して考えることができるようになるよね」と、ブルーな事実をさらっと言われてしまった。
そう、40代はまだ人生の終わりが見えないけど、50代になるとなんとなく「85歳まで生きるとして、あと35年か」などと終わりから逆算して、自分が今やること、今から始めること、などを考えることができるのである。
え、もう私、自分の終末を考えるの?
20歳のときとメンタルなにも変わってないのに?
まだアニメも大好きだし、実は「星降る王国のニナ」とか「葬送のフリーレン」のほうが日経ビジネスとかより好きだし、未だに決算書の数字も実はよくその意味が解ってないのに?
自分の気持ちとは全く関係なく、自分の人生のエンディングへの時間はどんどん短くなっていく。そんなわかりきっていることをちゃんと認識して腹落ちできていなかったのに50歳になってしまった。
しかも50代は実は「苦難の年代」だということもこの数年でわかってしまった。
これは誰かに伝えねば。いや、伝えたい。50代、独身、平凡、なオンナの葛藤を。
そして、誰かから答えをもらいたい。
これが、noteを始めた理由。
……第1話につづく。
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