50代のこしかけ ‐ 第3話
【第3話】写真がキライになる理由
酷い。ひどすぎる。
とてもじゃないが、誰にも見せることができない門外不出の作品……それは、写真の中の「私」である。
先日、ちょっとした理由から社内報なるものに写真が載ることになり、自分の近くに座っている同僚の松木さん(仮名)に、スマホで写真を撮ってもらえないかと依頼した。
「何枚か、撮りますね~」
気軽に応じてくれた松木さんが仕事をしている私をバストアップで5、6枚撮ってくれたのだが、どれもびっくりするぐらいひどい顔で写っている。
「どう