50代のこしかけ ‐ 第2話
【第2話】自分に自分でうそをつく
遅らばせながら、「PICU」を観た。吉沢亮さん主演のドラマである。
吉沢亮さんは、すごい。きれいすぎる。
映画「キングダム」を観たときも、きれいな人だなと思ったが、今回も相変わらずお美しかった。
全11話を通して、何度も何度もお顔のアップシーンがあったが、お顔が作り物のようで、この世のモノとは思えなかった(笑)
まつ毛がバサバサたなびいて、瞳からキラキラがこぼれまくっていた。
しかも「PICU」で演じた新米お医者さんキャラが、お母さん思いの素晴らしい青年。ますます惚れてしまった。
「いいなぁ、こんな息子が欲しい……」
こぼれ出た独り言に、自分でもびっくりしている。
吉沢亮さんを夢の中の彼氏ではなく、夢の中の息子としてとらえているらしい、私は。
考えてみると、ここ数年、イケメン俳優や声優を見ても、「息子に欲しい」が先に口をついて出る。20代、30代のころは、竹野内豊さんのドラマを見て「こんなきれい顔の彼氏が欲しい」とか、野村萬斎さんを見て「こんな人と結婚したい」とか日々口にしていた。40代になってもなんとかギリギリ、佐藤健さんなどを見て「こんな人が彼氏なら」と、あれこれあまり気にせず友人とも喋っていた。
これが50手前になって、50歳になって、50歳を過ぎて…の数年の間に、誰を見ても「息子だったらいいのに」になった。
今、「こんな人なら結婚したい」と口に出して言うのは、確実に自分より年上おじさま風のジョージ・クルーニー氏ぐらいである。
とてもじゃないが、吉沢亮さんを見て「つきあってみたい」とは言えないし、そもそも「こういう彼氏が欲しい」とも思わない。多分、最初から息子を見る目線(?)で見てしまっているらしい。
これは生物学的な自然な現象なのか? それともあきらめなのか?
無意識に、自分にあきらめることを強いているのか?
私より10歳ほど年上の友人が、以前彼女が50歳のときに、18歳年下の男性とつきあっていた。彼女もその男性も日本人ではないので一概に並べては考えられないかもしれないが、この話を聞いた当時、「よくやるなあ」という思うと同時に、どこか若干うらやましかったように思う。
18歳年下と付き合って、自分が相手に対して堂々としていられるのか。
彼と同年齢の若いオンナには生物学的には負けている。
それを気にせずに、自分は自分、彼に選ばれているのは自分なんだから、と旨を張っていられるのか?
私には無理。
口では「年齢なんて関係ない」と言ったりするが、生物として完全下り坂にあることを自然現象として受け止められない。どうしようもないことなのに、どうにかしたいともがいてしまう。
50歳オンナでいる自分をほめられない自分が嫌になる、ホント(溜息)。
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