正統なる進化 ~"STU48 meets JAZZ with MAQ vol.2"ライブ所感~
2024年1月28日、土曜日。
僕は約2ヶ月の間、この日を待っていました。
アイドルヲタクは顔がいい女が好きでライブに行ってるのですが、今回に関してはこの通りです。
久しぶりに名古屋から新幹線で広島へ行き、WAKOゲバントホールで「STU48 meets JAZZ with MAQ Vol.2」を見てまいりました!
で、今回もSTU48×JAZZを見ない選択肢なんてあるの?
2022年11月、STU48はジャズに出会いました。
普段聴きなれた曲、聴きなれた歌のはずなのに、バンドが織り成す素敵なジャズサウンドに乗ってくる歌が、新鮮な驚きや感動と共に響いてくる。
僕もその場に立ち会って、心地の良い音楽に酔いしれながら、最高のひとときを過ごすことができました。
上記リンク先の過去記事も、ぜひご参照ください。
そんな最高のステージだったジャズアレンジライブの2回目があるのというのなら、これに行かない理由なんかあるわけがない。
もちろん、チケ発と同時に抽選申込しました。A席(2階バルコニー)が当たりました。
実の所、僕は今あまりSTU48にモチベーションはありません。
3年半以上も推しメンと呼んでいた子を、推しメンと呼ばなくなりました。
アイドルヲタクというのは実に勝手だなと自分でも思います。
ただ、僕は今もSTU48と彼女たちの楽曲と瀬戸内という地域に並々ならぬ情があります。
だからこそ、こうして2か月の間この日を楽しみにして、心弾ませながら広島へやってきました。
いや、正確にはVol.1が開催された2022年11月から1年以上、ずっと待っていました。
大好きなSTU48の音楽を、ジャズバンドと共に再び楽しむことができる。こんなに嬉しいことはないです。
あ、言うてそんなに音楽に詳しいわけでもないので(特にジャズは)、その辺は大目に見ていただけると助かります笑
Vol.1からVol.2への変化
まずは今回のセトリがこちらです。
今回は「パワーアップ」がある種ひとつのコンセプトとなっていました。
それはSTU48とバンドであるMAQさん、双方のパワーアップに他なりません。
STU48の参加メンバーは、前回のVol.1に参加した6人に加え、ASH出身の実力派揃いで知られる2.5期研究生から新たに岡田あずみさん、岡村梨央さん、久留島優果さんの3人が加わりました。
STUの歌唱力の高さは専らの評判ですが、その中でも精鋭9人と前回から人数が増えたわけです。
それに加えて、今回は各メンバーのソロ歌唱というパワーアップもありました。
前回は少なくともデュオ(2人)で歌っていたので、これも新しい試みであると共に、それぞれが実力をしっかりと伸ばしているからこそできる芸当なのだと思います。
前回Vol.1の昼の部は、本当に初の試みのライブの一番最初だったのでメンバー皆が緊張している様子が手に取るようにわかったのですが、それに比べると今回は、皆が伸びやかに楽しく歌ってる様子が伺えてよかったです。
それでも当然緊張もしていたでしょうし、歌詞が飛ぶこともちょっとありましたが笑、それもライブならでは。
そしてその歌姫たちをサウンドで盛り上げてくださったバンド・MAQさん。
前回はフルート、ベース、ピアノ、ドラムの4名でのバンド構成でしたが、今回はここにサポートメンバーの方によるギターとシンセサイザーが加わり、よりサウンドの幅が広がって厚みが増してパワーアップしました。
MAQさんなくしてこのイベントは成立しえないです。本当に感謝です。
そしてここで、前回と今回の楽曲についての変化をまとめてみましょう。
Vol.1はSTUメンバーの歌唱がある曲が10曲に対し、Vol.2は16曲。
見知らぬ方のXのポストでも言ってたんですが、
「STUメンバーの数も1.5倍」
「バンドメンバーも1.5倍」
「楽曲数も(ほぼ)1.5倍」
ということで、偶然なのか狙ったのかは分かりませんが、このライブに関するパワーアップは1.5倍という数字が並びました。
(ただ、曲に関しては代わりに全曲フルコーラスでは無くなったのが少しだけ残念ではあります…)
しかしながら、1.5倍とは言えないぐらい大幅なパワーアップがあったことは、現場で直接体感にした人間としてここに付記しておきます。
各楽曲インプレッション
M1~5(全員曲~岡田・清水・峯吉パート)
ライブのオープニングはMAQさん単独での「Oleo」。
曲が終わると、今春での卒業を発表したキャプテン・今村美月さんの美しい歌声と共にイントロが流れ、M1「思い出せる恋をしよう」(全員)が始まります。
と前回の感想を引用しましたが、僕の中では原曲が恋をしている真っ最中なのに対して、ジャズアレンジは歳を重ねてから過去を振り返るイメージです。
実際のMVも、私服姿の1D3期が振り返って制服を着た2期生が出てくる…という対比をしているので、もしかしたらMVをご覧くださっての心象がサウンドに現れたのかな、なんて想像してしまいますね。
次は岡田あずみさんソロとなり、M2「夢をガラス瓶の中に」。
楽曲の話じゃないうえに完全にえこひいきで恐縮なんですが、岡田あずみさん、ここ数か月僕の中で株価急上昇中です。
あざとかわいいキャラもそれはそれで好きなんですが、あずみんの歌声は僕の好みなんですよね。
「歌のお姉さん」的な歌声に弱いので…
原曲の曲調に比較的近いと感じる、ゆるやかな潮の流れに乗るかのような優しいアレンジのサウンドに乗せて、ソロ歌唱にてトップバッターを堂々と務めたあずみん。
研究生と呼ぶには余りにも実力に秀でた彼女の、更なる飛躍に期待です。
僕個人的にはこのライブで印象に強く残った曲のひとつが、しみさらこと清水紗良さんのM3「青い檸檬」。
彼女の力強く感情の乗ったヴォーカルと語りが聴衆を魅了し、逆にバンドは全体的にかなり抑えめの演奏となり、それがより清水さんのボーカルを引き立てていました。
曲というよりは、清水さんのヴォーカルの印象の強さが際立った気がしますね。とても良かったです。
僕もゲバントホールさんのこのポストに完全に同意です。
何せ初めてありちゃんにリプしましたもん笑
M4「そして僕は僕じゃなくなる」は、曲のスパニッシュアレンジ(ベースの山本さんによるアレンジとのことでした)、詞、峯吉愛梨沙さんのヴォーカル、そして赤いドレス。
全てが素晴らしく調和のとれた、とても魅了されたステージでした。
そして次は、ここまでの3曲をソロで披露した岡田さん・清水さん・峯吉さんの3名によるM5「花は誰のもの?」。
この曲は前回も披露しているので前回記事もご参照いただきたいのですが、今回はエレキギターの歪んだ音が比較的前面に出ていて、個人的にはそれがすごく耳に残って印象深かったです。
それは言うなれば、銃弾の行き交う中を歌っているようなイメージにも感じられました。
そしてアウトロでそのギターの音の上に優しいフルートの音が乗っかってきて、穏やかな時間が戻ったように綺麗に曲が終わりました。
M6~9(岡田・小島・谷口パート)
先ほどの3名によるMCのあと、MAQさん単独による「all the things you are」の演奏。
すいません、これ聴いた時最初「Fly me to the moon」のアレンジなのかなと思ってしまいました…メロディがそんな感じだったので…苦笑
僕は元来ロック寄りの人間なのでジャズはさっぱりなのですが、「ジャズに名演はあるが、名曲はない」という格言があるそうで、僕はその一端をこの日感じたように思います。
その次は岡村梨央さんによるM6「青春各駅停車」。
りおつんって見た目から割と高音寄りのヴォーカルかなと思ってたんですが、実際中低音寄りで高音が苦手みたいなことを本人も言ってた気がします。
とはいえ、中学3年生でこのポテンシャルは正直末恐ろしい…!!
M7「海の色を知っているか?」は小島愛子さん。
実は僕あいこさんガチ恋勢なんですが(は?)、あいこさんのマイク持つときの小指が立つののファンでもあります。
あ、歌声ももちろん好きです。
あいこさんのかわいらしさと大人っぽさが同居するような愛らしくも芯のある美しい歌声、ほんと好きです。
それにしても「夢をガラス瓶の中に」といい、四国ユニット曲は原曲自体がメロディアスで雰囲気が良いだけに、ジャズアレンジにもすごく合いますね。
お次は谷口茉妃菜さんのM8「風を待つ」。
前回のVol.1では池ちゃんこと池田裕楽さんと一緒に歌っており、彼女にとっては今回が2回目の同曲。
前回も思いましたが、しっとりとしたジャズアレンジに落ち着い声質のまひなさんの歌が本当にぴったりハマっていて、貫禄あります。
ちなみにここまでの3曲は思いのほかサウンドは鳴りを潜める感じで、曲に寄り添ったジャズアレンジでの演奏をされていました。
それはそれでジャズのしっとりした空気感が醸し出されてるし、特にこのパートでの3名はどちらかといえば中低音寄りのヴォーカルなので、それがすごくハマってて心地の良い3曲でした。
そしてそんな比較的似たかっこいい声質の3人が集まって披露されたのが、前回僕が死ぬほど大絶賛していたM9「暗闇」です。
前回の感想と同様、いやそのイメージがギターとシンセが加わってより強くなったように思います。
僕はこの「暗闇」ジャズアレンジを再び聴くことができて本当に嬉しかったです。
落ちサビの「夜よ僕を詩人にするな」の「夜よ」をすっぽかしてしまい、「楽しさでぽわ~となってた」「浸ってた」とこの後のMCで弁明していたあいこさんがかわいかったです。結婚してください!
M10~14(久留島・池田・今村パート~全員)
MCのあとはMAQさん単独の「autumn leaves」が続き、そして現れた久留島優果さんによるM10「誰かといたい」。
前回Vol.1では今村美月さんと小島愛子さんの2人で歌われ、僕に「これを見ただけで名広間往復の価値がある」と言わしめた曲ですが、イントロが流れた瞬間にてっきりみちゅがこれをソロで歌うのかなと思いました。
そしてそれはいい意味での裏切りとなりました。
ともすればちょっと重くなりかねない歌詞の曲ですが、愛嬌のある愛らしいくるくるの表情と歌とが、軽やかなジャズアレンジのサウンドにとてもマッチしてました。
M11「制服の重さ」、池田裕楽さん。
もう何も言うことはないです。圧巻。圧巻の一言。ただこれに尽きる。
圧倒的な歌唱力に加え、拍の取り方だったり音が止まるところでのバンドとの息のあった歌い方。
歌詞もしっかり飲み込んでいて説得力しかない。
池ちゃん、本物です。
さあやってきました。皆大好き、僕も大好き今村美月さんのM12「僕はこの海を眺めてる」です!
まず選曲が良い。僕この曲本当に好きなんで…
原曲も割とバンドサウンド寄りなので、今回のアレンジも比較的雰囲気が近い印象を受けました。
しかしながら、原曲だとイントロはアコギのストロークに歌を乗せて始まるんですが、ジャズアレンジではクラシックギターのアルペジオにみちゅが歌を乗せていたのが印象的でした。(アウトロも同様)
クラシックギターの音がすごく郷愁を誘い、より原曲の詞のような孤独感のようなものが強まった感じがします。
ただしイントロとアウトロ以外は、原曲のストリングスが4拍白玉の印象強めで流れているのに対して、フルートとシンセによって軽やかな印象に変わっていて、このアレンジもすごく素敵だなと思いました。
そしてみちゅの歌が本当に良すぎる。
この曲のようにそっと傍に寄り添ってくれるような温かさと優しさ、そういう感情が内包されたような素晴らしい歌声に、ただただ聴き惚れていました…
曲が終わって間髪入れずに久留島さん・池田さん・今村さんの3名が揃い、M14「息をする心」のイントロがピアノで流れ始めます。
ギターはクラシックギターからエレキギターとなり、ドラムもベースも含めて全体として僕の好きなロック寄りのバンドサウンドになりました。
どちらかといえば、原曲の雰囲気を残した感じでのアレンジになりました。
そこに、くるくるの明るく屈託のない歌声、池ちゃんの力強い歌声、そしてみちゅの慈愛に溢れた歌声。
あえてここでジャズ寄りではないバンドアレンジを持ってこられたこと、そしてそこに重なる歌声たちに僕は大きく感動すると共に、この「息をする心」にあまりに胸を打たれて本気で涙していました…(これは本当の話)
元々曲がすごく好きだったのもあるんですけど、僕がこんな感じの「息をする心」もあるといいな…とおそらく無意識下で感じていただろうものがそのまま具現化されたようで、嬉しさが込み上げていました。
MCを挟んで最後は9人全員が揃い、曲名を告げられないままフルートのイントロで流れたのは、M14「僕らの春夏秋冬」でした。
ああ、もうダメです。完全に泣いちゃいました。
この曲も先ほどの「息をする心」同様に原曲の雰囲気を残しながら、ジャズというよりも一般的なバンドサウンドでのアレンジでした。めちゃくちゃ好きなやつでした。
原曲で印象的なストリングスに変わって、フルートとシンセがその役割を担います。
「僕はこの海を眺めてる」「息をする心」「僕らの春夏秋冬」と、ここで僕がSTUの楽曲でも確実に5位入賞するほど好きな曲同士が3曲連続して、しかも僕好みのアレンジで生バンドで聴くことができて、メンバーの素敵な歌声に魅了されて、耳が幸せすぎました…
曲が終わり、挨拶と共に僕たちは拍手で見送りながら、僕は流れた涙をハンカチで拭っていました。
M15・16(アンコール)
Tシャツ姿に着替えたバンドメンバーによって「Spain」が演奏されたあと、同じくTシャツ姿に着替えたSTUメンバーも現れ、アンコール・M15「瀬戸内の声」を披露。
原曲はさざ波のような穏やかさと終盤にかけてのストリングスが海の広がりを想起させる感じですが、今回のアレンジでは雰囲気は似ていながらも、各楽器の特徴的なメロディがまるで瀬戸内の景色の中で聞こえる様々な「声」のようで、更に味わい深くなりました。
最後に各メンバーが感想を述べ、最後の曲はバンマスであるMAQのドラム・森川さんも好きなM16「夢力」。
Vol.1も同じく「夢力」で終わりましたが、STUはこれでいいんです。
それにVol.1同じとはいえギターとシンセの音が加わったので、また新たなアレンジとなってます。
そしてVol.1同様、今村美月さんによる大サビ前の超ロングトーン。
これが聴けるのはもしかしたら最後になるのか…できればまた聴きたいな…なんて思いながら見ていました。
最後は皆自由に、音楽にノったり手拍子したり合いの手を歌いながら、楽しくエンディングを迎えました。大団円です。
A席でしたので終演後のアフタートークは聞いてませんしお見送りもありませんでしたが、そんなものは些事にすぎません。
僕はこの圧倒的幸福感しかない音楽に包まれた場所を、名残惜しさもありながら後にしてホテルに向かい、翌朝始発の新幹線で広島から名古屋へ戻り、そのまま仕事に行きました。
本当に恒例行事にしてください…!!!!
僕も前回の1回目が終わってすぐ、2回目をやってほしい、恒例化してほしいと思っていました。
しかし1回目と違い2回目以降となると、周囲の期待が生まれる。さすがに勢いやノリだけではうまくいかない。
でも、今回STUメンバーとMAQさんで、僕たちの期待を超えるものを生み出してくれたと思います。
STU48が持つ音楽の可能性、もっと広げてほしいです。
前述しましたが、僕は今の所あまりSTUに通っていません。
でも、ジャンルは何であれやっぱり僕は音楽が好きですし、音楽に救われてきましたし、それはSTU48の音楽でも同じでした。
その事実は変えようがない。僕は今回そんなことを実感しました。
STU48の音楽は間違いなく人を豊かにする。幸せにする。救ってくれる。
そしてそんな音楽の可能性を、もっと様々な人と共有してほしい。
そのアプローチの一つとして、この"STU48 meets JAZZ with MAQ"の持つポテンシャルで、更なる可能性を開いてほしいと願って止みません。
これは実際その通りで、僕はすっかり"STU48 meets JAZZ with MAQ"のファンになってしまいました。
また開催されることがあれば、ぜひ広島に来ます。
【1年数か月ぶりの完全なる余談】僕はやっぱり今村美月さんが好きだ…
前述の通り僕は2階バルコニー席でしたが、めちゃくちゃみちゅと目が合いました。完全に好きになってます。
正直、今回も2階に一番目線を配ってくれたのはみちゅでした。(個人の感想です)
ビジュよし歌よし器量よし、だけどどこか憎めない愛されキャラ。
みちゅってホントいいアイドルですね…
お話し会参加すればよかったなって今更ながら後悔してます。
これから始めるか…?
ちなみに、今推してる「可憐なアイボリー」の土屋玲実さんとみちゅは誕生日が一緒の2月19日でした。もはや運命なのでは。
(あなた土屋さんに怒られますよ…)
僕、この曲めっちゃ好きなんで良かったら聴いてください…!!
※最後はただの土屋さんと「可憐なアイボリー」のCMです
(了)
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