歌声について@芸術的人間学Vol.5
■レッスンやボイストレーニング
私は、音楽活動の他に、歌の個人レッスン、ボイストレーニングの
ワークショップなどしている。
上記の記事と重複する話はあると思う。
これは、1つの過去のボイストレーニングのワークショップの
チラシである。ボイストレーニングとか言うと構える人達が多いのだが、
まずもって声を発するという事は健康にも良いし、声で色々分かる。
プロ志向であれ、趣味であれ、健康の為であれ、何事も基礎は同じである。
声を出す前に大切な視点は、
・姿勢や体の軸
・重心
・全ての関節
声を出さなくても、声を出すためのたくさんのアプローチがある。
これは、器楽奏者であれ、歌い手であれ、何気ないSNSにあげている
写真でその人の問題点や音や声が見える(笑)
ウィーンの師匠のオルガ女史や、マスタークラスでバリトン歌手の
ビトマーやバリトン歌手のマウロから学んだ。
■スポーツ選手と同じ
声を出す前は、走り出す前のスポーツ選手と同じで
体のウオーミングアップやストレッチは大切になる。
声を出すという事は、呼吸、体が大切がポイントになるので。
スポーツ選手が自分の体の特徴を理解してスポーツを取り組む様に
音楽家も器楽奏者であれ歌手であれ自分の体を知らないと
自分にあったトレーニングができない。
これらをせずに、声をいきなり出して発声練習しても、
いきなり声に負担をかけてしまう事が多い様に思う。
体が起きないと頭がさえない様に、声も同じという事である。
とは言っても細かな課題は常にプロでもある。
■歌うにあたって
歌うにあたって何が大切かというと、まず自分自身の体を知る
という事。自分の体を知るという事は、自分自身と向き合い、
自分を知る事に繋がる。
私達の日常の癖が体に現れる。
そして、歌声の問題は技術的というより、
その人の心や精神が抱えている事が声を出すとき、
歌うにあたって問題を引き起こしている事が多い。
音楽は、ファンタジー、想像力なので、感じ方、捉え方で
声は変わってくる。
私達の日常の癖が体に現れると述べたが、
その姿勢ですらその人の性格や精神状態が顕著に現れる。
勿論、音楽や歌というのは、楽しむものなのだが、
今のボイストレーニングや音楽の指導者が音楽や歌の本質を
伝えない、届けないのは問題と思っている。
それはジャンルを問わず歌声には声の響きがあるし、声の色がある。
それは、プロで無くてもそこまで導けるものである。
だから、歌や歌声を教える人がいなくなっていると思う。
例え、発散や気晴らしの為に声を出したり、歌うにせよ、
体に良くない喉や声を痛める声の出し方は存在し、それを分からず声を
出し続ければ、悪い癖を体に覚えさせ、実質、健康にもよくない、
歌声としても音楽としてもよくないものとなる。
音楽や歌から考えても、「自分らしさ」を知るにも、
自分の体を知る必要があるし、自分自身という「個」を知る、
探す必要がある。「多様性」にしても「個」を知らずに
「多様性」は存在しないし、「多様性」という言葉だけが
独り歩きしてしまう。
多様性というのは一見さまざまな個がバラバラの様で
合わそうとしなくても調和する。なぜ調和するかというと、
個がきちんと確立していると、合わそうとしなくても、
それぞれの個がぶつかり合う事で共鳴しあえるから。
予定調和や狙う事で、かえってハーモニーが生まれなかったり、
例えば、ピアノ伴奏で、歌い手が歌ったとして、
歌い手がピアニストを聴きすぎたり、ピアニストが歌い手を聴きすぎると
音楽がずれる。聴くのでは無くて呼吸を感じれるかが大切になる。
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