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金ロー!千と千尋の考察

最初に

最近、映画を見ながらタイムライン作ったり、考察しながら見るのがマイブームになってます。何年ぶりかに千と千尋を見たらいろいろ発見があったので書いていきます。既出だったり間違ってるところがあったらすみません。

考察①どのくらいあの世界にいたのか

そもそも千尋が湯屋にいたのってどのくらいだったんだろうか。
時系列ごとに何があったかざっくり書きました。

初日 
引っ越し先に車で向かう
あの世界に迷い込む
ハクと会って湯屋に行き、湯婆婆と契約
リンに連れられて部屋に行き雑魚寝

2日目(晴れ→夜から雨)
明け方湯婆婆がどこかへ飛んでいく
朝、部屋にハクが訪ねてくる
豚小屋に行く&おにぎりをもらう
ハクが銭婆の所へ向かうのが見える
その日の夜、カオナシを招き入れる
雨のなか湯婆婆が帰ってくる
大釜の掃除を命じられる
オクサレ様に会う
海になった草原を見ながら団子を食べる

3日目
深夜、カオナシが蛙を食べる
そのまま豪遊を開始する
ハクが銭婆の紙に襲われている
湯婆婆が帰ってくる
湯婆婆の所へ向かい、ハクを助ける
カオナシを退治する
銭婆に会いに電車に乗る

4日目
夜通し飛び続けて湯屋に帰ってくる
湯婆婆の問題に正解する
現実世界に帰ってくる

4日でした、思ったより短い。

改めて考えると、ハクがハンコを盗みに行ったのが2日目の朝、帰ってきたのが3日目の朝となると、往復24時間くらい。
盗み出す・戦う時間があったとして、片道10時間くらい?
3日目、銭婆の所へハクが迎えにきた時は夜で、朝に湯屋に帰りついたことを考えても大体そのぐらいかかりそう。当たり前かもしれないけど、ちゃんと整合性が取れている…。

計算が面倒なのでやらないですが、電車の速度、湯屋から沼の底までの所要時間、ハクが一晩で帰ってきたあたりをちゃんと計算すれば、ハクが時速何キロで飛行できるのか分かりそうですね。時間も、太陽の位置とか影の付き方を見ればもっと正確にわかるのかもしれません。

考察②なぜハンコを盗ませたのか

時系列を書いていて思ったんですが、そういえばなんでこのタイミングでハンコを盗ませたんだろう。ハンコの詳細は分かりませんが、契約印っていうくらいだから契約に使うんだろうなっていうのが分かります。
そして、湯屋で働く契約にみんなが縛られているように、契約書は絶大な効果を持ちます。そこから4つ考察しました。

1つ目 契約印って湯婆婆と銭婆で一個しかないのでは?
後半で銭婆の家に行ったとき、銭婆は「魔女の双子は厄介」「2人で1人前」という発言をしてます。そしてハクが吐き出したハンコを見て、釜爺は「魔女の契約印」と言います、銭婆の契約印ではなく。そして湯婆婆の執務机にはハンコらしきものも朱肉らしきものも無く、千尋が書いた契約書にも何かしらの押印はなく、湯婆婆も署名のみです、有りそうなものなのに。
このことから、あの契約印は代々受け継がれてきたような重要な契約の力をもつ物で1つしかなく、それを取り合った過去などがあったのではないでしょうか?結果的に何らかの勝負に勝った?今は銭婆の手元にあります。

2つ目 そもそも契約って2種類あるんじゃないでしょうか?
千尋が書いた簡易の契約書、そしてハンコを使った本格的な契約書です。
上記でも触れましたが、千尋が書いた契約書には押印がなく、また雇用主側の名前も湯婆婆となっています。でもそれって変じゃないですか?湯婆婆って本名が湯婆婆なわけないですよね。いわゆる通り名・偽名だと思います。最後のシーンでは契約書がはじけ飛びます。千尋が名前を書いたのはそもそも簡単な問題に正解しただけで消し飛ぶような簡易な物だったんじゃないでしょうか。
また湯婆婆は千尋が契約書を書いたときに「つまらない誓いを立てた、働きたいものには仕事をやるなんて」と言っています。湯婆婆自身の雇用契約書(誓い)などが本名やハンコを使った本格的な契約なんじゃないかと思います、映画の中には出てきていませんが。

3つ目 名前を奪うことについて
前提として契約は、ハイリスクなほどハイリターンだと思われます。それを考えるうえで重要なのは「ハンコ」や「本名」。
そもそも千尋が書いた契約書と名前を奪って帰り道を分からなく・支配するのは、別の契約(魔法)だと思います。同時に行われているので一連のモノだと思われがちですが。
支配すると言っても、帰り道を分からなくする程度です、自我を奪うわけじゃありません(まあ、異世界で帰り道が分からなくなるのは致命的ですが)解決策も名前を思い出せればいい、めちゃくちゃ簡単です。対策として自分の本名を書いた紙を用意しておけばいい。
後述しますが、契約書は簡易な物だったかつ、湯婆婆ー千というお互い偽名で書かれたものだったため、契約書の効力がそもそもかなり弱い物だったんじゃないでしょうか?千尋は湯屋から無断で銭婆の所まで行っているし…。

4つ目 なんでこのタイミングで盗むのを実行したのか?
まあ映画だから…って言ってしまえばその通りなんですが、ここは理由を考えてみます、と言っても簡単です。より強力な契約を自由にしたくなったからではないでしょうか。千尋が来たことで、まじでもうめんどくさいな…ってなって好き勝手契約したい!ってなって盗ませたんじゃないでしょうか?または、盗みに使えるハクの身体が虫に耐え切れず限界だったから、良いタイミングだと思って実行したのではないでしょうか。

考察③銭婆って強いんか?

事実魔女の契約印を持っていたのは銭婆ですし、銭婆が坊たちにかけた魔法に湯婆婆は気がつきませんでした。それらが銭婆のほうが強い根拠です。
そういえば釜爺が「あの魔女は怖いぞ」と言っていましたが、なぜ怖いって知っていたんでしょうか。絶対に過去に何かあったよ(オタク)
ほとんど妄想ですが、釜爺がなんで40年前の切符の使い残しをもってたのか?沼の底に住んでいるのを知ってるのか?と絡めて考えます。考えますって言ってもそんなん、釜爺が実際に湯婆婆と銭婆が争っている場面に居合わせた&電車で銭婆に会いに行っていた以外の考察有りますか…恋仲だった?まあ…釜爺ってなんかハイカラだしさ…。でも40年前に何かがあったというよりかは、電車が片道になったのが40年前なのかなあ。映画に何も書かれていないので実際に他の設定があったとしても分かりません…もしかしたらインタビューとか本で関係者が答えているのかもしれない…。

考察④にがだんごの効果

クソまずい団子。にがだんご。食べたくないジブリ飯12年連続No1。
劇中で食べたのは3人です。そのタイミングと効果をそれぞれ書きます。
その前に、いままで私はにがだんごをただのまずい団子、ハクを吐かせた、カオナシを吐かせた…といった認識でいました。しかし、にがだんごは河の神を救った際に授かったもの。そう、名のある河の神を救った千尋が直々に貰ったものなんです、あらためて見返すと実は思った以上にすごい力を秘めていた気がします。

食べた1人目は千尋
貰ったその日の晩にかじります。その時はただのまずい団子にしか見えませんでした。しかしその夜、千尋は夢で両親のいる豚小屋の夢を見て、両親が分からなかったらどうしようと言います。単純に両親が豚になったショックで夢を見た可能性もありますが、実は団子の効果で後の両親を当てる伏線になっていたのかもしれません。また、そのすぐ後で千尋は紙に襲われているハクを助けます。その時、龍をとっさにハクと呼びます。…愛の力かもしれませんが、団子を食べた力で正しく物が見えたのかもしれません。その後、はしごを上りながら鳥になった湯婆婆を一発で見抜くところもあったし…。

食べた2人目はハク
これは効果が分かりやすく、湯婆婆の虫と契約印を吐き出させました。しかしただ単純に吐き出させる効果ではなかったと思います。後に銭婆が契約印の守りのまじないが消えていると言っています。作中では全く可視化されていませんでしたが、おそらくハクを苦しめていたまじないも一緒に解除されたんだと思います。このことから、魔法やまじないを解除させる効果もあるのではないでしょうか。襲ってきた紙が、千尋がハクを部屋に入れてからあっさりと引き返していったのも、何かこの効果があったのかもしれません…。

食べた3人目はカオナシ
実際にどんな作用をしたのかはわかりませんが、カオナシを吐かせて元に戻しました。魔法やまじないではないですが、邪気を払う的な効果もあるのかもしれません。

どれも断定できないものばかりですが、名のある河の神様というだけあってその団子がすごい力を秘めていてもおかしくないと思います。千尋が家に帰れたのも、実はこの団子のおかげがちょっとはあるのかもしれません…。河の神様ってあっちの世界の生物(?)だし、その団子もあっちの世界の物判定されたのかもしれません…(現世の物を食べれば逆に現世に帰れる理論)

考察⑤なんで豚の中に両親がいないって見破れたの?

良く考察されている奴ですね。
そもそもあれは、千尋が現世に帰るための試練…みたいなふわふわしたものではないと思います。

ハクが釜爺の部屋で目覚めた後、湯婆婆に直談判しに行きます。
坊が偽物だと気付いた後、ハクに詰め寄ります。その際の会話から、「ハクが坊を連れ戻す」その代わり「千尋と両親を帰す」という条件を出しています。もうその時点で3人とも帰れることは殆ど決定していたんだと思います。では最後の「豚を見破る」のは何なのか?それは「契約書を破棄する」ただ単純に契約書を破棄させるための問題だったのではないでしょうか。

そもそも豚の中から両親を見つけるってなんだよ!!一級豚鑑定士でもない限り分からんだろ!!だから豚の顔をよく見て親を見つける…という単純な問題というわけではないように思います。あまりにも難易度が高すぎる!!

契約書の中に破棄に関する条件が書かれてないってことは、破る条件はコレっていう何かがあるわけじゃないと思います。(現実世界の米粒みたいな文字の契約書を見ると悲しくなる)

だから、もう言っちゃうとあの問題の本質=契約書を破る条件になってるのは「真実を知る・知覚する・明確な辞める意思を持つ」みたいなことだと思います。ふわふわした物じゃないって自分で書いときながら、めっちゃふわふわしててすみません。だから別の従業員が契約書を破棄したかったら当たり前ですが別の問題になるだろうし、もしかしたら自然に「ここは自分のいる世界じゃない!だからもうここでは働くことが出来ない!」って思った人から契約書破棄できて辞めていくのかも…。逆に、名前を奪われて帰り道が分からなくなってしまったら…そういうものも見えにくくなって結局契約書通りに働き続けることになるんでしょうね。

これも想像ですが、にがだんごを食べたことによって真実が見えやすくなっていたのかもしれません。

考察⑤その他のちっちゃい考察

小っちゃい考察です。

初日雨も降ってないのになんで水浸しになって帰れなかった?
 →
正直分からない。夜は水で昼は草原っていうルールかもしれないし、千尋たちが来た時にたまたま草原だったのかもしれない。

神様って人間がいても気にしないのかな?
 →
従業員からは臭いって嫌われているけど、神様はむしろ助けてくれたり、リンと湯婆婆の部屋を目指してる時も無反応だった。従業員側からは「人間」と「動物」っていう区切りがあるけど、神様にとっては生物っていうひとくくりで気にしないのかもしれない。

湯婆婆は鳥になってどこに行ってる?
 →
夫?坊の父親の所じゃないかな…毎朝出かけて夜に帰ってくるみたいな。2日目に限ってはハクがハンコを盗み出す時間と被ってたからアリバイ作りとか手伝ったとかあるかもしれないけど…。偏見だけど宮崎駿監督ってそういうの好きそう。

銭婆と坊たちが作った髪飾り
 →
これ手作りだったけど、その方が気持ちがこもってるっていう理由もあるだろうけど、魔法で作ったら現世に持って帰れないとか無いかなあって思いました。あとは2回光った。振り返りそうになった時と、トンネルから出た後。1回目は振り返るのを止めてくれたように見えるし、2回目は出来事が夢じゃなかったことを表してたりするのかな。

リンさんはやさしいし人間に偏見がない
 →
きつねだっていう説?あるよね、でも他の従業員は蛞蝓と蛙らしいしもしかしたら蛇かもしれないけど…。人間に助けられた過去があったんだろうか。そもそもなんとなく、現世で死んだ動物たちが湯屋にたどり着いて働いてるっていうイメージだったんだけど、特にそれを裏付ける証拠はない。リンは漠然と、もともと祀られてた小っちゃい祠のおきつね様とかだったのかもしれない、なんとなくしっくりくる。

ハクって千尋の事を覚えてたの?
 →
会った瞬間に思い出したんだろうな。そしてちょっとでも自分の事を思い出したから、湯婆婆の支配から遠ざかって優しくなったんじゃないかな。

ハクがいるときに河の神様がいれば…
 →
もしかしたら一発でオクサレ様ではなく河の神様だってわかったんじゃないかな。

あの両親のわりに千尋は礼儀正し過ぎない?
 →
両親は無断でご飯食べるような人間なのに、客前からはける時に必ず一礼するとか礼儀正しい。最初リンに叱られてたけど、その後素直に実行するし、もしかしたら客前に出るときは必ず礼、とか最低限の作法は教わってたのかな。

なんで従業員ってお金かせぐの?
 →
稼ぐってことは使い道があるってことだよね…。契約って奴隷契約じゃなくて思った以上にちゃんとした雇用契約なのかも、給料が出てたり有休があったり…。

電車について
 →
黒い人たちが乗っている・切符がある・一方通行という情報しかないです。昔は往復していたけど、今は一方通行。例えば通勤みたいに往復に使えない。不思議。単純に死後の世界とか転生とか迷える魂に結びつけるのもいいけど、ぶっちゃけ考察のヒントが無さすぎる…。宿題。

神様達って、湯屋に来てかい春とかするの?
 →するに決まってんだろ日本の神様やぞ!

なんで坊を溺愛してるの?
 
→湯婆婆と銭婆は双子ですが、イメージとしてこういう時の双子ってどちらかが何か欠けてたり、お互いに能力が真反対に偏ってたりしませんか?
銭婆も「二人で一人前」って言ってたし。そういう意味では、魔法の才能みたいなものは銭婆のほうがある気がします。正面から戦ったら湯婆婆が負けるから、ハンコもハクに盗ませたんじゃないでしょうか。
じゃあ、湯婆婆が銭婆に勝っている点は何かというと、これも推測でしかないですが子供を作る能力が湯婆婆にしかないとか…心にくるけど…。それなら姉にはっきり勝てる点として坊を生んで溺愛するのも頷けるというか、坊を誘拐されたと思って思わず性悪女って言葉が出来てもおかしくなさそうだし…。もしかしたら魔女は生涯に一人しか産めないとかもあるかも…っていう妄想をしました…。

逆に銭婆が一人でひっそり寂しく暮らしているのもそんな理由があったりするのかな。あとはカオナシを自然に受け入れてたのも納得できる気がします。カオナシってわがままな子供みたいな感じだし。

ハクは八つ裂きにされたの?
 →
されてないと思う。湯婆婆の「八つ裂きにされてもいいんか?」に対して何も返していないし、殺すメリットがない。見せしめ…としても殺したら従業員に避難されそうだし。
でも色々無理してたし、ハンコの呪いくらってたし、長生きはできないだろうな。


最後に

(考察って数うちゃ当たるっていう部類のもんなんですよ)

小さい頃は漠然と見ていた作品だけど、ちゃんと見ると色々と発見がありました。すごいなジブリって、ジブリってすごいな…。この前の金ローでやってた映画も同じようにタイムライン作りながら見てたんですが…それに比べて時間に対して情報や考察することが多い多い…なんだコレ…ってなりました。

うーん、この前見たのはD社の映画でしたけど、楽しいのは間違いないんですよ、でも伏線とかテーマ性まみれでおなか壊しちゃいそうになるんですよ。なんていうか、理系の映画?すべてを明らかにして整理しないと気が済まないんだろうか?終わった後に残るのが映画を見た余韻じゃなくて、すごいマジックとか、すごいぷよぷよの連鎖を見た後の「おおーっ」ていう感覚なんですよ(わがまま)

映画あんまり見ないんですけど、当たりはずれというか合う合わないがあるからちょっと敬遠しがちです。

おまけ
リンさんが好きなんですが、夢をかなえていつか湯屋をやめて街に行けるんでしょうか。多分、名前も取られて帰る場所も分からなくなってますよね。夜の廊下で月明りに照らされて「いつか…」って言ってるの、物悲しくなってしまいます。

サムネのイラストは公式で公開されてる奴を使わせてもらってます。

ではここまでお読みいただきありがとうございました。

🌱終わり🌱

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