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小学生のスポーツ大会

小学生のスポーツ大会の必要性を問う前に考えること

(URL: https://toyokeizai.net/articles/-/581173)

現代において小学生スポーツの在り方が、検討されている中で柔道や野球のことが多く取り挙げられている。
それはある種仕方ないことだとも思う。
『メジャー』なスポーツであり、大会も多く開催されているしオリンピックの種目にあることから、小さい時から取材が入り注目されればスポンサーや、今後の試合や、引退してからも大きな影響はもちろん持つだろう。

そんな競技ゆえに、やはり度が過ぎる指導や、恫喝、脅迫に近いような言葉を投げかける親や監督も出てきてしまう。
正直なところ、私はクライミングと言うスポーツ競技をしていて、自分はそういう目にあったとは思っていない。
特に、度を越えた脅迫や恫喝に近いような事はなかったと思っている。
そんなクライミングと言うマイナーなスポーツでさえも、このような光景や指導を目にするようになったのは事実だ。

『オリンピック種目』でマイナースポーツだから、今子供が頑張れば『絶対出場できる』そんなスポーツは存在しない。
競技人口が多くても、少なくても最終的な選考を必然的に発生するので、ごく一部の選手同士での争いは発生する。
なぜそこが理解できないのか、私にはわからない。

少し話がそれてしまいました。
『小学生の大会』での『勝利至上主義』が問題だと考える方も多いと思われます。
個人的には、それ以前の問題だと感じています。
『あなたのお子さんは、何が楽しくてスポーツをされてるんですか』
始めた当初は遊び程度の感覚だったかのかもしれません。
それが、時間が経過し大会や、競技会などの発表する場、結果を出す場に出たときに親として終わってから何と声をかけますか。
これは、もちろん結果次第だと思います。
ですが、まずは親の感想より個人の感想や、実感した事実を聞くことから始めるのが当然ではないでしょうか。
親御さんが大会、発表会の終わりに肉親や監督からマイナス点や注意箇所などを伝えられた後に再度『大会に出たい』と感じられますか。
それが逆らえない相手なら仕方なく応じているだけで、何の糧にもなりません。
萎縮し、自己嫌悪から抜け出せない。
指摘されたことを、周囲して出場しも勝てなければ、ただ怒られ、叱責される。
それで強くなるのは、もともと体が強い、メンタルが強い、運動能力が高かった。
それだけのことです。
『普通』の子はこれでは上手くもならない、続けようとも思えないでしょう。

『スポ根』の時代は遠い昔の話です。
もちろん、『○○の大会で勝ちたいから頑張る‼』そう言った根性は必要だとも思います。
ですが、理論もない、メンタルケアもない、選択肢もない状態でやるのはスポーツではないでしょう。
また『やらせてやっている』と言う考え方の方もいらっしゃるかと思います。
その考え方も子供にとってどう映るのかを見直されたほうがいいのではないでしょうか。
あくまでも子供であっても『人』であって所有物ではありません。
『やりたいと言ったからやらせている』それでも、最初は楽しそうにスポーツを楽しんでいたんではないですか。
いつからその楽しさがなくなったのでしょうか。
お子さんと話さないとわからないことはいくらでもあります。

『うちの子にはこうなって欲しい。』
『このスポーツで強くしたい』
『野球でプロになって有名にしたい』

それは、本人の口から出た言葉ですか。
本心から出る言葉なら、全く問題ないと思います。
環境が言わせているなら、『もっと本人を尊重』してみてはどうですか。
そうでないと、スポーツから何の学びもなく、悪い印象だけを受けてしまいます。
家族や、他との関係にも亀裂が生じる可能性もあります。

特に小学生や中学生にとっての『家族』は安全地帯であり、避難場所です。
それをご自身の手で奪うことになりかねません。
『自分の子供だから頑張れる』
そんな保証はどこにもないんです。

元々スポーツをされていた。
全くスポーツをしたことがない。
部活程度で楽しんでスポーツをしていた。
様々な方が親になっていらっしゃるかと思います。
その時に感じたことをお子さんが全く同じように感じることは少ないんです。
サッカーでドリブルができなくてくじける子がいれば、何もしてないのにできる子もいます。
それを見て悔しいと思うのも個性です。
それを見て羨むのも、また個性です。

まずは、お子さんのことを『一人のヒト』として見てあげてください。
大会や試合、発表会が終わったら、まずはできたことを褒めましょう。
頑張ったことを褒めてあげてください。
自分がされて嫌なことはしないのは、大人ならわかるはずです。
そして次に感情が落ち着いたときにダメだった点、まだ伸ばせる点をわかりやすく伝えてあげましょう。
ここは競技性や専門性があるのでわからないのであれば試合を動画で保管して、信頼できる人に一緒に見てもらうのも一つの手段でしょう。

多くの親御さんが『もっと頑張ってほしい』『うちの子はできる』そう思われる気持ちは十分にわかります。
ですが、まずは一歩引いて話してあげることも大事です。
子供なので、その場の雰囲気で『もうやりたくない‼』『嫌いだからいやだ‼』そういうことは大いにしてあります。
その時は、そう思っているので仕方ないんです。
その感情が収まってからで良いので、何がいやだったのか、どうしたかったのかを聞いて対処しましょう。
そこで怒鳴りつけても、𠮟責しても、怒号を浴びせようともマイナスにしかなりません。

スポーツは文化であり、技術で培われていくものです。
根性一つで解決できるものは、何一つとしてありません。
今後の各スポーツの業界が発展、進化していくためにも小学生や中学生の大会や試合はもちろん続けていくべきです。
ただ、その中に怒号や、理不尽な暴力はあってはなりません。
世界が『多様性』を求めるようにスポーツはもっと多様性を受け入れ進むしかないんです。
そのために階級、カテゴリー、グループリーグなどの様々な受け口があるんです。
『強い人とプレイしたいから、もっとうまくなる!』
『○○君と同じカテゴリーで試合に出たいから練習に行く』
『みんなで楽しくスポーツしたいから、みんな呼ぶ』

どんな形であれ、スポーツがいい影響を与えられなくなってしまっては、その競技自体がなくなってしまいます。
親御さんが与える影響は、お子さんだけにとどまりません。
まずは一歩引いて、『スポーツをしている人、一選手』としてとらえてあげてください。
その方が親子のためでもあり、今後のスポーツのためでもあると思います。

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