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コロナウィルスは現代の姥捨て山ということか?

「ピークは来つつあるが、前後して死亡者数が増えると思う。それについては理由のあることなので心配には及ばないが、心しておかないといけない」
コロナウィルス罹患状況について、毎日定例会見を行うメンバーの1人、ウィルス学者ステーフェン・ファン・フフト博士は、そう言えば先週終わりあたりから何度か言ってはいた。

その理由が、本日発表の死亡者数で分かった。

2020/04/07火19時のニュースから

感染が判明し入院している人の数:6.012(前日比+1380)
新規入院者数:314
ICU収容患者数:1.260(前日比+4)
死亡者数:2.035(前日比+403; うち162人が病院で、241人がwoon-zorg centrum: 以降WZCと表記;日本で言う特養と老人ホームを合わせたようなもの、ここで感染し亡くなった方々)

この、WZCで亡くなった方々の数値は 4月1日から4日までの累計と報告された。

ところが本日午前、フランダース保健大臣ワウテル・ベーケ氏がインタビューで「フランダースのWZCで亡くなった方の現時点までの数は619名」と述べたことにより混乱が表面化した。

その前段階として、「検査キット2万をWZCで使えるようになった(4月4日付)」というニュースがあったのだった。

1日で1万件まで検査可能、フランダースでは85のWZCに検査キット配布、という連邦政府大臣の発表だった。
フランダースだけでもWZCに居る65歳以上の人々は約7万人、WZCそのものも約800ある。のに、たった85だけ?数にして10分の1ほどだし、実際に検査キットが配布される、というのを全く知らされていないWZCも相当数に上ったという。
選別が行われているのか?だとしたらその基準は??

WCZは経営・運営基盤と規模が様々で、地域自治体との協力度合いも異なるためもあってか、連邦政府からの上意下達がすんなり通るとは言い難い。小さい国なのに政府ばっかり大きいベルギー国情あるある再びである。

とにかく、この数値その他の混乱は、WZCからの感染死亡者の報告方法が恣意的で確定していないことによる、と伝えられた。そもそも、病院ではないところで亡くなった方に対し、追試験でコロナ陽性としたのかどうかも明確にされてはいない

選別があったかどうだかは明らかにされていないが、少なくともここ↓のWZCは居住者と職員全員が検査をしたと報道された。

ここのセンターの所長は自身が感染して自宅隔離中のため、その娘が実際の活動の陣頭指揮を執っている。

「職員は、感染予防のために自宅に帰らずに住み込み状態で仕事をしている。ぎりぎりの人員数で回しているので、スタッフの自宅隔離は難しい。検査の結果が陽性で無症状、というのが職員だった場合、その職員はどうすれば良い?どこからも明確な指示がない。なのに検査だけはした。おそらく、何かの役には立つことなんだろう。だがその結果は、現状を改善してくれるのだろうか?」

フランスだったか、同様のケア施設でスタッフが職場放棄し、数十人の入居者が亡くなったという報道もあった。3月24日に既に書いたが、老人ホームでトリアージュ、ということは同時にホットスポットになりかねないから、子どもも孫たちも、もはや訪問することが叶わなくなってしまった。

コロナ禍が落ち着いても、有効なワクチンが開発されるまでは、おじいちゃんおばあちゃんには、会いに行けないと考えるべきかも知れない、と語ったウィルス学者もいた。

高齢者が罹患すると重症化する率が高い、若年者は無症状の場合が多い、というのが、もしかしたら強調されすぎたきらいがあるのではないか?

これじゃ姥捨てじゃないか。

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