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グッジョブSTVV!

4月21日付の報道。
シント・トロイデン(以下STVVと表記)選手たちは、自分らのサラリー減俸を受け入れたのみならず、それを地元病院シント・トルードに寄付する、と発表した。

イニシアチブを執ったのはキャプテンのジョルダン・ボタカ。
「STVVとしてだけではなく、FCヒューマニティ(FC人類、みたいな感じか?)として呼びかけた」という。

ここだけ読むとかっこええんやけどなー。

ボタカったら、他の選手が取ったPKを、キャプテンやからちゅうて取ってしまう、と、鎌田大地も鈴木優磨も、実は試合後結構ムッとしてた、というのを思い起こさずにはおれないし、
右SBの冨安健洋と右SHのボタカが、時々ポジション取りでヘンな被り方して、それは主にボタカがものすごくフリーダムな動きをすることに起因するんだが、ちくしょーこのやろー、と冨安が思ったかどうか、何だか凄い勢いでG前まで上がって攻撃参加に行ってしまったりなどして、え、カウンター来たらどうするの??とハラハラしたこともあったな。

今にして思うと、何か結構な昔のことのようであるなあ。サッカー絡みのもろもろ全てが(遠い目

ま、オレ様キャラなワケっすよボタカは。悪いやつじゃないんだろうし頼りがいもあるんだろう。その意味で良い写真を、Sporzaは持って来たなあと思う(背負われてるの誰だろう?)。

シント・トロイデンはベルギー東部リンブルフ州に位置する小都市。
リンゴや梨の畑が延々と広がる田園地帯の只中に、スタジアムのみならずホテル、ショッピングモール、アパートメント棟などが一体化した《小規模ニュータウン》が忽然と屹立する。

DMM.comが100%出資するベルギー1部サッカーチームSTVVは、この施設の店子(大家は前オーナー)である。チーム広報が出したリリースは↓の通り。

ところでFC人類という、ボタカ渾身の良コメが何でここにはないの?(^^; 

そもそも何でこんな、風光明媚なド田舎が、ベルギーに於けるエピセントラム(=クラスター発生源地域)になってしまったのかというと。

2月中旬から下旬にかけての1週間の学校休暇(ベルギーでは「クロッカス休暇」、と呼んでいる。オランダではベタに「スキー休暇」と呼んでいるらしい)の時期に、このエリアの人達はフレンチアルプスや北イタリアのスキーリゾートに出かける、という不文律の慣習があったために外ならない。

2012年には、ここよりやや北西にある地域の学校のスキー修学旅行バスが、スイスのトンネル内で事故を起こし、生徒15人と大人2人が亡くなるという惨事が発生した。

…にも拘らず、スキー休暇の慣習は続いていたんである。

既に書いたが、オーストリアのイシュタル(Istal)が、アイスランド、デンマークなど北欧へのキークラスターになったことは、日本が春節の中国人流入を止めなかったことと同じぐらいの感覚で、欧州人に共有されている。

だからスキー休暇で北イタリアに行ってた人らが多くて、と聞けば、
「ああ、みなまで言うな」という自明な感染状況と、理解されるのである。

ICU設備が患者数に足りなくなってしまい、他地域の病院に搬送した、ということを、イコール医療崩壊、と定義するなら、残念ながらこのシント・トルード病院ではそれが発生してしまったことになる。

画像で見れば、医療崩壊という言葉が一番遠そうに見える病院であるにも拘らず、である。

スクリーンショット 2020-04-27 23.05.41

これだけの規模の病院が、対応不可能になってしまうコロナの恐ろしさが、改めて思い知らされることである。

それにしても、チームとしてコロナ禍への貢献を出来たSTVVは、グッジョブであった。来季、というのが来るのかどうか、いや来て欲しいけど来るんだろうかという不安も含めてだが、もっともっと地元に愛される存在に、なって欲しいである。

 2020/04/27(月)19時のニュースから

感染が判明し入院している人の数: 3.968(前日比+127)
のべ感染者数:46.687
新規感染者数:553
ICU収容患者数:903(前日比+12)
のべ退院者数:10.878(前日比+93)
のべ死亡者数: 7.207(+60が病院、+53がWZC(うち陽性確定は64%):計+113)

ニュースでは特に触れられていなかったが、老人介護施設WZCでの死亡者について、陽性確定が64%に急増しているところは意識したい。
検査数を増やす、ということが実際に数値として反映された結果の、ひとつの表れと見ていいからだ。

少なくとも当局発表の数値について、たとえ他国メディアが「死亡率高すぎね??」とか言おうとも

「うちの国の統計は、ちゃんと検証されてるから大丈夫。むしろ世界が後からオレらに付いて来るのよ(えっへん!)」と、わざわざ言挙げしないまでも内心で誇っていい国であるのは、

ほんとーに数少ないながら、今のベルギーが自信を持って良いところかもしれない。



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