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新たな旗頭となるか。 2022.10.08 FC東京vs湘南ベルマーレ マッチプレビュー

■メンバー情報

予想スタメンと開始時の立ち位置はこちら。

開始時の立ち位置
湘南のWBが東京のSB・WGのどちらにつくかがポイント。
中央は対面の相手が明確になる。

■両チームの狙い

・東京の攻撃

東京の攻撃①
東京の攻撃②

 サッカースタイル変更にチャレンジ中のFC東京。ホームで対戦した6月はまだ構築中といった印象だったが、長いシーズンを経てスタイルに嚙み合った選手が台頭。その筆頭が左SBに入るバングーナガンデで、攻撃と守備どちらでも素晴らしい働きを見せている。彼のスピードと技術をいかすべく、保持時にはウインガーのように左サイドの高い位置で攻撃に参加。レアンドロは大外ではなく中央寄りに立ち、IHに入る松木も含めてクオリティの高い選手を左サイドのゴールに近いポジションでプレーさせるのが狙いである。
 ビルドアップでは左サイドの選手が高い位置を取る時間を稼ぎ、より良い状態で受けられるよう相手を食いつかせて裏返すのを目的とする。例えば右SBに入る長友がボールを持ち、塚川・渡邊と連携して相手を引き付ける。中央に立つ東やディエゴを経由して左サイドに展開、高い位置でフリーになったバングーナガンデやレアンドロから決定機を生み出していく。

湘南の守備①
湘南の守備②

対する湘南としては守備を二段構えで考えて実行する。
①同サイドに閉じ込めて展開させない
②逆サイドでボールを受けた選手にデュエルで勝つ、あるいは他選手のヘルプが来るまでディレイして自由にプレーさせない
同サイドに閉じ込めてボールを奪えれば理想であるが、90分を通して東京に何もさせないのは難しい。ある程度は規制がかけられるだろうが、東京の狙い通り逆サイドの高い位置にボールが渡ってしまうシーンが起こると思われる。そこでカギになるのがWBとIHによるマークの受け渡しと守備だ。

IHが見る場合
WBが見る場合

通常のプレッシングでは2トップ+IHで行いIHが相手SBまでチェックに出ていくが、相手SBが高い位置を取る場合はIHが中盤に留まり、WBにマークを受け渡す方が全体のバランスが崩れない。そのためバングーナガンデと石原、長友と中野のマッチアップがこの試合で数多く発生するはずで、その勝敗が試合の主導権に大きく影響するだろう。楽しみなのは東京の左サイド・湘南の右サイドの戦いで、ここ最近でグッと存在感を高めてきた石原が東京のストロングを抑え込むのを期待したい。

・東京の守備

東京の守備

 東京のプレッシングは外のパスコースを切り、人数が集結する中央でボールを奪ってショートカウンターを狙ってくる。右WGの渡邊は熱心に守備に参加、CFのディエゴもアンカーをケアしながらプレッシャーをかける。レアンドロは2人ほどではないものの、最低限パスコースを塞ぎボールホルダーから選択肢を奪ってくる。湘南の狙いどころとしては中盤の真ん中で、アンカーに入る東はスペースを空けてボールに食いついてくる傾向にあるため、ワンタッチで躱して前進できればチャンスを作れる。相手が構える守備の網に勇気を持って飛び込めるか、そして思惑を上回ることができるか、これまでの積み重ねがものを言う試合になりそうだ。

■湘南のキープレイヤー

石原広教
対面にはバングーナガンデ、レアンドロと個の能力が高い選手が並ぶ。守備で光るプレーと闘志を見せる彼がいればそう簡単には負けないはず。あとは勝利に直結する結果を残し、新しい湘南のバンディエラの誕生に期待したい。


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