珈琲/ワンダンス

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あらすじ

『ワンダンス』 (WONDANCE) は、珈琲による日本の漫画。ストリートダンスを題材にした作品で、『月刊アフタヌーン』(講談社)にて、2019年3月号から連載されている。

高校1年生の小谷 花木(こたにかぼく)が同じく1年生の湾田 光莉(わんだひかり)のダンスに惹かれて,ダンス部に入部して,ダンスを極めていくという物語.
花木は吃音症で友だちとの会話の中で自分を主張することが少ないのですが,ひたむきな性格でダンス初心者ながら,すぐに彼のダンスは多くの人を惹きつけるようになる.

感想

気づけば,ダンスが必修になってから8年が経ったが,全国の学生は実技に入る前にぜひこの漫画を手にとっていただきたい.
ダンスの魅力を伝えるなら動画だろうと思い,侮ってはいけない.この漫画にはストリートダンスの魅力を引き出す工夫が随所に散りばめられている.
もちろん,ある程度ストリートダンスを知っている必要はあるけれど,好きなアーティストのMVにバックダンサーがいれば十分だ.

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画力,コマ割りの工夫により,花木たちのダンスシーンは静止画なのにまるで動画のような躍動感が宿っている.
そしてなにより,踊っている花木や光莉はむちゃくちゃかっこよいのだ.(普段の花木はなよなよしていてイケメンキャラではない)
ダンサーがダンスしているときにかっこよく見えるあるあるが漫画でも完璧に再現されている.
それを可能にしているのは広角レンズや魚眼レンズを通したように描かれるダイナミックな絵だろう.

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漫画ではゆるきゃん/あfろの広角レンズ背景で描かれた広大な自然が記憶に新しいけど,それに引けを取らないインパクトだ.
ダイナミックさをひょうげんするためにいろんな角度からダンサーが描かれており,絵に疎い自分でもかなり綿密な取材が行われたことが予想できる.


また,花木が初心者であるため,部長の宮尾 恩(みやお おん)がダンスの肝となるリズムのとり方や基礎練習の方法も丁寧に指導してくれるのも初心者ダンサーには嬉しい.

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スクールに通っていなかった私はこの丁寧な指導を見て今更ながら羨ましく思った.
全国の学生はダンス未経験の体育教師に習う前にぜひともこの恩の指導を受けてもらいたい.
一旦漫画をおいて,花木たちと一緒に音楽をかけて(作中で流れる楽曲はしっかり紹介されているのが嬉しい),リズムにあわせて身体を動かしてセロトニンを分泌させるのも一興である.
恩の指導に従い,早取りしないようにビートにあわせて,身体を上下させるだけでダンスの魅力に気づくはずだ.
リズムにドンピシャであうと脳汁がドバドバ溢れてくる.


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