自作の短編を自動翻訳にかけたら、ナンセンス度がアップし、少しサイバーパンク的になった

時代はグローバル化です。
野球選手がメジャーを目指すように、サッカー選手がヨーロッパを目指すように、物書きも世界を見据えないといけない。

と思ったわけではありませんが、自分のナンセンスな短編をGoogleの自動翻訳にかけたらどうなるだろう、さらにその英文をまた日本語に自動翻訳したらどうなるだろうと、ふと興味がわきました。
プロのクリエイターなら、「わが子同然の自作になんてことを!」って思うかもしれませんが、プロではないので、わが子に旅をさせました。
一瞬で「日→英→日」の旅から帰って来ました。帰ってきたわが子は、意外に原型を留めていました。しかしよくよく見るとどうでしょう。
全体に漂うよそよそしい丁寧な物言い。それでいて、ナンセンスさはより凶暴になり、少々サイバーパンクにかぶれてしまいました。

原文は以前noteに投稿した『鼻毛スイッチ』というナンセンス短編です。

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【原文 「鼻毛スイッチ」】
俺は今、かつてないほどのすがすがしい気分に満たされている。
これを特殊能力と言わずなんと言おう。心の大きな空白を埋める力を手に入れたのだ。いや、そんな小さな話ではおさまらない。
俺が、この俺が世界を変えられるのだ。

ことの顛末はこうだ。
数時間前・・・
真夜中。俺はベットに横たわり、相変わらず眠れずに天井をぼんやり眺めていた。
不眠が俺を腐らせていくのか、腐っていく過程で不眠症になったのか、もはやわからない。
あー、睡魔というものに襲われてみたい。深くため息をついた。
すると鼻下がこそばゆくなった。何かがさわさわと当たる。
暗闇の中、手探りで確かめた。
鼻毛が一本出ていた。容易につまめるくらい大胆に出ていた。
そういえばしばらく鏡をまともに見ていなかったな、と気づいた。
どうしようもない自分の間抜け面と向き合うことを無意識のうちに避けていたのだ。
まったくどうしようもない奴だ。自嘲しながら鼻毛を抜こうと引っ張った。
うッ! 鼻の奥に強烈な痛みが走った。しかし抜けた感じがしない。
もう一度手探りで確かめる。まだ残っている。
俺はいらつきながら、覚悟を決めて、さらに強く引っ張った。
猛烈な痛み。しかし抜けない。
いや、抜けていないどころか、鼻毛はさらに飛び出てきた。
引っ張って鼻毛が伸びるなんて話聞いたことない。まさか!
痛みに耐えながら、何度かチャレンジした。
しかし、その分、鼻毛がさらに長く飛び出してしまった。
もはやエクステレベルだ。
腹が立って、もう一度全力で引っ張ろうと思って手を止めた。
切ればいいのだ。
はなからそうすればよかったのだ。
鼻毛ごときにムキになることはない。
起き上がり、ハサミを手にした。
左手で鼻毛をピンと張り、右手のハサミで切ろうとしたが、暗くて危険だ。
部屋の照明をつけよう、と思ったその時だった。
カチッという乾いた音が頭に響き、同時に部屋の照明がつき明るくなった。
俺は狐につままれた思いで、鼻毛をつまむ。軽く下に引っ張ってみる。
カチッと音がして、今度は照明が消えた。
鼻毛を引っ張る度に部屋の照明がついたり消えたりした。
俺は夢中になって何度も繰り返した。
鼻血がうっすらと垂れてきていることにも気づかずに、体の奥底から湧き出てくる高揚感に笑いがとまらなかった。
窓を開け、街灯にも試してみた。オン・オフ。
すごいぞ、俺!!! どうやら鼻毛で照明をコントロールできるらしい。
気づけば夜明け間近だった。
街灯をつけたり消したりして、新聞配達のお兄さんを驚かせてから、眠りについた。
目覚めたら、この能力で何をしてやろうかとほくそ笑みながら。

という事の次第で、今の俺は久しぶりの安眠を楽しみ、心身ともに充実している。
さあ、街に出て何をしてやろう。俺はもはや特別な人間なのだ。

俺は、飛び出た鼻毛を隠すためマスクをして街に出て、実験を繰り返した。
マスクに手を突っ込み、鼻毛を引っ張る。
街灯をつけたり消したりはもちろん、電気屋の照明コーナーでは店員を慌てさせたやった。
調子にのった俺は、東京タワーを点滅させたり、プロ野球のナイター戦を中止にしてやったりもした。熟達してきた俺は、しまいには、オフィス街のビル群の窓を使って、マリオを再現して、ニュースになった。

この鼻毛一本で俺は世界をコントロールできる。
さあ新しい人生だ。さあ俺を蔑んできたこの社会への復讐だ。
マスクの裏で高笑いをした。

しかし、数日して、俺は虚しい気持ちに襲われた。
調子にのって信号機の明かりをつけたり消したりするうちに、
事故が起きてしまったのだ。
幸い人が怪我するほどではなかったが、後ろめたい気持ちでいっぱいになった。
俺の復讐とはこんなことなのか・・・違うだろ・・・
しかも、鼻毛スイッチをやりすぎて、鼻の奥が炎症して常時痛い。
俺はいっそこの鼻毛を切って、もとの暗闇の世界に戻ろう、そう思った。
しかし、出来なかった。もう戻りたくはない。
そうだ、この神から授かった鼻毛を人助けのために使おう。
かつての俺のように闇を抱えている人々の心に明かりを灯してあげよう。

俺はマスクを取り、鼻毛を風になびかせながら、鼻息荒く家を出た。
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これを、翻訳しやすいように、一部主語を補完し、長い文章は途中で切った上で、Googleの自動翻訳にかけました。

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【日→英 「鼻毛スイッチ Nose hair switch」】
I now, is filled to the fresh mood unprecedented.
What you say will not say this with special abilities. It's the power to fill the large space of the heart was placed in a hand. No, it does not fit in such a small story.
I have, I this I can change the world.

The particulars of thing is this.
A few hours ago ...
Midnight. I lay on the bed, I was looking blankly at the ceiling without sleep as usual.
Whether insomnia causes rot me, or became insomnia in rot process, I do not know anymore.
Oh, I want to be attacked by a thing called sandman. I took a deep sigh.
Then, under the nose it has become Kosobayuku. Something I hit and I Sawasa me.
In the dark. It was confirmed by fumbling.
Nose hair is single, it was out. And much easily grasp and was out boldly.
I do not did not look decent for a while mirror Speaking, and I noticed.
It's for that to face with my stupid face had avoided unconsciously helpless.
The guy's not helpless at all. I pulled trying to overtake the nose hair while snorting.
Ugh Intense pain ran to the back of the nose. But missing feeling is not.
Once again I am sure in the groping. It is still left.
I while month need, to decide the resolution, pulled more strongly.
Ferocious pain. But it will not come out.
No, let alone not missing, nose hair has been further jump out.
Never heard talk Nante extend the nose hair and pull the nose hair. No!
While endure the pain, it was challenged several times.
However, the minute, nose hair is had jumped even longer.
It is no longer extension level.
I belly stood. And it stopped the hand is going to to pull again with full force.
I hope if expired.
And it was good doing so from the nose.
Not be a orientation Gotoki nose hair.
I got up, I was to hand scissors.
The nose hair and tension and pin with your left hand, and tried to cut the right hand of scissors, it's dangerous dark.
I was at that time that I thought it was gonna lighting of the room, and.
Sound to sound dry a click the head, it became bright sticks at the same time lighting of the room.
I think in that was pinched in fox, pinch the nose hair. I try to pull down lightly.
Then it clicks into place, this time lighting has disappeared.
Lighting of the room was and disappear with it and pull the nose hair.
I was repeated many times engrossed.
without it to even notice the nosebleed has been hanging faintly, I did not stop laughing the elation that comes springs from the depths of the body.
Open the window, and tried to streetlights. On and off.
Gonna wow, me! ! ! It seems apparently can control the lighting in the nose hair.
It was close dawn if you notice.
By or off or put a street light, and from amaze older brother of newspaper delivery, and went to sleep.
I, if you wake up, you can either try to do with this capability, and while Hokusoemi.

Depending on the fact that, now I'm looking forward to after a long time of sleep, I have been enhanced both physically and mentally.
Now, you can either let's what you come out to the city. I 's no longer a special human being.

I exits the streets by a mask to hide Ying was nose hair, the experiment was repeated.
The thrust of the hand as a mask to pull the nose hair.
I was or turn it off or turn on the streetlights. I've done was allowed to panic a clerk in the lighting corner of electronics center.
Was riding in tone I, you can blink the Tokyo Tower, it was to stop the night game against professional baseball. I've been adept. At length, using a window of an office district buildings of, by reproducing the Mario and became news.

I can control the world in this nose hair one.
Now it's a new life. Now it's revenge to this society who had despised me.
It was the loud laughter in the back of the mask.

However, in a few days, I was attacked in vain feelings.
I While you can turn off or turn on the lights of the traffic signal riding on the tone,
He accident had happened.
Fortunately people and it was not enough to hurt, but it was filled with guilty feelings.
Whether such thing and my revenge ... different wonder ...
Moreover, overdoing nose hair switch, the back of the nose is constantly painful inflamed.
I rather to cut the nose hair, it will return to the world of the original darkness, I thought so.
However, I could not. I do not want anymore return.
It's so, we'll use a nose hair that was bestowed from this God for the sake of helping others.
I I'll light a light in the hearts of people who are having a former my darkness as.

I took the mask. I while fluttering nose hair in the wind, left the snort rough house.
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で、この英文をまた自動翻訳にかける。

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【日→英→日 「鼻毛スイッチ」】

私は今、かつてない新鮮な気分に満たされています。
あなたの言うことは特別な能力でこれを言うことはありません。これは、手に入れた心臓の大きな空間を充填する力です。いいえ、それはこのような小さな物語に収まりません。
私はこの私が世界を変えることができ、持っています。

事の詳細は、このです。
数時間前に...
ミッドナイト。私はいつものようにスリープすることなく、天井をぼんやりと眺めていた、ベッドの上に横たわっていました。
不眠症の原因は私に腐敗、または腐朽過程で不眠症になったかどうかは、私はもう知りません。
ああ、私は睡魔と呼ばれる事によって攻撃することにしたいです。私は深いため息を取りました。
その後、鼻の下には、Kosobayukuとなっています。何か私がヒットし、私は私をSawasa。
暗闇の中で。これは、手探りで確認しました。
鼻毛は、それが出ていた、単一です。そして、はるかに容易把握し、大胆に出ていました。
私はしばらくの間ミラーのチャットまともな見ていないしない、と私は気づきました。
それは私の愚かな顔が無意識のうちに無力避けていたと直面しているためです。
男は全く無力ではありません。私は自嘲しながら、鼻毛をオーバーテイクしようと引っ張りました。
うわ激しい痛みは、鼻の奥に走りました。しかし、不足している感がありません。
もう一度私は模索中で確信しています。これは、まだ残っています。
私は月の必要性が、解像度を決定するために、より強く引っ張りました。
猛烈な痛み。しかし、それは出てきません。
いいえ、欠落していないどころか、鼻毛はさらに飛び出してきました。
話なんては鼻毛を拡張し、鼻毛を引っ張る聞いたことがありません。まさか!
痛みに耐えながら、それを数回挑戦しました。
しかし、鼻毛が持っていたされている分にはさらに長い跳ね上がりました。
それはもはや拡張レベルではありません。
私の腹が立っていました。そして、それは完全な力で再び引っ張ってしようとしている手を止めました。
期限切れの場合、私は願っています。
そして、それは鼻からそうすることに良好でした。
オリエンテーションGotokiの鼻毛ではありません。
私は立ち上がって、私ははさみを手にしました。
鼻毛と左手で緊張とピン、およびはさみの右の手をカットしようとした、それは危険な暗いです。
私はそれが部屋の照明つもりだった、と思ったその時でした。
サウンドは頭をクリックし、ドライ音に、それは部屋の同じ時間照明で明るい棒になりました。
私はその中で狐につままれたと思い、鼻毛を​​つまみます。私は軽くプルダウンしてみてください。
そして、それは、この時間照明が消えて、カチッと音。
部屋の照明があってそれで消え、鼻毛を引っ張ります。
私は夢中に何度も繰り返しました。
それも鼻血がかすかに掛かってきた通知にすることなく、私は身体の奥からスプリングを付属してい高揚感を笑いが止まりませんでした。
ウィンドウを開き、街灯に試してみました。オンとオフ。
すごいゴナ、私!!! これは明らかに鼻毛で照明を制御することができそうです。
あなたが気づくかどうかは近い夜明けでした。
することにより、オフまたは街路灯を入れ、新聞配達の兄を驚かせて、眠りについたから。
私は、あなたが目を覚ます場合は、この機能をどうしよう、とHokusoemiしばらくすることができます。

今、私は睡眠の長い時間の後を楽しみにしているという事実によって、私は心身ともに強化されました。
今、あなたが街に出てくるものをしてみましょうことができます。私のもはや特別な人間。

私は英鼻毛た隠すためにマスクで街を出て、実験を繰り返しました。
鼻毛を引っ張るためにマスクとして手の推力。
私はあったか、またはそれをオフにするか、街灯の電源をオンにします。私はエレクトロニクスセンターの照明コーナーで店員をパニックさせたやりました。
トーンIに乗っていた、あなたはそれがプロ野球に対するナイターを停止した、東京タワーを点滅させることができます。私は熟達してきました。長さで、マリオを再生することにより、のオフィス街の建物の窓を使用して、ニュースになりました。

私はこの鼻毛1で世界を制御することができます。
今では新しい人生です。今では私を軽蔑していたこの社会に復讐です。
これは、マスクの後ろに大声で笑いました。

しかし、数日後に、私は無駄な感情に襲われました。
私あなたはオフにしたり、音に乗って交通信号のライトをオンにすることができますが、
彼事故が起こりました。
幸いな人と、それは傷つけるには十分ではなかったが、それは有罪の気持ちでいっぱいでした。
そのようなことと私の復讐かどうか...別の不思議...
また、鼻毛スイッチをやり、鼻の奥が炎症を起こし、常に痛いです。
私はむしろそれが元の闇の世界に戻り、鼻毛をカットする、私はそう思いました。
しかし、私はできませんでした。私はもうたく返しません。
それはそうだ、私たちは他人を助けるのために、この神から授けられた鼻毛を使用します。
私は、かつての私の闇を抱えている人の心に光を点灯します。

私はマスクを取りました。私は風に鼻毛をなびかながら、鼻息荒い家を出ました。
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【感想】
ここまで解体されると痛快です。マゾヒスティックな快楽とでもいいましょうか。
当たり前ですが、日本語と英語は構造が違いますね。まったく逆の意味になってしまったところもあります。
◉こんなにカタカナ語が出てくるとは思いませんでした。
「鼻毛をオーバーテイクしようと引っ張りました」
「私はエレクトロニクスセンターの照明コーナーで店員をパニックさせた」
うーん、ルー大柴チック。

◉「すごいゴナ、私」
「ゴナ」って何?
たどっていくと、あーなるほど、しかし惜しい!
「すごいぞ、俺」→「Gonna wow, me」→「すごいゴナ、私」

◉サイバーパンク的な
「サウンドは頭をクリックし」(原文:カチッという乾いた音が頭に響き)
かっこいい。自分で思いつかない。

「私は身体の奥からスプリングを付属して」
意味分かんないけど、なんかかっこいい。

◉その他
「私は私をSawasa」(原文:何かがさわさわと当たる。英文:I Sawasa me.)
ナンセンスの極みです。

「もはやエクステレベルだ」→「It is no longer extension level」→「それはもはや拡張レベルではありません」と逆の意味になってしまいました。
「もはや」を「もはや〜ない」と翻訳してしまったのですね。
それで、気になって「全然大丈夫」という最近表現を自動翻訳にかけると、「
Fine, Totally Fine」→「全然大丈夫」とちゃんと戻ってきました。Googleすごい。

最後の一文「鼻息荒く」が「鼻息荒い」になってしまったのが惜しい。副詞が形容詞になってしまった。それだけで意味が全然違ってしまいます。「鼻息荒い家」ってなんなんだっていうね。まあそんなこと言ったら原文がそもそもなんなんだていうね……。

◉Googleにダジャレが通じた!?
一番感動したのは、「それは鼻からそうすることに良好でした」の部分。
原文は「はなからそうすればよかったのだ」。わかりにくいかもしれませんが、文頭の「はなから」は「鼻」との同音異義のダジャレです。
気づきましたか?
Google様はちゃんと気付いています。
英文だと「it was good doing so from the nose」と翻訳されています。
「最初から」の意味の「はなから」が「鼻から」になってる。
Googleにダジャレが伝わった!
そう思わずにはいられない瞬間でした。
きっとGoogle社内の「翻訳アプリケーション部」の日英翻訳担当の方が、ニヤリとしたにちがいない!
(注:機械翻訳ですからそんなことはないでしょう)

◉最後にちょっとだけ真面目な話をすると
今回自動翻訳をしてみて分かったこと。
擬音語、オノマトペには対応できないみたいです。
原文ではスピード感が落ちるので、極力主語を省きましたが、自動翻訳では勝手に主語を補ってました。しかし「彼」とか「私たち」とか、まったく出てこない主語が登場してきて、どういうアルゴリズムになっているのか、不思議でした。

まだ自動翻訳はあてにならない部分はありますが、一瞬でこのレベルのものになったんだからすごいです。Googleは日々精度をあげていますから、しばらくしてから同じように自動翻訳すると違った結果になるでしょう。

以上、ナンセンスにナンセンスを重ねるナンセンスな遊びでした。

ちなみに以前、PCの自動読み上げで音声化したこともあります。それもナンセンスにナンセンスを重ねるナンセンスな遊びです。

こちらもどうぞ→音声版

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