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エルディ
2015年5月12日 22:29
トイレに駆け込み、扉を閉めて思った。これじゃ嬉ションする犬だ。「でも仕方ないよ、ミチル」私はいつもそうするように自分に話しかける。「こんな幸せなこと信じられる? かっこよくて、身長が高くて、それでいてとびきりやさしい。しかも趣味も合う。 こんな理想的な人から告白されて、しかもプロポーズされるなんてありえる?」三ヶ月前から付き合っている彼に喫茶店に呼び出された。マイナス思考の私は別れ話も覚悟し
2015年3月20日 19:59
彼女は変わっている。食べ物から声が聞こえるという。こんなパターン初めてだ。ぼくは笑顔で受け止めようと思うようにしている。しかし目には現れているようだ。彼女は、ぼくの怪訝な目つきを見逃さない。そして、いつもではない、ときどきだ、と彼女は自分は変人ではないのだと弁明する。いやいや、問題は回数ではないのだけど……。今日は、その「ときどき」らしかった。街の古い喫茶店。テーブルには焼きたてのホッ
2014年5月5日 21:42
ときは十七世紀 。イングランドの片田舎 。りんご農家に若い娘がいた 。娘はその美貌で村中に知られていたが 、何せ奥手であったため 、数多の求婚を断っていた 。娘は家のりんご農家の仕事に