中国の病院のオンラインへの取り組みを紹介。コロナウイルスの院内感染を防ぎましょう
中国の「オンライン問診」について紹介します。
感染症が広がっている時期に病院に行くのが怖いです。発熱者用の外来があるところはまだ良いですが、そうじゃない病院には行きたくない。
受診待ちの誰がインフルや新型コロナ感染者なのか全くわからず、院内感染するかもしれないからです。実際に感染するリスクはそこまで高くないのかもしれませんが、心理的な恐怖があります。
特に中国(少なくとも北京)では、コロナ騒動以前から外来病院はどこもすごく混んでいます。評判の良い病院であればあるほど混んでます。
また、全土のたくさんの医師や看護師(2月17日時点で3.2万人)が湖北省を支援しに行き、旧正月での帰省や2週間の隔離ルールなどの影響もあって正常に業務ができていない病院もあります。
その中で活躍しているのがオンラインでの問診。
もともとは「微医」や「春雨医生」などの商業化されたプラットフォームで利用可能でしたが、今回の一連の騒動で変化。今では公立病院を中心にトップクラスの病院から地方の病院まで多くがオンライン問診に対応しています。
例えば中国No.1と評価されている「北京協和病院」の場合、予約や支払い、検査結果などで利用している病院のアプリに、新たに「オンラインでの問診」というサービスが追加されました。
アクセスすると、さまざまな科の有名な先生が無料で対応していました。
特に聞きたいことがないから試してみなかったですが、記事によると記者が別のプラットフォーム試した結果、早いところは10分程度で返事が来たとのこと(遅い場合は1時間以上かかるところもあるそうです)。
どんな症状なのか、薬は服用してるのか、解決したいことを問い合わせる。画像を撮って送ることもできる。また、先生によっては通話やビデオ通話での問診もできます。
このような独自のアプリを用意できない病院でも、WeChatの小程序(ミニプログラム)を利用してオンライン医療を行っているところがたくさんあります。例えばこの広州の病院は↓
基本的な問診の他に新型肺炎問診もできます。
そして、これすら用意する余裕がない病院でも大丈夫。百度などの大手が運営する医療プラットフォームを利用することも可能なのです。(社会貢献として別途登録してサービス提供してる医療機関もある)
累計1895万の問診があったようです(2020年3月3日時点)。すごい利用数。。
もちろんオンラインでは問診以上の検査はできないですが、コロナウイルス感染の相談はもちろん、通常の病気の問診、健康に関する不安の相談、持病用の薬の処方など、幅広く利用されます。
とある調査が、どんな時に利用したいかについてのインタビュー結果をまとめてました↓
上から順に
・体調不良の気がして専門家の意見を聞きたい。
・感染されるだろうと心配で病院に行くことに抵抗がある。
・病院が遠い、または待ち時間が長い。
・検査の結果についてわからないところをもう少し聞きたい。
・初診の先生の判断に疑問があって他の先生に見てもらいたい。
・薬の使用に疑問があり尋ねたい。
・初診の先生が勧めたもっと上級の専門家に連絡したい。
・持病などの原因で定期的に処方が必要、処方箋をもらいたい。
特に、持病があるがどうしても問診必要な人が病院に行くリスクを解決できることが素晴らしいと思いました。
半年ほど前、noteに中国医療のIT化とその可能性についてを書いたら、医療関係の人たちにTwitterでディスられました。そんなの使い物にならないよと。
でも今を見てください。非常事態で皆に必要とされる時に、中国ではこんなにオンラインサービスが活用されているのです。中国の新たな取り組みやサービスは人の一生や社会を変えています。日本も見習える内容があるかもしれません。
(参考資料)
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