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ボードゲーム業界の変化(Changes in the board gaming industry)

本記事は、Caroline Black氏が2022年8月13日に投稿した「Changes in the board gaming industry」の翻訳である。

雑駁としているが、現時点でのボードゲーム業界の変化を記すものとして意味があるように思われた。もっとも、作者は、ボードゲームを趣味として5年にすぎないし、業界に関係する仕事をしているわけでもないことには留意されたい。

元記事は以下のリンク先を参照されたい。ヘッダー画像はみんなのフォトギャラリー機能を利用させていただいた。

私は、ボードゲームにのめり込んでからそんなに長い時間がたつわけではない。2017年の年末からだとすると、5年になる。しかし、この間、 ボードゲーム業界の大きな変化に気づくことになった。

ますます多くのゲームが製造されてきている。毎年、出版されるゲームの数は増え続けている。その例外として、顕著に製造数が減った感染症拡大があった(the pandemic)。

更に悪いことに、製造されるゲームは、私の好みのゲームが増えている。「ウイングスパン」、「PARKS」、「アイル・オブ・キャッツ」のような中量級のユーロゲーム、ファミリーゲームだ。これらのゲームは、昔のゲームよりも攻撃的ではないし、直接的なインタラクションも少なくて、より個々の(individual, ※他者からの影響を受けない)タブロービルディングを行うものだ。

クレジット: Frank West

新作の発売だけでなく、古いゲームも再販されている。「カッラーラの宮殿(第2版)」、「フィヨルド」、「銀杏都市ギンコポリス」のような、みんながとっくに絶版となっていたと思っていたゲームが再販されている。

クレジット: Caroline Black

人気のある古いゲームは、新しいアート、豪華なコンポーネント、追加のコンテンツを含んだデラックス版として販売されている。古いゲームの中には、「Libertalia: Winds of Galecrest」、「ケイラス1303」や、最近発表のあった「Puerto Rico 1897」のような、全体的に新たに創作されたゲームもある。

クレジット: Wouter Debisschop

拡張もすぐに販売されるようになっているようにみえる。Kickstarterでは、最初から既に拡張が含まれているものもある。まるで、拡張が基本ゲームの一部であるか、基本ゲームと一緒にデベロップされたかのようだ。

動物、自然、生態系(ecosystems)は、さらに人気のあるテーマとなっている。もちろん、ファンタジーが支配的だが、他のテーマも出てきている。地中海での交易というテーマは少なくなっている。アートの質は驚くほど向上してきている。特に、箱絵がそうだ。

コンポーネントの品質は際限なく上がった。シルクスクリーンのミープル、ガラスのコンポーネント、メタル製、合成樹脂製(bakelite, ※ベークライト)……ダイカット(die cutting, ※型抜き)は、「Honey Buzz」における蜂や、「Merchants of the Dark Road」における荷馬車ような、より複雑な(intercret, ※このような単語はないので誤記だと推測される。intricateの誤記と推測して訳している。)コンポーネントに本当に対処してきた。両面ボード、デュアルレイヤーボード、ドローバッグ。面白みのない木製キューブや一般的なミープルは、過去のものとなった。

クレジット: Caroline Black

本当にソロゲームが増加した。ソロゲームは大規模な新規市場であり、ますます多くの出版社が選択肢としてソロゲームを提供していくことになる。今では、ほとんどのKickstarterゲームにおいて、そのプレイヤー数(※ソロ)が含まれている。そして、ソロゲームは、単なる自分自身の得点を更新するタイプのものではない。オートマ(autonomas)、イベントデッキといった対戦相手に似せた、本当に巧妙で革新的な方法が搭載されている。例えば、「タペストリー ~文明の錦の御旗~」のように。この分野には、多くの新しい工夫(innovation)があるように感じる。

クレジット: Henk Rolleman

バリアントも多く提供されており、協力オプションがある。「アーク・ノヴァ 新たなる方舟」におけるのと同じように、協力オプションはより攻撃的ではないバージョンとなる。

クレジット: Marek (Tryb Solo)

他の人の手番で何かをすることが流行っている(become a thing)。そう、「プエルトリコ」の頃からあったけど、もっと広まったってことだ。再び登場するけど、「Merchants of the Dark Road」ではこれを搭載していて、プレイヤーは対戦相手の旅路に加わることができる。

こういった新しいゲームを卓上に並べるための最大の障壁は、遊び方を学ぶことだ。今では、多くのプレイ動画(run throughs)があるし、プレイヤーエイド、手軽に始める(quick)スタートパック、最初の手札(starting hand, ※最初の手札の指示)なんかもある。

クレジット: Ada Weyland

コンテンツ制作(content creation)はさらに増えている。ユーチューバー、ポッドキャスト、ブロガーは多くなっている。Patreonは、コンテンツクリエイターへの金銭的支援を行うプラットフォームとして用いられている。The Dice TowerMan vs Meepleのような一部のコンテンツクリエイターは、宣伝や商品を提供するためのKickstarterを行うこともある。

アップグレードやインサートといった二次製品の市場は大幅に成長してきた。今では、Etsyに、膨大な数のアップグレード品が並んでいる。Meeple Sourceは、素晴らしい品質のアップグレード品を開発してきた。具体的には、「ウイングスパン」用のシルクスクリーンの鳥駒がある。

クレジット: Caroline Black

箱も進化している。UVスポット(spot UV, ※UV印刷のことかと思われる。)印刷が施されて、より厚く、より大きくなっている。内側にも印刷されることが多い。Game Trayzのようなふた付きのインサートが一般的になっている。実際には、Kickstarterのような製品価値が小売店のゲームにも紛れ込んでいるようにみえる。去年は、ボール紙のインサートがより人気となっているが、持続可能性(sustainability)という点では懸念が高まっている。

クレジット: Caroline Black
Libertalia: Winds of Galecrest」で用いられた生物分解可能な袋

こういった変化を受け入れるプレイヤーもいれば、そうではないプレイヤーもいるのだろう。個人的には、ゲームがより高価になっていることを認識している一方で、ボードゲームの黄金期にいると考えている。おおむね、私は、この趣味の世界がどのように成長していくかを楽しんでいる。それに、ボードゲームカフェやボードゲームクラブの数が増えるに従って、遊ぶ機会が多くなっている。

以上

※Caroline Black氏の記事としては、ほかに以下のものがある。

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