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Kickstarter版 Vs. リテール版(Kickstarter V retail)

本記事は、2022年7月14日、Caroline Black氏が投稿した「Kickstarter V retail」の翻訳である。

タイトルは本文の内容の一部に過ぎない。主に、消費者の視点から述べられた、Kickstarterをはじめとするクラウドファンディングのマーケティングに関する話だ。クラウドファンディングに由来するさまざまな反応が概観されている。マーケティング効果を分析する際のヒントになる部分もなくはないだろう。

Twitter上でも、業界の人の話ではないにもかかわらず、業界の事情という形の憶測が述べられることがある。本記事もそのような与太話という性質が強めのようにら思われる。また、Caroline氏の文章は、あちらこちらに話が飛ぶ。これもエッセイの特質とみるほかないと思われる。

元記事は、以下のリンク先を参照されたい。ヘッダー画像はみんなのフォトギャラリー機能を利用させていただいた。

Kickstarterは優れたマーケティング手法だ(device)。出版社に自社のゲームを実際に展示する場を提供してくれる。Kickstarterのページには、通常、きらびやかなトレーラー映像(trailers)、ゲームのルール、コンポーネントの詳細、それにレビューが大きく取り上げられている(features)。レビュアーは、そのゲームを主役にすることに全力を注ぎ、このゲームを支援するべきかどうかを論じる。ストレッチゴールは、将来的な過剰広告をあおる。インサートはスリーブ付きのカードに収まるかどうか、配送の時期、ソロプロイといったことを含むゲームのあらゆる面を議論しているBGGスレッドが立ち上がる。Kickstarterは、論争を生み出す。

しかし、Kickstarterは全てが終わるまでに時間がかなりかかることから、ゲームが届いた際には何が起こるだろうか。私は、リテール版の販売があるかどうかがある程度は決まってくると思う。実際、Kickstarterの配送は、出版社に2度目のチャンス(another bite of the cherry)を与えているはずだ。ゲームを宣伝するもう1つの機会だ。

しかし、ゲームの中には、Kickstarterのキャンペーンの後になると、単に話題から消え失せたようにみえるものもあり、二度と話題に上ることはない。配送までの期間の長さは全く有益でないことか明らかだ。

手元に届くずっと前に、最終的に嫌気を刺すことになったゲームがいくつかある。「Trekking the World」は届いてすぐに売り払ったよ。「ペトリコール」は未プレイのままだ。拡張の「Petrichor: Cows」はもう売ってしまった。

クレジット: @Start2game

出版社はKickstarterを始める時までにゲームをほぼ完成した状態にしておくべきだと本当に思う。特にそれが新作のゲームだった場合には。現在のKickstarterの所要時間は馬鹿げてるように思える。

かつては、なぜ小売店がKickstarterのリテール向けプレッジを行わないのか理解できなかったが、今では理解できる。一体、誰がそんなに長期にわたって運転資金を流用できなくなる状態に置こうと思うかね。

対照的に、リテール版のゲームは、Essen(※Spielのこと)に合わせて販売されない限り、尻すぼみで(by a whimper, ※あまり売れることなく)出版されるようだ。レビュアーから取材をされることもある。しかし、Kickstarterの締切がないと、(※Kickstarter版と)同じようなリテール版のレビューを求める大きな声(clamour)はないように思う。私は、一、二年経過するまでリテール版の販売を見逃していることが多い。

例えば、「My Farm Shop」や「赤の大聖堂」が挙げられる。(※リテール版の販売から)約1年が経過するまでの間、これらのゲームに出会うことがなかった。

クレジット: Cookie Monster

エッセンやほかの大きなコンベンションは、ゲームを宣伝する良い機会を与えてくれる。業界誌を読むことはないが、それらには広告が掲載される。Stonemaier Gamesは、Kickstarterを当てにすることなく、ゲームを宣伝して魅力を生み出すことに長けた数少ない企業だと思われる。明らかに、彼らのChampionプログラム(※年間有料会員のこと。さまざまな優遇を得られる。)によって、彼らは協力的な顧客のデータベースを容易に手に入れているに違いない。「Libertalia: Winds of Galecrest」は、最近、成功を収めた作品の良い例となる。

クレジット: Henk Rolleman

BGGは、出版社にとって、広告とコンテスト(competition, ※BGG Awards等のこと)があるもう1つの本当に良いリソースとなっている。新しいコンテンツクリエイターが、毎日誕生しているようだ。通常、レビュアーは、レビュー用のサンプルに取り掛かる前に、単に自分のゲームをレビューすることから始める。レビュー用のサンプル送ることは、出版社にとって有益な方法に違いない。

しかし、Kickstarterが素晴らしいマーケティングのツールだとしても、実際にKickstarter上でプロジェクトを検索することは徒労だ(rubbish)。では、どのようにして、Kickstarter上のゲームを探し出すことになるのだろうか。そこで、いくつかのGeeklistsがある。しかし、主に私にとってみれば、少し当たり外れがある。BGGで話題(hotness)になっているゲームを見たり、興味を持った広告を追うことは、有益な方法だと思われる。

Kickstarter上のゲームの数は、驚くほど多い。今日では、約400個のゲームがあるようにみえる。実際に、何個のゲームが資金調達が達成されるのだろうか。私は、資金調達に失敗したゲームを支援したことがない。

私のコレクションの中で、元々Kickstarterだったゲームはどのくらいあるのか不思議に思っていた。BGGのページから判断できる方法はないように思う。私のお気に入りのゲームの1つである「Obsession」はそうだった。

クレジット: Fredrik Schulz

「Obsession」、「アイル・オブ・キャッツ」、「Snowdonia: Deluxe Master Set」、「カスカディア」、「Tang Garden」は、私が支援したので(※Kickstarterのゲームであると)わかっている。

クレジット: Caroline Black

私がKickstarterから始まったと把握している他のゲームは、「Dice Miner」、「Shelfie Stacker」、「Three Sisters」、「Seize the Bean」、「Zoo-ography」がある。

クレジット: B

私のゲームを調べると、126個のゲームのコレクションのうち27個しか(※Kickstarterのゲームが)ないと思う。したがって、(※Kickstarterのゲームが占める割合は)20%になるんだが、私は、少しばかり、新しいゲームに熱狂するほうなんだろう。

いったん、Kickstarter上のプロジェクトを支援し始めると、最新のKickstarterプロジェクトについて知らせる出版社からのEメールが殺到するようになる。現在の私にとっては、Sinister Fish Gamesの「Moon」がそれに当たる。

クレジット: Dave Clarke

もちろんのことだが、Kickstarterの話ばかりしているが、新しいクラウドファンディングサイトであるGamefoundがある。今のところ、私は、プロジェクトの1つである「Castles of Burgundy: Special Edition」しか支援してない。Backerkitがこの競争に参入することはわかっている。

以上が、本当に知る必要のあることの全てだ。こういったクラウドファンディングは、出版社にとって素晴らしい場を提供しているということだ。

以上

※ Caroline Black氏の記事としては、ほかの以下のものがある。

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