『運命の恋をかなえるスタンダール』から学ぶ現代恋愛論
はじめに
こんにちは☺かっちーです。
本日は、水野敬也氏の『運命の恋をかなえるスタンダール』という本を参考に、現代恋愛論について考察していきたいと思います!宜しくお願いいたします。
主人公に共感できるエッセイ調の文章構成
最初に、「スタンダールとは19世紀フランス人作家で『赤と黒』などの小説や『恋愛論』が有名な作家のこと」です。
舞台はメンタルクリニックから始まり、恋愛に不慣れで、女性らしさや幸せな恋愛にほど遠い情緒不安定な女性が主人公です。
異性との触れ合いをひたすら小説の中で済ませてきた私にとって、現実の恋愛は氷点下100度以下の極寒地帯で、勇気を持って踏み出した足は即、凍傷になり、男性と二人きりでもなろうものなら完全に投資状態でまともに会話をすることなんてできなかった。p.60
万平事件以来、できるだけ人目につかないよう、縁の厚い眼鏡をかけ、髪を伸ばして顔を隠すようになった。美容師との会話が苦手で、髪は自分で切ってしまう場合がほとんどだ。服装も、地味な色で体のラインを隠すようなものをネット通販で購入している。p.234
マリウスという男性に恋をしたのをきっかけに、スタンダールに出会い、スタンダールから『恋愛論』を学んでいくという構成です。
人付き合いが苦手な主人公に共感を覚える読者も多いと思うし、恋愛に悩んでいる女性に寄り沿ったエッセイ調の文章構成でとても読みやすい本です。
『逆境』の時こそ人は『成長』し、困難があるから恋愛は盛り上がることが出来る
筆者は、『逆境』の時こそ人は『成長』できると述べており、苦しいことや絶望的なことがある時からこそ、人は成長できると述べています。
これは本当にそうですね。
苦しいことがあったときそれをパワーにして、逆境を乗り越えることが出来るかどうかが人生においてとても重要だと思います。
「絶望は幸福への伏線である」「人は不幸な出来事に遭遇して絶望すると、その出来事に隠された真の意味が分からなくなる。だが、その絶望から立ち上がり、前に進み、幸福を手に入れたときには、はっきり分かるのだ。絶望的だと感じたあとの出来事こそが、自分を幸福へと導くもっとも重要な伏線だったということに」p.540
恋愛も例外ではなく、「愛されるためには、好きな相手に自分が簡単に手に入ることが出来る対象であると認識させてはならない」と水野氏は述べています。
恋愛において、男はあまりにも容易な成功体験を軽蔑する。男は、向こうからくれるものをありがたがらないものである。 p.572
また、水野氏は、「好きな相手は欠点さえも愛おしく見えてしまう現象を「結晶作用」と呼び、片思いで手に入らない相手のことを考えている時間が最も恋愛感情が膨らむ」としています。
恋を冷静に考え、恋の成就を日常茶飯事にしてしまったドン・ファンよりも、好きな女を妄想し、その女に近づけば震え、不安になってしまうウェルテルの方が幸福であると。なぜならウェルテルは恋する女への結晶作用の中で生きることができたからだp.1403
二人の間に障害があるからこそ、盛り上がるのですね!
相手の幸せを願うことが大切である
水野氏は、「相手の幸せが自分の幸せにもなる状態が理想である」と述べています。
愛する男を幸福にするということは、自分の幸せに向かっての決定的な一歩である。p.2001
恋愛においては必ずしも努力が結ばれるわけではありません。傷ついた過去も相手が自分ではない人と恋愛や結婚をすることになったとしても「相手の幸せを願う」ことが大切です。
結晶作用を起こしたからこそ、自分が知らなかった自分と出会い、知らなかった世界を経験することができたのだ。そこには、喜びだけじゃなく苦しみや悲しみもあるけれど、どれだけ妄想しても決してたどりつけない「本当の世界だ」p.3265
周りを巻き込むことが大事である
「恋愛をかなえたければ周りを巻き込むことが大切である」と筆者は述べています。
女は恋人を選ぶにあたって、彼女自身が男を見る気持ちよりも他の女が彼を見る態度を重んじる。男もまた然り。p.621
また、狙っている異性の自尊心をくすぐるために別の異性に興味があるそぶりをすることも効果的であるようです。
若者が軍隊に入ると真っ先に聞かされる古い言葉がある。二人姉妹のいる家の宿泊券をもらい、その一人に愛されたいと思ったら、もう一人の方に言い寄ればいい。そうやって片方に気のある素振りを見せておくことで、もう一方の自尊心をくすぐることができる。p.2043
私は正直、高校生の頃、このタイプの女子に好きでもない異性関係で体育館裏に呼び出されたことがあるので、あまり良い思い出はありませんし、何もしなくても告白されると思うので、ここまで巧妙に立ち回ることが出来る器用な人を見ると、逆に恐怖心が湧いてしまいます...💦
夢をかなえるゾウのガネーシャとスタンダールのキャラがモロ被り
主人公が恋しているマリウスは、レミゼラブルを水野氏が参考にしたようです。
さらに筆者が同じなので、ネタ切れ感があったのだと思いますが、この著書に出てくるスタンダールの性格は、夢をかなえるゾウのガネーシャに酷似でした。笑
『あの男がマリウスなのだとしたら、君はさながらコゼットというわけか』スタンダールの言葉に思わず顔が熱くなる。『レ・ミゼラブル』では元囚人のジャン・バルジャンに引き取られた身寄りのない娘、コゼットは物語の後半でマリウスと結婚することになるのだ。p.507
なんか失礼ですが、おじさんが頑張って若い女性の心情を想像して書いた感が否めなくて、良い意味で面白い本だと思いました。
夢をかなえるゾウの恋愛版だと思えば、夢をかなえるゾウを読んだことがある方でも二度楽しむことが出来るかもしれません。
(水野氏の夢をかなえるゾウは以下の著作です。)
おわりに
私は恋愛について学ぶためにこの本を読み始めたのにも関わらず、読後に「恋愛は面倒だな。。。」と思ってしまいました!笑
この本をちゃんと初めから読みたい方は以下から購入して下さい。お読み頂き、ありがとうございました!
ありがとうございます。毎日をHAPPYに過ごすことが出来る人が増えるように有益な情報を更新していきます。引き続き宜しくお願いいたします。ଘ(੭*ˊᵕˋ)੭* ੈ♡‧₊˚