あくえりメモ_note___1_

スピーチを盛り上げる2つの小技

皆さんはスピーチが上手くなりたい、と思ったことはありませんか?

人前でのスピーチや挨拶の場は、生きていく上で、何度も訪れます。特に社会人になると、自己紹介、歓送迎会や結婚式での挨拶、プレゼン等、多くの機会があります。

その上、社会では「話の上手い人」が「デキる人」と見做されがちなので、これらの場できっちり合格点を取ることが、組織でのステップアップや人との関係創りにおいても非常に大事です。

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一方で、スピーチや挨拶が好きだ、得意だ、という人はあまりいません。どちらかというと苦手で悩む人が多い。特に、突然話を振られて困ってしまった経験は、どなたにでもあるのではないでしょうか。

だからこそ、話し上手になることで、社会で活躍できる可能性が格段に上がります。話が上手い人は本当に強い。世の中に、多くの話術ハウツーが溢れていることにも、表れていると思います。

僕自身は、営業という仕事柄、プレゼンや挨拶など人前で話す機会がすごく多いです。最近では場慣れもし、話すのは得意な方だと思っています。周囲からもそう言われることが多いです。

そこで、今回は「スピーチや挨拶を盛り上げる2つの小技」をお伝えしたいと思います。

多くの本やサイトに掲載のある基本技術は、ここでは省き、特別な事前準備なく "周囲に差をつけるラストワンマイル" を駆け抜けるための小技を2つ紹介します。

・何を話せばいいか分からない…
・急に頼まれたけど困った…

そんな皆様の助けになればと思います!
※本記事は、以前、別ブログに投稿したもののリライト版です。

上手なスピーチとは何か

そもそも上手なスピーチとは何でしょうか。僕は、以下の定義で捉えています。

上手いスピーチの定義
『 話者と聞き手が 同じ話題や感情を共有し 一体感を感じられるスピーチ 』

よく披露宴の友人代表スピーチで、大学時代の内輪ネタを披露し "数名が大爆笑、他一同沈黙" なんて冷たいシーンがありますよね。あれは、良いスピーチとは言えません。聞き手と話題や感情の共有が出来ていないからスベるのです。

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上手く話すとは、聞き手が上手いと判断してくれることです。聞き手のニーズや気持ちに寄り添うテーマで、聞き手に聞きやすく話す。これだけでもぐっと良くなります。

2つの小技

すると問題は「聞き手と一体感を作り上げるために何を話せば良いか」ということになります。

事前に聞き手の属性(どんな人達か)を知っていれば準備も出来ます。会社が同じであれば、現場や仕事のこと。サークルが同じであれば、サークル活動の話にすれば、置いていかれる人は減る。

この場合のポイントは「出来るだけ狭い(集まっている人だからこそ分かるコアな)テーマ」を選ぶことです。云わば "内輪過ぎない内輪"。一般より特殊よりだが、その場のみんなだからこそ理解できる話題。そうしたギリギリの話題によって一体感が更に演出できます。悪事や秘密を共有すると親しくなるのと同じです。

一方、スピーチを行う場は、必ずしも聞き手の属性が統一されていません。その場合、みんなが理解できる話題では物凄く浅い。"内輪過ぎない内輪" が良い塩梅に作れない。そういった聞き手の属性がバラバラな場もありますね。

また、急に指名され、聞き手の分析や事前準備が出来ていない状況で委ねられるスピーチもあります。

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そんな時にオススメしたいのが、次に紹介する2つの方法です。これらは、いつでも、どこでも、どんな場でも実践できます。「皆が共有できる話題」として、そのスピーチの場自体にあるものを利用するという考え方です。

 ① 聞き手の誰かをダシにする

一つは「場」に注目した考え方で、その「場」に参加している聞き手の誰かを引き合いに出します。その誰かとのエピソードを絡め、自分の話したいテーマを話すということです。

例として、僕が新人のときの配属後自己紹介で行ったスピーチの一部をご紹介します。

「名前は〇〇と申します。〇〇と書いて〇〇と読みますが、よく××と間違われてしまうことが多くて、現に、先ほど本部長からも××と読まれてしまったのですが、これからはちゃんと〇〇と覚えてもらえるよう、精一杯努力し、活躍していきたいと思います!」
「出身は〇〇で、実は、〇〇部長の家の近所ということが先ほど分かりまして…」
「趣味は、中学生の頃から剣道をやっています。先輩の〇〇さんはプロボクサーだったと伺っておりますので、武闘派コンビとして営業活動に励んでいきたいと思います!」

これらが何故効くかといえば「その場にいる誰か」の話題は、聞き手の皆が良く理解できる話題になるからです。この観点で言えば、「誰か」は、その場の誰でも知っている人がいいです。職場の上長や愛されキャラの人がオススメ。

また、この小技には、もう一つの効果があります。それは「空気」を動かせることです。

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「誰か」を話題に差し込むと、その人の方を向いたり話しかけたりする人が、少なからずいます。場合によっては、本人が丁度良いヤジを飛ばしてくれることもあります。

こうした身体の動きが混ざることで、場の「空気」も柔らかく動きます。視線や気持ちが、その誰かや話者に集まり、場に一体感が生まれます。この効果はすごく大きい。

ネタにされた人も、通常は、嫌な気持ちになりません。注目を浴びたり、一体感を感じることで気分を高めてくれることが多いです。

もちろん、嫌なネタは避けましょう。嫌がりそうな人をネタにするのも避けましょう。

こうした話術を、我々はよく「ダシにする」なんていいます。

ポイントはくどくど話さないこと。受けたからと調子乗ると痛いスピーチになります。ダシなので、さらっと盛り込むくらいが丁度良い。

 ② 先の話者のネタを拾う

もう一つは「話の流れ」に注目した考え方です。

自分が登壇する前に、誰かのスピーチがされていることも多いと思います。自分がトップバッターの際も、スピーチが行われるまでに何かしらの「文脈」があるはずです。

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そのスピーチや文脈は、聞き手全員が共有しているものなので、これらを拾って自分の話に盛り込みます。

例えば「冒頭、〇〇社長からの挨拶では~でしたが、実は私も~」と、同意する立場で述べたり、「実は私は~」と異なる立場からの見解を述べたりします。どちらかと言えば、後者の方が盛り上がります。

特に、偉い人の発言に突っ込みを入れたり、場合には自虐を混じえ異なる見解を披露すると、意外性やギャップが生じるので面白く聞こえます。

もちろん話し方によっては失礼になるので、それは「キャラ」や「バランス感覚」が必要です。

また、「文脈」に関連すれば「目の前でさっき起こったこと」をネタに取り込んでもいいです。

僕が登壇したセミナーで、小道具が剥がれ落ちたことがありました。何事もなかったかのように淡々と話す話者もいますが、こういう「事件」も、小ネタとして有効活用できるので便利です。

まとめ

以上、スピーチを簡単に盛り上げる小技を2つお伝えいたしました。

大切なのは『皆で同じ空間を作り、誰も置いてきぼりにしないぞ!』という意識です。

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スピーチの聞き手は、他の人がどのように聞いているか、ということにも敏感です。他の人が笑えば笑うし、つまらない気持ちも伝播します。置いてきぼりがいると心配にもなる。そして、話者に対しては「気が遣えない人だなぁ…」と思い始めるものです。ヒトって社会的な動物ですからね。

本記事を読んでくれた皆さんが、スピーチの機会にふと思い出し、難局を上手く乗り越え「デキるやつ」と思わせ、その後のチャンスに繋げてくれたら幸いです。

これからも営業や仕事に役立つ発信をしていきます。是非、当noteアカウントとTwitterアカウントのフォローをお願いします。役に立ったら本記事も拡散いただけたら嬉しいです!

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*オススメ図書

最後に、スピーチの参考になりそうな書籍を3つ紹介します。

企業に所属しての仕事はもちろん、フリーランスとして自分のプレゼンスを高めたり、人との関係を築いていく際にも「スピーチや話し方の技術」は、これからますます重要になると思います。

こちらはその名のとおり "教科書" 的な書籍です。

同様の書籍を読んだことがあれば、物足りないかもしれませんが、スピーチの作り方から技術までを、構造的・体系的に纏められています。入門書としてオススメ。

どのようなスピーチが「聴衆の感情に届く」のか、歴代各国偉人の名スピーチをケースとして分析しており、熟練者でも参考になる部分はあるかと思います。

筆者のソニーでの仕事や米国での経験も踏まえ、実体験ベースで非常に読みやすく書かれています。

こちらは、著名な講演家である 酒井とし夫さんの書籍です。

"話し方" の部分に主にフォーカスしており、言葉・発声・リズム・身のこなし・雑談・印象操作まで具体的なレベルで書かれています。

体系的な理論というよりは、具体的なコツが集められたノウハウ集という感じ。実際に取り組んで効果を出すには、こういう本の方が使いやすいのかも。

カリスマ本にありがちな違和感も多少はあるものの、書かれている内容はその通りだなぁという感じ。

最後は毛色の違うこちらの書籍。スピーチに直接関係があるわけではないですが、そのベースに必要な "文化とコミュニケーション" を学べます。一時期話題になったのでご存知の方も多いはず。

その名の通り「異文化」の人と交流する際に参考となる本で、主には海外駐在など、海外ビジネスを担当する人向けに書かれています。ビジネス場面での事例とソリューションが描かれているので、具体的なイメージが沸きやすい。

一方で「異文化コミュニケーション」は、日本国内だけで生きていても日常茶飯事です。年代、場所、生まれ育った環境が違えば、考え方から行動様式まで様々です。考え方の違いから「何で伝わらないんだ…」と感情的な摩擦もよく起きます。

本書はそのような「立場や思考方法が違う人とのあらゆるコミュニケーション」に関し学びを得られる書籍だと思います。


最後は僕の記事を紹介します。

プレゼンに緊張してしまうことで実力を発揮できない方にオススメです。7000字程度で論理的・構造的にアプローチしています。

それではまた次回お会いしましょう!

あくえり

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