純粋な貴女が一番大人だった ゴールデンバットの思い出
私がまだアルバイトに精を出していた頃、バイト先でお世話になっていたパートさんの中に大好きなEさんという方がいた。
気さくな方なのだが気遣いもしっかりしていて、コミュニケーションがとても上手な人だった。本人は自覚も意識もしていなかったと思うが、2人以上のグループで会話する時などEさんのレスポンス能力の高さが際立っていた。何気ない雑談にもセンスやユーモアがあり、休憩が一緒になった時には下らない話でよく笑わせてもらっていた。
年齢は30代中頃で既に結婚しており旦那さんとの間には2人の子供がいた。下の子は離乳期を迎えておらず、上の子もまだ幼く、子供が体調を崩してしまう事も珍しくなかったので、Eさんはお子さんの事情で仕事をお休みしたり、時々早退したりなど育児と仕事に追われる日々を送っていた。
当時のバイト先は所謂エロゲーやアダルトビデオを扱った仕事だったので下ネタの話題には事欠かなかった。私とEさんは部署こそ違ったものの、仕事の連絡を取り合うためにLINEで繋がっていた為、仕事が終わった後などには下ネタを含むたわいもないやり取りがSNSで交わされていた。
世代も性別も違うし、既に既婚者であったEさんと休日一緒に顔を合わせるという事はなかったのだが、職場にいれば絶対にどちらかが声をかけて、たまにSNSで連絡を取り合う。Eさんと私はそんな「いい感じの同僚」のような関係だった。
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