見出し画像

As you like it

どんなお仕事をしている方でもよく聞かれることってあるかと思うのですが、私の場合はすぱっと答えることが出来ず相手をがっかりさせてしまうことのほうが多いので懺悔の意味を込めてこれを書いてみようと思います。

15年ほどアメリカで働いていますと言うと聞かれることが少なくないのは「頭の中は日本語と英語とどちらで考えてますか?」。英語を日本語に直して考えているのか、英語を英語で考えているのかという表現をよくされるようなのですが、最近は後者のほうが良い、英語力が高いと言われるのを目にすることが増えました。

実はこの質問は非常に答えづらい。なぜなら私の頭の中は日本語ではありますが、山形弁なのです。英語を方言で理解して、返事を考えて英語に直すという作業をしていることが多いと思います。日本語に直すのは古いといわれることもあるのですが会話やスピードを保つために、私には一番これが早いからです。

Why did you do this?

なしてこげたごどしたなや? (どうしてこんなことをしたのですか?)

んだっていいアイディアだどおもったなよ。
(それはいいアイディアだと思ったからです)

Because I thought it’s a good idea.

ですから、仕事に必要な政府発表や法律改定を読むときも山形県民が頭の中を駆け回っています。もちろん、素敵な俳優も新しい大統領も皆そろって(私の中では) 山形弁!

逆にこの考えたものを文字に起こすとなると標準語に直し、いわゆる「ルー大柴状態」にならないように気を付けながら書くのですがこの部分が一番手間がかかります。書くのですらそれですから、三年に一度ほどやってくる通訳の機会はもはや頭痛を引き起こす原因です。この段階では私の日本語力の問題。

帰国子女の友人は英語と日本語それぞれで考えているときがあり、英語は仕事で日本語は家で使うのであまり二つは混ざらないとのこと。
聞く人によって答えが違っていて非常に面白いテーマなのですが、「これをすれば言語力が上がる」という絶対的な方法はないのだと実感します。

英語で考えて理解できるという人も、一回日本語に直すという人も「理解する」という段階に同じスピードで行くことができるのなら方法論はそれぞれの好きなようでいいと思います。


もっと肩の力を抜いて、いろんな方法を試しながら自分に合うものを探す。それが例えば映画で学ぶのでもいいし、教科書でもいいし。ちなみに私はドラマSex and the Cityでした。高いハイヒールにあこがれて買い、捻挫したこともあります。


言語を学ぶということをもっと身近に、気楽に考えてくださる方が増えますように願いを込めて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?