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詩7「ふるえる」

そこで震えているものよ
邪悪な猛禽類の目を見たのか
家族が遠くに行ったのか
新聞を細かく読んでしまったのか
魂がぶるぶると線香花火の最後のよう

フクロウはウサギを見つけて去ったし
天国は今はいっぱいで
お前の探す家族はいないだろう
新聞は焚き付けにするものだし
お前の寿命を延ばすだろう

神の作りたもうた精巧な蜘蛛のデザイン
巣にかかった水滴の数珠
それら全てはお前のためのもの
旅に出るのに必要なアイテム
凝り固まった脳をほぐすための旅

見てくれと叫ぶがいい
ぼろの服をぐしゃぐしゃの涙の顔を
こんなに年老いて
こんなに脳は腫れていて
紅を引くのは男でもいい

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