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詩26「死にはしない」

(どんなに眠らなくても)

油絵を描いていた
100号の自画像だった
部屋の何処かから紛れ込んだ蝿がうざくて
汗をかいていた
夏の間に描かなければならなかった
裸に近いワンピースで私を描いた

(死にはしない)

バイトをしていた
ファミリーレストランだった
グレーの口紅を塗り髪を短く切り揃えて
汗をかいていた
新人に仕事を教えなければならなかった
制服はいつも油で汚れていた

(季節というものはある)

恋人が入院した
遠い遠い病院だった
油絵を描きバイトのない日は通っていて
汗をかいていた
暗い気持ちを隠さなければならなかった
非常階段で手を握り何かに誓った

目眩がする
私が一番生きてた夏

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