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2023年8月の記事一覧

詩31「百合迷宮」

詩31「百合迷宮」

百合が切られていた、頭の部分を全部。三十くらいは生えていたと思う、真っ白い百合。

わたしはその頃めちゃめちゃに古いアパートに住んでおり、他所の庭を眺めて歩くのが好きだった。好みなのはちょっと荒れてて草花が自由に生えている庭。みんなそんな感じだった。その家の庭はそもそも異質だった。百合だけが三十本生えている。目隠しの庭木が何本かと。

子供がたんぽぽの花を親指で飛ばしたように、花が無くなっていた。

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