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短歌

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書き始めたばかりの短歌まとめてます。
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2022年6月の記事一覧

短歌59「ひまわり」

睡蓮の霧の中には誰ひとり帰ってこない無言がある 花時計四季をも計る花の色 冬は吹雪で春は…

酒部朔
2年前
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短歌58「さよなら」

マニキュアの剥げたとこを隠してたさよならの言葉アクリルの向こう 家中の音が止まるの怖くっ…

酒部朔
2年前
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短歌57「わたしたち女」

2人のペディキュア並ぶ青い刻乱暴ないから終わりがない 手を繋ぎ柔らかいと思った花の匂いに…

酒部朔
2年前
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短歌56「童話」

長い髪だった頃は童話だった髪の匂いで夢を見ていた 夢見る大きなくじら目が覚めた新芽の生え…

酒部朔
2年前
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短歌55「くちばし」

寝起きのビックマックはフランス語なんて言うのポンヌフにて 言葉では伝わらぬ色触れるだけ伝…

酒部朔
2年前
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短歌54「テレパシー」

心臓より少し早いウィンカー君の口からちいさめの歌 山道で手を繋いでたふたりきり長い影が僕…

酒部朔
2年前
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短歌53「ゆるした」

許されたこと犬にだけはあるみたい幣のような尻尾のリズム 死にたいのは誰も彼もじゃないけれどいいよと冷たい手を当ててくれ 道を割る草の力が拠り所 子供のわたしいつも見てたよ 怖いのは間違い電話 息子の名呼ぶ老婆と繋がります リモートの見知らぬ声が部屋を占め居場所無くなりフードを被る 空っぽの胸が招いた木の杭を振り払うことできないと死ぬ とても凪いだ天変地異が眠りの外起きていても微笑んだまま 一度でも許されたいの綿飴を一人で食べるような愛し方 いつまでも水辺に立っ

短歌52「あ、」

愛が降るこの丘登る子供らが忘れたものを届けゆく旅 敦盛を舞っておさらば信長の飼っていた鬼…

酒部朔
2年前
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