ビールの縁側スタッフ日記~縁側について考えてみる~
こんにちは!
クラフトビール専門ポータルサイトを運営しているビールの縁側です!
先日、とある仕事で縁側のある伝統的な日本家屋に行ってきました。
もともと祖父母の家に縁側があり、昔ながらの田舎風景で育った自分としては、縁側のある景色というのは懐かしく、子供時代に戻ったような安心感がありました。
あぁ~やっぱり縁側っていいなぁ!
うっかり癒されすぎて仕事を忘れそうになりましたが(笑)、皆さんは小さい頃を思い出す”想い出の場所”はありますか?
ところで、「ビールの縁側です」って当たり前に言っていますが、よくよく考えてみると『ビール』と『縁側』ってなかなか結び付かないシチュエーションですよね(笑)
そもそも最近の家屋には縁側自体が無いことがほとんどで、『縁側』のイメージがつきづらい方もいらっしゃるのでは…?
なかなか見かけなくなったこの『縁側』って、本来どういうものなんだろう?ーー
自分たちのサービス名にも使っている『縁側』のルーツを改めて知りたくなったので、今回は『縁側』の小噺と私たちがこのサービス名に込めた想いをちょっとだけシェアさせていただきます!
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1.『縁側』とは
『縁側』は、建物の外側に突き出た床の部分で、木製の床板で覆われたものの総称です。
この部分は、家の内側であり、外側でもある。
つまり、”家”という物理的な空間でありながら、心理的に家の外部と内部を調和させ、つなげてくれる不思議な役割を果たす場所になっています。
縁側は伝統的な日本家屋にはごく一般的に設計され、古くから庭園や景色を楽しむための場所として日本文化に根付いています。
日本の観光名所として有名な石川県金沢市の兼六園や京都市の渡月橋などでは、この風光明媚な景色を眺めるための場所としてごく当たり前に縁側が存在しています。
2.『縁側』の歴史
一説によると、縁側の起源は古代までさかのぼります。
古代日本の建築様式は、床が土で作られた『土間』であることが一般的で、まわりに竹や木の床を敷いて直接座っていました。
8世紀頃の奈良時代になると、貴族の邸宅や寺院などの建築物においてより自然や景色を楽しむような優雅なつくりへと発展していきます。
この時期には建物の周りに庭園が整備され、茶道も発展し、家の外と中をつなぐ場所はより洗練された『床』として認識されるようになります。
平安時代に入ると、日本の貴族社会が栄え、多くの宮殿や邸宅が建設されます。
この時代には雅楽や茶道といった日本の美意識の基礎となるような文化が発展し、それとともにこれらの娯楽を楽しむ場所として縁側がより一層重視されるようになっていきます。
家の中と外をつなぐ特別な場所である『縁側』の存在は、自然との調和や四季折々の心情変化などを重んじる、日本独特の価値観を育む重要な要素になっていたんですね!
3.『縁側』の役割
歴史を振り返ってみると、『縁側』は日本人の価値観に根付いたとっても重要な場所。
見たことも行ったことも無いのに、なんとな~く「懐かしい」という感覚になるのは、日本人のDNAとして刷り込まれているからなのかもしれません(笑)
これまでにもいくつかご紹介しましたが、『縁側』には日本人の生活の中で重要な役割を果たしています。
『縁側』が発展してきた背景にもあるように、『縁側』は四季の移り変わりや自然の美しさを心と体で感じ、庭園の景色を十分に楽しめるような開放的な設計となっています。
また、”家の外と中をつなぐ”ということは、”家の人”以外の人ともつながる重要なコミュニケーションの場にもなります。
『縁側』は空間的な癒しの場であると同時に、出入り口としてではなく外部との連絡口として『縁側』をとらえ、『縁側』を開放的な空間にすることで他者とのコミュニケーションを楽しむ場としていたようです。
4.『ビールの縁側』がサービス名に『縁側』を用いた理由
ここでやっと冒頭の話に戻ります(笑)
『ビールの縁側』がサービス名に『縁側』を用いた理由。
それは、”クラフトビールの世界を楽しみ、愛する人たちが集い、つながり合う場所になりたい”と思ったから。
『縁側』には、四季折々の自然の移ろいを楽しむ心や時間・空間を求めて発展してきた歴史がありました。
クラフトビールの世界には、数えきれないぐらいの多種多様なビールが存在し、ビールを愛する1人1人がそれぞれの楽しみ方で楽しむことのできる文化があると感じています。
何かのルールや、誰かに決められた楽しみ方じゃなく、すべてのクラフトビールファンがそれぞれ持っている楽しみ方を好きなように、自由に満喫できる空間。
そして、時々はその楽しさを持ち寄って、誰かと分け合って楽しむことのできる空間。
…あれ?
それって日本人が古くから求め続けている『縁側』じゃないの?
となったわけです(笑)
最近では『コスパ(コストパフォーマンス)』や『タイパ(タイムパフォーマンス)』という言葉が流行るなど、効率性を重視する価値観が主流になってきました。
日常からも無駄なものは一切省いていった結果、家の中の空間的な”余白”は”無駄”として捉えられ、『縁側』は消えていったのかもしれません。
しかし、現実的には難しくても、自然体でいられる場所や好きな物を好きだと言ってつながり合える空間を、心の中にくらいは持ってたいなぁと思うんです(笑)
だから、
私たちはクラフトビールの世界の『縁側』をつくりたい。
そして、
すべてのクラフトビールファンの『縁側』でありたい。
そんな願いを込めて名付けられたのが『ビールの縁側』でした。
まとめ
さらっと『ビールの縁側』の誕生秘話みたいな話になってしまいましたが(笑)、今回は「そういえば『縁側』ってなんなの?」みたいな疑問から始まった話をシェアさせていただきました!
いろいろ調べて文章書いていたら疲れたので、とりあえず今は縁側でビール飲みながらゴロゴロしたい気持ちでいっぱいです(笑)
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