『Beep21』真・セガハード列伝─Vol.10─体感ゲームチームが開発した「VR-1」秘話〜セガのVR開発は想像以上に進んでいた!【後編】
当時のセガハード開発者自身が当時の関係者に直接話を訊いていく「真・セガハード列伝」。前回は、今まであまり語られることのなかったセガAM開発者たちによるVRへの取り組みについて、レジェンド級の開発者たちが集結。実に20年以上前に最先端を突き進んでいたセガのVR秘話についての記録が明かされていきました。
今回はいよいよ、その後編がスタート! 当時の貴重な資料の数々も含めて、お届けしていきます。ぜひ最後までご覧ください。
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現代に至るまで最先端を進んでいたセガVRと筐体
戸崎 エプソンの小型液晶を使うということで、ディスプレイは目途が立ちました。次が……筐体全体。頭へのフィッティングですかね、技術開発が必要なところは。
松野 そうですね。
戸崎 この辺はどういうアプローチで?
松野 「VR-1」に載せようってことになって、パッケージをまとめようってなったんじゃなかったっけ?
伊藤 違うって。「テックウォー」が先だって。荷宮が企画をやってたやつ。(「テックウォー」は荷宮くんが企画のVRゲームの開発コードネーム)
松野 最初は「テックウォー」で開発したけど、もう「VR-1」の話も進んでなかったっけ? 違う?
伊藤 「VR-1」は、ちょっとお慈悲的なもので載せてもらったんだよ。
松野 そうでしたっけ?
臼杵 (ヘッドマウントディスプレイは)ゲームを遊ばせるので、(頭に)結構しっかり固定させなきゃいけない。(構造的には)ディスプレイ、光学系もあるので、前のほうがかなり重くなっちゃうし、普通にかけたら(頭から重みで)下がってきてしまう...。
伊藤 しかもその「テックウォー」っていうのは立ってやるゲームだったんだよね。だから(プレイヤーのまわりを囲うように)枠をつけたんだけど、立って遊んでて、体や頭を動かすからフラフラする。それでまあしっかりと固定しないといけない。
土手 「テックウォー」ってリリースしたんでしたっけ。
伊藤 いや、ロケテストだけ。
松野 ロケテストだけやったんだよ。何台か作ったんだよ。
臼杵 ロケテストだけで超大変だったよね。
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