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誕生日という名のカウントダウン

2022.12.14(水曜日) Happy Birthday

誕生日。

といっても私の誕生日ではない。
夫の誕生日である。
特別区切の年齢でもないのだが、私と正反対で何かにつけて記念日が好きな夫のために、宴席を設けることにした。
友人たちによるパーティが先日行われたようなので、私はひっそりと静かに祝いたいと思っている。
近所のホテルのレストランを予約した。
「記念日か何かでしょうか?お花など用意致しましょうか?」と聞かれたので「普通で大丈夫です」と念を押す。気を遣ってバースディケーキなどを用意されたら小っ恥ずかしい。ましてやスタッフによるバースディソングのお披露目などもってのほかだ。
子供の成長を祝う誕生日と違って、大人の場合は何を祝うのだろうか。
「今年も無事で良かったね、来年も元気で過ごそうね」という感じなのかなぁと思う。ある年代から誕生日はカウントダウンになってしまう。1年ごとに数取器の「カチッ」と鳴る音が聞こえてくるようだ。

今日は冷たい強風が吹いている。今季初めてダウンジャケットを着る。
午後6時半にホテルの前で待ち合わせをした。「仕事が長引いたら先に入って一杯やってるから慌てなくていいよ」と、言っておいたので私も気が楽だ。ホテルの前はクリスマスイルミネーションで賑わっている。その中に先に来ていた夫の姿を発見。寒いからイルミネーション見物もせずに中に入る。

シャンパーニュで乾杯した時までは誕生日らしい会話だったが、その後の会話は、他愛もない話、仕事のこと、こらからの生活のことなど現実的なことばかりだった。
夫が最後に「こんな僕だけどまた一年よろしくね」と下手なドラマみたいな台詞を言うから「さぁ、どれはどうかな」と意地悪を言う。「へっ!」とびっくりしていたけど「そんなふうに言うと思ってた」と笑っていた。
私も笑った。

そんなふうにして誕生日の夜は終わりを告げた。
平和そのものである。
いつか平和でなくなる日も来る時があると思う。それを念頭に置きながら、今はこの平和を享受しよう。

平和バンザイ。
誕生日バンザイ。

読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。