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のろのろと混沌を咀嚼する

2024.3.24(日曜日) chaos


静かな日曜日だ。
家の中の生き物すべてが眠っている。
猫も夫も、ひょっとしたら網戸に張り付いている名も知らぬ虫さえ眠っているのかもしれない。
私はかろうじて目は開いているが、脳みそが眠っている以上目が開いていても起きているとは言えないだろう。それは雨が降っていて空気が重でせいであって、どこぞの誰々のせいでもないからその流れに任せるしかなくて、もうお昼になろうとしているのに、お昼ごはんの用意どころか、朝ごはんさえ食べていない。

お腹がすかない。すくまで待とうという気持ちでまた目を閉じてしまった。最初に目を覚ましたのは夫だった。宅配便の配達員がインターフォンを押したからだ。
何かを受け取りそれをどこかへ運ぶ音が聞こえた。
私も仕方なく起き上がり荷物を確認する。ハイボール用の炭酸水だった。

「お昼ごはん何がいい?」

「なんでもいいよ」

何百回、何千回と繰り返された会話を飽きもせずする私たち。
土曜日や日曜日はそれが顕著になる。
人はなぜ「なんでもいいよ」という返事が返ってくることがわかっていながら「何がいい?」と聞くのだろうか。
ひょっとしたら「なんでもいいよ」と言われることで「なんでもいいんだ」という安心を確認したいのかもしれない。
例えば「ハンバーグがいい」とか「オムライスにして」などと言われると、心底憂鬱になる。

結局は冷凍炒飯を温め、簡単なサラダを作って食べた。
「最近の冷凍食品は美味しいね」と、言い合いながら食べた。
これは自分たちへの慰めの言葉じゃなくて、本当にとても美味しかった。

午後は何をしようかと悩む。

雨の日曜日って時間が有り余るほどある。

昼間からお酒を飲むほど時間がある。

冷静に『それでいいのか、おまえ』と、問うてみる。

雨の日曜日、いかがお過ごし?


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読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。