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日がな一日、胸が詰まる

割引あり

【モノローグ作品】 ある主婦のある日の散歩風景


私、毎朝散歩に出るのが日課なんです。
えぇ、雨さえ降ってなければ行きますよ。
だいたい6時ごろ起きてね、とりあえず服だけ着替えて、
お化粧?そんなものはしないしない。
私みたいなおばさんがお化粧しようが、しまいが誰も見てないですから、
でもね、朝早くからでもきっちりお化粧して散歩している女性っているんですよね。口紅も真っ赤なのをつけて…
「まぁ朝から血色のいいこと」と思いなが見ています。

こんな街中でもね、鳥の鳴き声なんかも聞こえてきて、
あら嫌だ〜、カラスじゃないですよ。
私もよくわからないですけどね、鳩と雀の中間くらいの大きさの、割とこうシャープの体型の鳥がいるんですよ。
多分その鳥が鳴いてるんだと思うんですけどね。

今朝もね、行ったんです。
暑くもなく寒くもなく、いいお天気でね、
「わぁ〜気持ちいい」って思わず声が出ちゃいましたよ。

いつも歩く大きな通りをのんびり歩いてるんですけど、
ほらっ、私の場合はウォーキングじゃないから、あくまでも散歩だから、
ゆっくりなんですよ。ゆっくりね。
よく会う方とかとね会釈なんかして、時々「おはようございます」なんて声かけられたりして。まぁ表向きだけのお付き合いって感じですけど、
このくらいがちょうどいいのかなって思ってます。
相手の何かを知っちゃうと何かを受け止めなききゃいけないでしょ。
そういうの面倒でしょ。

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