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年の瀬に見上げる空はやわらかい

2022.12.12(月曜日) ordinary monday

生卵をもらう。

お歳暮で生卵が送られてきた。
相手は、もうおじいちゃんという年齢になられて、奥様を亡くされてから6〜7年になるのだろうか…ひとりで暮らしてらしゃる。
昔、仕事でお世話になってから不義理をしている私に懲りずに毎年お歳暮を送って下さる。
いつもは「クリスマスにどうぞ」とシュトーレンを送ってくださっていたのだが、今年はどういうわけか生卵だった。
贈り物にするくらいだからそりゃ立派な卵で「天美の卵」とかいうブランド品みたいだ。卵かけご飯が大好きな夫が一番喜んでいる。
卵はもちろん立派で美味しそうなのだが、シュトーレンから卵に変えた心境が私は気になって、お礼の電話をした時に「どうして卵?」と聞いてみたら「食べたら美味しかったから、ぜひあなたにもと思って...」ととても単純な理由だった。何か特別な心境の変化があったのかと少し心配したが、取り越し苦労でよかった。「美味しくいただきますね」と言ったら「うんうん」と嬉しそうな声でおっしゃってた。
年が明けたら、何か美味しいお菓子でも持って会いに行こうと思う。

大掃除便りが各方面から入ってきて、私も何かやらねば...とダイニングテーブルに座って晴れ渡る空をぼんやり眺めていたら、ウトウトとして居眠りしかけた。暑くもなく寒くもなく良く晴れた月曜日、大掃除など私がするはずもない。このまま昼寝しちゃうか…と怠惰なことを考えていたら、夫が自室から出てきて「お昼は寿司食べに行こう、奢るから」と言うので付いていく。特別お寿司が食べたかったわけじゃないが、今日は思考がぼんやりしているせいか「奢る」という言葉に反応する。
っていうか、どうして夫は今日仕事に行ってないの?
あぁ、何かの代休を取っているんだった。

「特別食べたいわけじゃない」と思っていたが、けっこう食べた。夫が食べた金額より私が食べた分がはるかに大きくなってしまった。
原因は、私が「旬のネタ」ばかりを注文したせいだ。これは意図的ではなく無意識なので勘弁してほしい。
夫はちょっと苦笑いしながら精算していた。今度は私が奢るからと慰める。

街は平日だというのに人が多い。半分は観光客の方々だけど、クリスマスが近いことがあってプレゼント用品などを販売する雑貨屋には人だかりができている。カフェも若いカップルや女子グループで人だかり。
「みんな学校どうしたんだろう。もう冬休みに入ったんだっけ?」
「公立はまだでしょ」
「私立とか大学は休みかも…」
「へぇ~」
子供のいない私たちはそこらへんの事情がまったくわからず、合っているのか外れているのかわからない会話をしながら若者たちをただただ見つめるのであった。

帰りにおでん屋さんの前を通ったら、鰹出汁のいい匂いがしてきた。
晩ごはんのためにおでんのテイクアウトをする。
イェ〜イ、今夜はおでんだ。
楽しみ。


読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。