数日間SNSばっかり見てた感想

まずは、此度の震災にて被災された方々にお見舞い申し上げます。

さて、私は今住んでいますのはギリギリ首都圏と呼べなくもない地域で、長くゆっくりとした揺れを体感したものの、私も周囲の人々もその後はそれぞれの行動をしておりました。
商業施設におりましたが、間食をしてそのまま買い物して自転車で帰宅しました。

事の重大さに気づいたのは帰宅後、SNSを見た時でした。
まずRTで流れてきた「生き埋め 助けて」の投稿。

え、家屋倒壊してるの?やばくない?
既に上記の投稿は他のユーザーが反応し然るべき対応をなされた後のようでした。
そしてテレビをつける。

どの放送局も震災の報道一色。最大震度は6強。
津波警報・注意報は日本海側の殆どに発令。
念の為関西の家族や友人達に安否確認すると「すごい揺れやった」。
これは思ってる以上に大規模な災害だとこの時ようやく確信しました。

とはいえ私の居住区は停電や倒壊などなく、不安に思いながらも風呂に入ったりご飯を食べたりしました。
しかし気になるのは被災地。
津波が到達したという報道。
私の家族や親戚、友人はほとんど関西在住と、ちらほら首都圏に住んでいるので被災地に知り合いは恐らくいない(永らく連絡をとってない人はわからないけど…)。

それでも、決して被災地のことを何一つ知らない訳では無い。
一昨年の結婚記念旅行では金沢を訪れた。
風情のある景色、歴史と芸術が融合した街並み、美味しい料理、優しい人…

兼六園でウエディングフォトを撮っていた若いおふたり、ふらりと寄った銭湯の番台さんや常連と思しきお客さんたち、夜道でやっと捕まえたタクシーで気さくに話しかけてくれた運転手さん。
皆、必ず無事であって欲しい。一期一会の間柄だけど、間違いなく私と何一つ変わらない「ただ今を生きている尊い人」。

これ以上悲しいことが起きないように、それでも気持ちばかりの募金しかできない。芸能人のように大量の支援物資を提供できない。歯がゆい。

それでもせめて、もし被災した方々が僅かな電力を削ってSNSを見た時に
いつものくだらないネタで笑えたらいいなと、有用な情報を手に入れられたらいいなと、
せめてRTとかして、インプレッションの貢献になればと思うのですが。

悲しいかな、「たぶんこれは誰が何を言っても理解できないんだろうなこの人」と思わざるを得ない、悲しいくらいに他人のことを考えられない投稿を目にしてしまいます。

特に私が残念に思ったのは「生理用ナプキン」についてです。

とあるトランス女性が「トランス女性にも生理用ナプキンが必要」と言った旨を投稿してました。
わたしはトランスの方について理解が深い訳では無いので、なんで必要なんやろ?って純粋におもいました。
で、その人の意見を読むと「ナプキンを持ってると精神安定剤になるから」とのこと…

うーん…

この投稿に、多くの反論がありました。私の気持ちとしては反論してる方の意見とほぼ同じだったので割愛。

ここからは私の推測なのですが、、
きっとこの投稿をしたトランス女性の方は「女性は常に生理用ナプキンを持っている」という知識をお持ちの方だと思います。
ただ、「なぜ常に生理用ナプキンを所持しているのか」という【理由】への理解度が低く、そしてその解釈が女性の身体的特徴と彼女の価値観が乖離しているのかもしれません。

まず、女性が月経中以外もナプキンを持ち歩いている殆どの理由は
「周期よりも早くor遅く生理が来る場合があるため」
「不正出血がある可能性があるため」
です。
簡単に言うと「いつ股から血がドバドバ出てくるか分からないから」

生理周期の乱れや不正出血は、体が出来上がる途中の10代特有のものと思いがちですが(これは女性でも考え違いがあります)、
これらは成人後も普通に起こります。
要因はストレスや体調の変化など…人それぞれです。そして個人差があります。

女性が常に数枚の生理用ナプキンを持ってる場合は精神安定剤としてではなく「もしもの時の備え」です。

あと、出血量とかについても議論がなされていましたが、ガチの話をするとちょっとキツい内容になるのでこちらも割愛。
ただひとつ言えることは、想定外の出血は「パンツにちょっと着く」レベルでは無いことが多々あることです。

ティッシュ挟んどけばいいやん、と仰ってる方も見られましたが、ティッシュ程度で済むなら生理用ナプキンは開発されていません。

また、生理用ナプキンを着けて普通に生活してても生理中の体調不良や不快感は拭えません。
それが冬場の被災地という過酷な環境だったらどうでしょうか?
想像だけでは分からない感覚のお話になってしまいますが、少しだけでも考えてみましょう。

その負担を減らすために1枚でも多く、月経中もしくは直近で必要になる可能性がある人に配るべきではないでしょうか。

あと、他のトランス女性の方の意見も拝見しました。適合手術後に必要なケースもあることを初めて知りました。
生理とはまた違った辛さだと思いますが、股から血が出る不快感は理解できます。

これは余談ですが、痔で出血が酷い場合は男性でもナプキンを使用されてる方がいるそうです。
このように月経以外でも生理用ナプキンか《必要な場合》はどなたでも使用する権利があると思います。

そしてやはりこういった相互理解は充分な言葉を持たないと堂々巡りになってしまうのだと感じました。

きっと、必要な理由がこのようにもっと明確であれば「共に考えるフェーズ」に繋がるのだろうな…と思います。

そしてこの件でもう一つ危惧しているのは
「他者のつらさを理解しようと努め、思いやりという基本的な優しさを持っている他のトランス女性」
への偏見です。

今回の炎上は、一部のトランス女性の個人的な意見から始まったものでした。
しかしこれにより「トランス女性と名乗る人達は自分勝手なんだ!」という偏見がネット上に浸透しないか心配です。

ごく一部のデカい声がトランス女性全体のイメージになってしまうのは、嫌な話ですが差別意識を持たせる可能性があります。これが気がかりです。

私は今回の炎上は、発言者個人の意見と捉えてます。でも全員がそう落とし込むでしょうか…?

発言者がもし「性的マイノリティの立場や気持ちもわかって!」という気持ちで生理用ナプキンは精神安定剤だからトランス女性にも分けてよって言ったのなら、
よりクリティカルな表現方法で理解を促した方がわかりやすかったのかな?と考えます。あくまで個人的な意見です。

私は女性・トランス女性に関わらず被災された全ての人が1秒でも早く元の暮らしに戻って欲しいと願っています。
安全圏から偉そうなことは言えませんが…いえ、だからこそ何を発信するのがベストなのか思考して考慮して言葉をかけていくのがマストではないでしょうか。


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