架空の音楽用語辞典見出し

ジャコパス症候群[Jaco Pastorius Syndrome]

じゃこ・ぱす・しょうこうぐん【ジャコパス症候群】
[Jaco Pastorius Syndrome]

⑴破滅的な生活が芸術作品の価値を高めると倒錯している状態。
⑵(主にベースの)フレットを抜けば芸術性が高まると盲信する演奏家のこと。
⑶自らの不摂生を、同様に不摂生だった偉人に重ねて正当化すること。

[症状]偉大なジャズプレイヤーへの憧れから自ら生活を破綻に導き、人間関係に支障をきたす。あるいは劣悪な生活習慣を正当化するための方便として偉大なミュージシャンを自己投影するが、内容が伴わず自己嫌悪に陥る。

[兆候]カラフルな民族衣装にこだわり始める。(主にベーシストが)エレキベースのフレットを抜く。(主にベーシストが)突然大声で民族音楽調に歌い始める。(主にベーシストが)ハーモニクス奏法を多様し始める。

※『架空の音楽用語辞典』より

ジョークなので真に受けないでくださいね。『架空の音楽用語辞典』なんてないし、こんな名前の病名もありませんから。けど、こういった症状のミュージシャンは確実に存在しますし、自分自身にも「そんな頃もあったなぁ・・・・・(遠い目)」と顔真っ赤になるやつです。
そして音楽に限らず、アーティスティックな人生に憧れる人に少なからず当てはまる症例です。老若男女、古今東西、こういった思考パターンの人はいたに違いありません。だから心当たりがあっても恥ずかしくはないんだぞ。

正直、冷笑主義的な揶揄表現なので、あんまりいい造語じゃありません。
ですがもしかして、こういう言い回しを使うことで、芸術や芸能は決して破滅的な人生でなくても向上していけるのだと気がつく人がいるかもしれません。現代に生きている偉大なジャズプレイヤーは着実にテクニックを身につけ、歴史を学び音楽を磨いていますから。ドラッグ、ダメ絶対!

Jaco Pastorius(1951-1987)
アメリカ合衆国ペンシルバニア州出身のエレクトリックベースプレイヤー、作曲家。フレットレスベースの先駆者。洗練されたテクニックと卓越した音楽能力でジャズフュージョンというジャンルを大きく発展させた。当時、誰も真似ができない技術力により新たな奏法を数々生み出し、それまで脇役として見られていたベースをジャズの花形楽器として進化させた。酒とドラッグに溺れ、精神を患いなが破滅的な生活に陥る。享年35歳。

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