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【音楽】カウント出しの知識

バンドでのカウント出しが「すごく難しい」と感じる方は少なくないでしょう。それはメンタルの問題もあると思うのですが、それ以前の、カウントについての基礎知識が欠けているのかもしれません。
以下、カウントについての知識をまとめました。結構分量があるので、できるところから1つずつ解決していくといいでしょう。


1.出したカウントで最後まで演奏する

カウントは「その曲のテンポを出す」ことが目的です。出したカウントで最後まで演奏するのは”基本中の基本”です。だから責任重大です。
曲のテンポをちゃんと出すことには訓練が必要ですが、自信がないときはメトロノームを持参しておくと良いでしょう。(プロの現場ではメトロノームを使うのは普通のことです)
鍛錬を重ねると、自分の中で”その曲”が聞こえるようになって、それに従ってカウントを出せるようになります。


2.キレのいい音でカウントを出す

どんな音にも「音の長さ」があります。音符にすると同じ四分音符でも、ハイハットの「チッチッチ」という音と、ピアノの「でーんでーんでーん」という音とでは長さが違います。
カウントは基本的に長さが短い音で出します。
口で「ワンツースリーフォー」とカウント出しする場合も、「ワン!ツー!スリー!フォー!!」とキレ良く発声した方が正確にテンポを伝えることができます。
ドラマーの場合はスティックで出したり、声に出したり、ハイハットと声を両方使ったりして、いずれにしてもキレ良くカウントを出しましょう。


3.ピックアップから始まる曲には『プリカウント』が必要

曲が小節の頭より先に始まる曲では4カウントの前にプリカウントが必要です。

例えば「千の風になって」の歌い出しがいわゆる”ピックアップ”から始まるメロディです。(界隈によってはアフタクトと呼んだりします)

このような曲では、4カウントでは少し難しいのでプリカウントを加えます。一般的にプリカウントは、下の図のように使います。

メロディの手前までカウントする

「プリカウント入れた方がいいですか?」とコミュニケーションをとることがトラブルを避けるポイントです。必要ない場合は不要です。


4.演奏する人を見ながら出す

カウントを出すときは、それを伝えるべき人を見ながら出すのが基本です。目が合うくらいジッと見つめて出した方がトラブルが少ないでしょう。
カウントはドラマーが担当することが多いと思いますが、その場合は背中を見ながらになったりします。
「相手がこっち見ていないのに?」と思うかもしれませんが、それでも”視線”を送りながらカウントを出した方がトラブルが少なくなります。なぜなら準備が整っていない時にカウントを止めることができるからです。ライブではよくあることですから、しっかりメンバーを注視するようにしましょう。


5.速い曲にはプリカウントが必要

テンポが速い曲はプリカウントを出す必要があります。

定番のプレカウント

これは絶対やらねばならない、というものではありません。ですが、プリカウントがないまま速い曲を演奏するには相応のテクニックが必要になります。プリカウントを出した方が失敗が少なくなります。


6.特殊な拍子の場合はプリカウントを出す

例えば3拍子の曲であるならば、しっかりプリカウントを出した方が安全に曲を始められるでしょう。

よくある出し方

5拍子、7拍子、13拍子15拍子の場合もプリカウントを入れた方がいいでしょうね・・・・・

(余談)実は4拍子の場合でもプリカウントは出した方が安全です。ですがカウントが長すぎるのも考えものです。テンポに合わせて調整しましょう。



【まとめ】トラブルを想定する

カウントは、たしかに簡単ではありませんし難しいです。バンドメンバーの中で一番の責任者が出すことも多く、それがドラマーであるとも限りません。「カウントを出す人がその曲の責任者」だといって異論ないでしょう。
責任者は、トラブルなく最後まで曲が通過しきるために、事前に起こりそうなことを想定するものです。特に曲が始まる瞬間にトラブルは起こりやすく、ここをしっかりまとめるために『カウント』や『プリカウント』を”設計”するのですね。
これは技術的な問題であって、プレイヤーの力量や本人の”自信”とは別の次元の話です。知識として知っていさえすれば、それを使うことで「避けられるトラブルがある」のです。特にアマチュアの方、中高生でバンド活動をしている方にはアドバンテージになると思います。ぜひ実践してみてください。


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