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こどもたちのひみつきち

今我が家の五歳と二歳は秘密基地作りにハマっている。毎日の日課となって今日で十日間くらいだ。

きっかけは義実家への帰省だったと思う。
久しぶりのじいじばあば、会えたの嬉しいけど緊張の方が大きかった彼らの遊び場は、テーブルの下だった。
クロスがかかっていたのでちょっと暗くて、新しく買ってもらった光るおもちゃがよく見えるようで、下を覗くと嬉しそうな顔とよく目が合った。
帰省中、朝になると二人でおもちゃをいそいそと運び込み、昼ごはん前に一旦片付ける、また出すまた片付ける…というのを繰り返ししていた。

家に帰って間もない頃、捨てるつもりで玄関にたたんであったダンボールを三つ、これ使っていい?と持っていったむすめ。
初めて作ったのは「ベル(美女と野獣)のお部屋」とのことだった。積み上げられた絵本に囲まれた満足そうなむすめ。ベルが本を貸し出してくれてとても可愛かった。

次はテーブルの下だった。
前回はリビングの真ん中、それも絵本で作られているので「これよむ〜」と次々むすこに壊されて悲しい思いをした。
なのでむすこが近づいてくるたび心配そうにしていたのむすめだが、むすこはテーブルの下になにかを運び込む様子を見て帰省時のことを思い出したのか「これ、どうじょ〜!」とおもちゃを持ってテーブル下へ向かう。
むすこ、助手として基地への出入りを許される。

その次は壁際に作られた。
その方が並べたダンボールなどが倒れにくく囲いやすいと気づいたそうだ、すごい!
こどものダイニングチェア二台で囲んだ今まで一番基地っぽい作り(狭い)だったが、助手が椅子に座って「ごかん!(ごはん)」と言ったため喧嘩になり終了。


それからは壁際が定番となる。
テーブル下より片付けが楽なので助かる。
助手が成長している。持って来てと言われたものを持ってくる、並べられたものはそっとさわる、自分のダンボール椅子にしか座らない、これ〇〇の?と聞く。
これはむすめの成長でもある。
「一緒に基地つくろ!」と声をかける、持って来てもらったら「ありがとう」と言う、「ここは〇〇の椅子だよ」と伝える。
すごい。二人ともすごい。

ある日ダンボールが一枚裂けた。
箱ではなくなり、長く広がった。
むすこきっかけで裂けてしまったので、もう!と怒ってつっぷしていたむすめだが、立てて広げてついたてにすることを思いついたようだ。
ソファの前をそれで囲い、ダンボール椅子をふたつ並べて間にはダンボールをひっくり返してテーブルを。
次の日はまたソファの前を囲い、ソファの前に椅子を二つ横並びに置いて、ぬいぐるみをソファに座らせ「バスでーす!」と嬉しそう。
バスという単語に飛びついてきたむすこが、囲いをぶっとばし終了。
囲いの強化が課題ですね…

でも、むすこが壊しちゃった後のむすめのリアクションにも変化があった。
最初は、わたしに言いつける。詳細まで報告、その間にむすこの手によって全壊。
次からはむすこが壊しそうだなという雰囲気を察したら、わたしも見ていることにした。わたしも目撃者になって、むすめと一緒にリアクションする。基本ガハハと笑いながら。超細かい言いつけが減ったので母的には作戦成功…笑

そしてこの間、むすめが壊れちゃったあとこう言ったのだ。
「壊れちゃったら次もっとすごいのができるってことなんだよ。」
夫はレゴが好きなので、週末夜にむすめと大作を作っては、朝むすこに壊されている。
残念がるむすめにいつも夫はそう伝えていたのだ。
親の言っていることを聞いてて、それをまた自分で言葉にできるって、すごい成長だ。
そうだね、その通り。
「壊れちゃったら次もっとすごいものができる」
母はジーンとしました。

とはいえ、むすこは相変わらず破壊王だし、むすめの超細かい言いつけはやむことはないし、母もいつも笑ってられないし、なんだけど。
数日にわたって書き足し続けた秘密基地の記録。
そこには確実に成長を続けるこどもたちの姿があったのでした。

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