造花
12時過ぎ。
病院の待合室、南の窓。
まぶしいぐらいの日当たりのなかで、小ぶりな観葉植物がたっぷりと光を浴びていた。
なんだか愛おしくなり、もう少し近づいてみた。
するとその植物は、造花だった。
造花が、気持ちよさそうなぐらい光を浴びている。
しかもここに置いてあるということは、天気の良い日はいつもこうして光を浴びているのだろう。
造花とわかってからも、それは芝生を駆けまわる子どものように見えた。
もしかして、造花が育つことってあるんだろうか。
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