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第4回 デジタルノートツール使い分けの考え方

こんにちは、北真也(@beck1240)です。

倉下さんの第四回の記事をみて、多分似たようなことを言っているのに、文章から垣間見える知的度合いのあまりの違いに共同連載の残酷さを痛感している「知的じゃない方」な僕です。

さて、じゃない方の第4回は「ノートツールの使い分けの考え方」。いよいよ佳境感出てきましたね。もしも、いきなり佳境っぽい所から入っちゃった方は、是非過去記事も読んで見てください。

第1回:終わりなき情報整理を巡る旅のプロローグ|beck1240|note
第2回:紙かデジタルかではなく、紙もデジタルも用途に応じて使い分ける|beck1240|note
第3回:ノートシステムの情報フロー、全体概要、要件、時々エモーショナル|beck1240|note

デジタルノートも特性にあわせた使い分けをすれば良い

デジタルノートツールって色々あるじゃないですか、Evernote、Obsidian、Notion、Scrapbox、Onenote、メモ帳アプリ、Workflowy、Dynalist、Roam Research等など。いや、この挙げ方が偏ってるのは分かります。普通に生きてたらRoam ResearchやObsidianと出会うことの方が難しいですし。

第1回でEvernoteに全てを集めようとして挫折した話を紹介しましたが、

Evernoteと出会った2009年頃から、Evernoteを「第二の脳」とすべく、あらゆるメモやノート、ライフログ、日記、Webクリップ、PDF資料等などをここに集めようとしていました。

これってつまりは、一冊の手帳やら手帳やらに何でもかんでも書き込もうとしているのと同じで、ちょっと無理がある感じです。

手帳は携帯性を重視するかもしれませんが、そうすると会議のメモを取るのにはちょっとスペースが足りません。アイデアを書き留めるにはポケットサイズのメモ帳がいいけど、考えをまとめるには小さすぎます。システム手帳を使っていたときも、予定とタスク、メモは1日1ページのデイリーリフィルに書いていたし、ノートはノート欄を別途設けていました。

仕事用と勉強用だと(一緒にする意味がないので)ノートを分けると思いますし、仕事のメモは情報の記録や検索性が大事だから全部パソコンでテキスト、問題集を説くときや単語を覚えるときはは手書きの方が頭に残るとか・・そういう事を自然にやっていましたよね?

デジタルノートツールも同じだと思います。特性に合わせて、使い分けてしまえば良い訳です。もっと言えば、デジタル/アナログ共に使い分けてしまえば良い。似たようなことを過去の記事でも言っていますが、大事なことなので繰り返し言っておきたいと思います。

ノートの用途とデジタルノートツールの特性のマッチング

第一回で書いたとおり、ざっくり僕のデジタルノートツールの使い分けは以下の通りです。

・メモ/ノートツールとしてのEvernote
・Daily Note、考え事、ネタリストとしてのWorkflowy
・PKMとしてのObsidian
・ブログの下書き〜執筆の場所とのしてのUlysses

ここではEvernoteを例に取ってみましょう(Evernoteの活用法は別記事でまとめるのでここでは考え方のみ紹介します)。僕にとってEvernoteを使い続ける最も重要なポイントは以下の通りです
・テキストでも手書きでも音声でもOfficeファイルでも「ノート」として管理が出来る
・様々なアプリケーションと連携でき情報の集積場所にしやすい
・「ノート」にはURLが与えられどこからでもアクセス出来る(Objectストレージ的に使える)
・ほぼ全てのデバイスから使えるAPPが提供されている
・タグ/ノートブックでの分類と割と有能な検索機能
・カレンダーからノートが作れる

勿論、同じ事は他のノートツールでもできます。Appleの標準メモ帳でも、フォルダ分けもできれば、タグも使えます。検索での手書き文字認識、ファイルだって添付できてしまいます。クイックノートでメモが取れるのはチート過ぎる。問題はと言えば「同じApple IDに属するAppleデバイスでなければ情報が共有できない」ことと「他のアプリ/サービスから情報を取り込む手段が少ない」ぐらいなもんです。

僕がEvernoteに求めていることは「メモの集積地」「参照資料置き場」です。クイックにメモを取るのは、紙のメモ帳でも、FastEverでも、Apple純正メモ帳でも良く、色んなところで取られたメモを「とりあえず一カ所に集める」ことにおいてEvernoteは非常に優れているわけです。

Ctrl+Option+Command+Nで新規ノートが即座に作成でき、ホーム画面のカレンダーから即座にその予定に関するノートが作成でき、ノートへのURLをCtrl+Option+Command+Cでコピーでき、他のツールから自由にリンクが張れる。複数のメモをまとめて選択→貼り付ければまとめてノートリンクを作成できる点も「今日のメモをまとめる」時にはとても便利です。

パソコン上においてメモ/ノートを残すだけであれば、Appleのメモ帳でもなんでも良いと思います。しかし、Appleのメモ帳は外部からリンクを貼るのが面倒くさく(できないわけではない)、パソコン上のローカルファイルへのパスは、そのパソコン以外では使えません。Web上へのリンク(https://〜)でもアプリへのリンク(evernote://〜)でも良いのですが、他のツールからノートを容易に呼び出せるということが、僕にとっては非常に重要な訳です。

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UnifiedなノートリンクはNotionでもできますよ、Workflowyでもできますよ。そういうご意見もあると思います。Scrapboxだって同じ事はできるでしょう。後は、もう、好みの問題だと思います。

・即座にメモを作成できる
・色んな入り口からメモ/資料を集めておける
・ノートブックとタグで情報の分類とライフサイクルを管理できる
・ノートリンクから外部参照が容易に出来る

これらの要件を非常に高い次元で満たしてくれるツールが僕にとってEvernoteであり、また同時にEvernoteが苦手とする分野を満たしてくれる他のツールとの使い分けによって、「メモの集積地」と「参照資料置き場」に特化できたことが、Evernoteの魅力が高まった理由であるように感じています。

例えば、考え事をする時には、Workflowyや紙のスケッチブック、最近はiPad mini6でGood Notes5を使いますし、知識をまとめていく作業にはよりノート間リンクが貼りやすく、バックリンク等の機能が充実しているObsidianを使います。

別の見方をすれば、WorkflowyやObsidianにだってちょっと足らないところがあって、それをEvernoteを使って補っているとも言えます。

ところで、未だにモバイルのEvernoteが遅いと感じておられる方は、一度EvernoteのiOS版をちゃんと使ってみることをお薦めします。僕のiPhone12Pro MaxとiPad mini6ではかつての様に起動に数分かかるなんて事はなく、ノートの作成/目的のノートを開くのに数秒のオーダーで到達できます。

ノートの用途とデジタルノートツールのマッピングにデバイス軸を追加

さて、唐突ですがここで少し視点を広げてみましょう。ノートの用途とデジタルノートツールのマッピングにデバイスの軸を追加してみます。

情報管理フロー

ノートの用途は大きくざっくり「キャプチャ」「整理/参照」「思考」「下書き/アウトプット」「PKM」としていますが、この辺の分類学は各人お好きにやられるのが良いでしょう。

この分類の配下に更に細かな用途が来ます。例えば、思考という用途に於いて、一人ブレストをする、アイデアを膨らませる、構造化する、考えを整理する、関連性や流れを図に書き表すなど、様々です。

デバイスという軸は別の見方をすれば「コンテキスト」或いは「シチュエーション」とも言い換えられるかも知れません。通勤途上にメモを取ろうと思うと、今目の前にあるスマホや紙のメモ帳を使うでしょうし、Web会議にパソコンから参加しているときであればスマホのEvernoteではなく、パソコンのEvernoteを使うのではないかと思います。

個人的に、キャプチャを単独のツール或いはデバイスに限るのは相当厳しいと感じています。少なくともデバイスは、その時々最適な物を使うのが自然でしょう。ただし、そのままデバイスやツールが分かれていれば、情報の散逸とまではいかなくとも「あー、あれどこに書いたっけ」と情報を探す無駄な労力が発生しかねません。

故に、キャプチャした情報は一カ所に集まっている方が良い。そして、そのキャプチャ可能な情報のフォーマットは可能な限り柔軟である方が良いわけです。紙だけ、テキストだけみたいな制約があると、残せる情報の自由度が大幅に制限されますますから。この2点に於いて、Evernoteは非常によく要件を満たしていると言えます。

また、先に述べたとおり、僕の中でEvernoteが魅力的なツールへと変貌したのは「メモの集積地」と「参照資料置き場」に用途を限定したからです。

思考、アウトプット、ナレッジベースの構築はEvernoteでやらないと決めたことで、Evernoteはキャプチャした情報を後から使いやすいように整理する(大雑把な整理とActive/Archiveのライフサイクル管理)目的でのみ使用しています。

もう少し丁寧にキャプチャ→整理の話をしておくと、思いついたアイデアや言われたことをメモする、或いは会議の内容をメモしたり、作業の記録を付けたりという「日々の仕事のストリームな情報」の管理はEvernoteを用いています。

読書メモや調べ物をした内容、或いはそれを踏まえた思考の結果である「知識の整理や自分の考えといったストックな情報」の管理にはObsidianを用いています。Evernoteと重複している様に見えるかも知れませんし、実際重複していると思います。アイデアとしてEvernoteにキャプチャされた物が「これはObsidianに居るべき情報だな」と移される事もありますし、両方にいることもあります。

というのも、日々の仕事やアウトプットで使うEvernote→Workflowy(と紙軍団)ラインと、そういう直線上にない一人で石を積み上げているObsidianでは、目的もタイムラインも全然違うからです。同じ情報が両方のラインにあったからと言って、目的や使われるタイミングが違うのだから全く問題はありません。

ちなみにですが、Evernoteで管理される情報にせよ、Workflowyや紙の上で行われる思考にせよ、終わり(Archive)がありますが、Obisidianの情報に終わり(Archive)はないというのも、一つ大きな違いかも知れません

最後に

この文章のまとまりのなさを見て頂ければ分かるとおり、僕の中で「どういうまとまりで説明を展開するのが分かりやすいか」についてかなり迷っています。一つ一つのツールカットで行くか、用途毎で行くか、もう少し大きな流れで行くか、どうすれば分かりやすいかを模索しています。

次からは、もう少し具体的に「こういう目的で、このツールを、こう使ってます」という話になると思いますので、最終的にどの切り口を選んだかは第5回以降に乞うご期待ということで。

それでは、また次回お会いしましょう!

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