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「理美容の仕事」を作ります。

この度WEBメディア「理美容の仕事」というメディアを作ることにしました。
なぜ、それを作るに至ったのか。
長文になりますが、お読みいただけると嬉しいです。

1、2009年1月「美容師になろう!」東海版創刊

私は2008年3月12日に起業し、ビューティープロという会社を通して
「理美容業界の社会的地位向上、人材が集まり育ち永く活躍できる業界作りに貢献する」(理容は2021年より)という理念を掲げ活動して来ました。

起業した2008年当時は新規免許取得者数が激減しているタイミングでこのままでは美容師のなり手がどんどん減っていってしまう、という危機感がありました。(求人の変遷参照)

そこで「美容師になろう!」というそのままズバリの冊子を発行させていただきました。(「美容師になろう!」東海版 2009年1月創刊)

2009年1月発行「美容師になろう!」東海版創刊号 表紙

2、社会保険完備のサロンのみ掲載というコンセプト

その頃の美容業界では「社会保険に加入して一般起業並みの待遇を目指す」機運が高まっていましたが、その動きに積極的なサロンとそうでないサロンに分かれていました。そこで、「美容師になろう!」では学生の未来や業界の社会的地位向上を考えて「社会保険完備のサロンだけを紹介する」というコンセプトに変更しました。

その後、業務委託サロンが台頭してきました。業務委託サロンは文字通り雇用契約が業務委託ですが、新卒入社後1年間は社会保険加入できるがそれ以降は業務委託契約、というやり方が現れ、新卒入社を目指す学生に非常にわかりづらい傾向となっていきました。
そこで、「美容師になろう!」ではサロンの経営理念を紹介し、社会保険完備で教育型のサロンだけを紹介する、というコンセプトに変更しました。

3、2016年「ナリタイ美容師になろう!」関東版創刊

また、「なんのために働くのか」「サロン選びのポイント」などの本質的な記事が好評で2016年に関東版をリリースしました。関東版ではさらに、最低賃金が遵守されているサロンに限定。そして給料の手取り金額を明確に記載しました。今でこそ、給料の内訳の公開は当たり前ですが、2016年当時は、まだまだ「ごまかしている」サロンが多かったのです。
冊子のタイトルも「美容師になろう!」から「ナリタイ美容師になろう!」へ変更。ただ、美容師になるのではなく、将来像をイメージし「ナリタイ」美容師になる、そこを目指して欲しい、という願いを込めました。

2016年5月発行「ナリタイ美容師になろう!」創刊号表紙


4、「ナリタイ美容師になろう!」コンテンツ

「ナリタイ美容師になろう!」
コンテンツ
・経営者インタビュー
・美容師インタビュー
・美容学生インタビュー
・美容学校先生インタビュー
・採用担当者インタビュー
・何の為に働くのか、将来どうなりたいのか
・就職活動のポイント
・これからどういう時代なのか
・サロンの求人情報
社会保険完備、最低賃金遵守、経営理念がある、教育カリキュラムがある、給料の手取り金額を開示できる、「新卒教育型サロン限定」

その後、共感する美容学校さん、サロンさんが各地に現れ
九州、関西、中国四国地方へと広がって行きました。

5、表面的就職活動を解決する為に

2015年以降、美容業界で求人活動のパラダイムシフトが起きました。それはインスタグラムリクルーティング。美容業界に限った話では無いですが、インスタグラムだけで求人活動を行うサロンがどんどん増えて行きました。インスタグラムをサロン選びの手段にする学生が増え、就職活動は「視覚的、表面的」になっていきました。せっかく労働環境を整えて来た美容業界でしたが、労働環境そっちのけ。見た目の華やかさ、おしゃれさ、憧れる気持ちの比重が高まっていったのです。そのような状況もあり、一方でいやいや、ちゃんとした就活をしようよ、というムードも起き「ナリタイ美容師になろう!」の必要性が高まっていったと実感しています。

6、離職問題を解決する為に

そして、美容業界には一向に改善されない「国家資格なのに離職が多い」という問題があります。かつては労働条件の悪さが離職の原因でしたが、労働条件が良くなってきても離職が一向に減らないという事は、他に問題があると分析しました。
色々な原因がありますが、「視覚的、表面的」な就職活動も原因の1つではないかと考えました。そこで、美容学生になる前、もっと早い段階で「美容師の仕事の本質」を知ってもらいたいという願いが強くなりました。

7、2019年9月「美容師になろう!」中高校生版創刊

そこで、いよいよ「美容師になろう!」の本丸ともいえる
「美容師になろう!」中高校生版を2019年創刊しました。「美容師のなり手を増やさないといけないよね!」と共感してくださる方が多く現れました。
日本で教育改革が起き、高校の総合学科が増える中で美容師免許が取得できる高校が増えて来たこと、高等専修学校が増えて来た事も追い風になっていました。時代は確実に進んで行きます。

2022年2月発行「美容師になろう!」中高校生版vol3 表紙


8、「美容師になろう!」中高校生版コンテンツ

「美容師になろう!」中高校生版
コンテンツ
・経営者インタビュー
・美容師インタビュー
・美容学生、高校生インタビュー
・美容業界の仕事図鑑
・美容師になるには
・美容師への道
・仕事とは何か、何の為にはたらくのか
・これからどういう時代なのか

9、コロナで進んだデジタル化、溢れる情報

そして2020年の年明け、コロナが起きました。4月に緊急事態宣言が発令されてリアルな就職活動、求人活動がストップしました。美容学校ではリアルガイダンスの代わりに「動画を送ってください」という通知をサロンに出しました。動画など作った事がないサロンも多く、この頃からビューティープロではサロンの動画を作る仕事が増えました。

一気にオンライン化が進みインスタグラムの求人活動に取り組むサロンが増えて行きました。その結果、オンライン上には情報が溢れ、自分が「こうなりたい」という意思のない学生は就職活動から離脱していきました。卒業近くになり慌てて就職先を選んだ結果、離職につながってしまう、という悪循環も発生しました。

デジタルが苦手だった美容業界ですが、そんなことも言っていられなくなり強制的にデジタル化が進み、求人活動にオンライン説明会、オンラインサロン見学が始まりました。またスタッフ教育の場面でも、動画を取り入れたりオンライン講習をするなど、デジタル化が進んで行きました。

10、リアル取材が制限される中でのメディア作り

「ナリタイ美容師になろう!」もリアル取材が制限される中で、関西版、九州中四国版を休止させていただきました。顧客サロン様や美容学校との関係性が長かった東海版と関東版についてはオンラインを駆使して引き続き発行させていただく事ができました。本当に感謝しております。

「美容師になろう!」中高校生版も引き続き発行させていただく事ができました。そして2021年9月、なり手の減少は美容師より深刻な理容業界を応援しよう!という主旨で「理容師になろう!」を創刊させていただきました。

2021年9月発行「理容師になろう!」創刊号表紙

高校の先生からは「美容師、理容師のインタビュー中心の構成から仕事の本質が伝わる」とお褒めの言葉をいただく事ができました。(高校生向けの職業紹介の冊子のほとんどが専門学校の宣伝のようです)

11、コロナ禍の3年間で美容業界どう変わったか

2022年、コロナも3年目となりワクチン接種が進み、外出制限がなくなり、就職活動、求人活動もリアルが戻って来ました。

コロナ禍の3年間で美容業界はどう変わったのでしょうか。それが具体的に検証されるのはこれからだと思いますが、私の仕事を通じて「就活・求人」をテーマに感じた事をお話ししたいと思います。

1、情報が氾濫した事による「混乱」
2、価値観が変化した事による「多様化」
3、先が読めない事による「不安感の増大」

(1)情報が氾濫した事による「混乱」

世の中が強制的にオンライン化に移行した結果、就職情報が一気に溢れ、混乱する学生やサロンが増えました。特に学生側の混乱はコロナ前からありました。加熱する美容学生争奪合戦に良い事ばかり言うサロン。
それに対し「色々なサロンの話を聞けは聞くほどわからなくなって来ました」こういった声を多く聞きました。ただでさえ、そのような状況だったのに、コロナ禍で情報が一気に溢れ、より混乱する事態になりました。

サロン側もどのような求人活動を行えば良いのか模索し、オンライン説明会では学生の手応えがわからない、果たして思いが伝わっているのだろうか、という悩みが発生しました。

そこで学生たちに起きた現象が「信頼できる人のアドバイスを聞く」と言う事です。ビューティープロで2022年春に取った美容学生のアンケート結果でも、サロン選びに何を頼りにしますか?と言う質問に対し「インスタグラム」が一番多い一方で「先生のアドバイス」や「先輩や友達の評判」と言う回答が多かった事からもわかります。

2022年春 美容学生アンケート結果(詳しくはこちらの記事


(2)価値観が変化した事による「多様化」

美容業界の多様性。ここでは就職先として見た美容業界の多様性、働き方の多様性の2つがあります。就職しようと思った時に、ヘアに関するメニューだけのサロン、トータルビューティーのサロン、カットなど1つのメニューを専門とするサロン、カフェやアパレルなども多角的に経営するサロン、などなど、色々あります。コロナによって、ヘッドスパサロンが増えたり、個室型のサロンが増えたり、アイブローリストと言う職業が注目されたり、本当に多様化が進みました。美容学生の就職先にヘッドスパ専門店というのは数年前では考えられなかったと思います。

また働き方も多様化しました。雇用条件の多様化といった方が良いかもしれません。コロナで夜の人出が減ったせいか、営業時間の終了時間を繰り上げするサロンが増えました。練習も夜よりも朝や営業時間中に行ったり、家に帰って動画を見ながら勉強を行う事も多いです。一方でバリバリ働きたい人の為に休日の日数に応じて給料を決めているサロンも少なくありません。
また副業を認めるサロンも現れたり、雇用形態を選べたり、本当に多様化して来ました。

(3)先が読めない事による「不安感の増大」

以上のような状況に加え、日本経済自体の先行きもわからない。また希望が持てないと話す人は多く、美容業界に限らず将来に不安を抱える若者が増大しました。実際美容学生と話しをしてみても就職活動や、美容師としてやっていけるのか、将来について不安を抱える人が多いです。

ではそのような状況に対処するにはどうしたら良いのでしょうか?

ズバリ「自分を持つ」事です。

「自分がこうなりたい」そういう軸を持って将来を切り開いていくしか方法はありません。

そこで、ビューティープロでできる仕事は何か。

12、「理美容の仕事」を作ります。

「このメディアを見れば理美容業界の事がよくわかる」
「将来像を決める参考になる」
「自分の軸を持って生きる事の大切さがわかった」
と、理美容師を目指す若者、学校、保護者、受け入れるサロンから信用・信頼されるメディアを作る事だと思いました。

それが「理美容の仕事」です。

既に「ナリタイ美容師になろう!」「美容師になろう!」中高校生版、「理容師になろう!」というメディアを持っていますが、より「仕事」をテーマに理美容業界の全体像がわかるメディアです。全国の理美容学校、美容師免許が取得できる高校、高等専修学校の学生さんの「就活必読WEBメディア」を目指します。

「働く人」にフォーカスし仕事の本質を感じていただきます。
「働く人」の人生ストーリー(物語)から共感する人との出会いの機会を作ります。

13、「理容師の仕事」コンセプトとコンテンツ

「理美容の仕事」
2022年夏リリース予定

<どんなメディア?>
理美容業界は色々な「人」でできている。
「働く人、経営する人、目指す人、教える人、支える人」
人にフォーカスした「思い」を伝え「共感」を生むメディア
理美容業界っていい所だな、と思うメディア
読む人の気持ちが「ほっこり」するようなメディア

<コンテンツ>
理美容業界では・・
・どんな仕事があるのか
・どんな働き方があるのか
・どんな人が働いているのか
 〜どんな思いで働いているのか
・どんな社長がいるのか
 〜どんな思いで経営しているのか
・どんなサロンがあるのか
 〜そのサロンにはどんな理念やビジョンがあるのか

・美容師を目指す若者紹介
 〜なぜ目指すのか、将来どうなりたいのか

・理美容業界のトピック記事
 〜これからの理美容業界

・理美容学校紹介
 〜どんな先生がいるのか

・理美容業界を支える会社、人
 〜どんな会社や人が支えているのか

※コンテンツは予定で変更する可能性もあります。

理美容業界に今、必要なのは「本物・本質」を発信するメディアです。
実際、理美容業界に関する間違った情報がコピペされどんどん増大しています。私も含めですがいい加減な情報を発信している可能性は誰にでもあります。(なので、ビューティープロでは自ら得た情報、アンケートやインタビューを大事にしています)

情報は「誰から取るか」の時代になりました。
先ほど学生アンケート結果でも紹介しましたが「信頼する先生のアドバイスを聞く」という話しになるのです。私自身も美容学生や高校生に授業をさせていただいて来ましたが「信頼される大人になりたい」と思って話をします。「ナリタイ美容師になろう!」「美容師になろう!」中高校生版、「理容師になろう!」もそうです。それぞれ理美容業界から信頼されたのでここまで続いてきたのだと思いますし、これからも信頼され、必要とされるメディアを目指して運営していきます。

その集大成としてのメディアが「理美容の仕事」です。
「理美容の仕事」を通じて

・理美容業界への知識や理解を深めてもらう事。
・仕事について考えてもらう事。
・「自分の軸」を持ち「将来像」が描けるようになる事。

そして最終的には「自立した大人」になってもらいたい。

そんな願いを、魂を込めて作ります。

乞うご期待!!!!





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