見出し画像

美容業界新卒求人成功のキーワードは「共感」と「体験」

「共感採用」とは

「共感採用」とは、一般的に求人票に記載されるような給与や業務内容、待遇・福利厚生などの「条件面」ではなく、会社の成し遂げたいビジョンやその事業を行う背景にある想いなどを打ち出し、「その人が共感するかどうか」を重視して人材の採用を行う手法です。

美容業界の新卒採用に長年たずさわり、近年「共感採用」こそが美容業界新卒求人成功のカギであると確信しています。

表面的な条件ではなく、理念や教育など本質的な求人活動、就職活動をしましょう!と言い続け、「共感採用」という言葉がなかった時代から、私は「共感採用」を提唱して来ました。それが離職を防止する採用方法であると思っていたからです。

美容業界の求人に特化したビューティープロを15年前に立ち上げる前はリクルート求人媒体の営業マンで、美容室以外の一般企業の求人も数多く扱っていました。当時から条件で入ると条件で辞める、というのはセオリーでした。(ブラック企業は辞めて当然ですので例外です)

もっと給料の良い会社、もっと条件の良い会社、というふうに渡り歩きます。それは本人の価値観ですのでOKですが、「仕事の目的がお金第一では豊かな人生は送れない」とかつてお金目的で働いていた事のある実体験から感じていたので、条件よりも理念・想いにウエイトを置く「共感採用」を今思うと当時から推奨していました。

特に条件では大手に圧倒的に負ける中小企業の求人広告では、社長の想いや人柄を全面に出す広告が求職者の感情を揺さぶり、結果を出していました。

実は「共感採用」という手法は昔からあったのですが、SNS時代となり「いいねの文化」「繋がり」「共感」というワードが広く認知されるようになり、「共感採用」という言葉も使われるようになったと思います。

美容業界ではまだ馴染みのない「共感採用」という言葉、手法ですが、今まで私が言い続けてきた「本質的求人活動」よりは大いににわかりやすく、時代にマッチしてます。

学生は「共感」をポイントにサロンを選ぶ

私たちは2009年から「美容師になろう!」という美容学生向けのメディアを制作し発行して来ました。東海版、関東版、今は休刊していますが関西版、中四国九州版を手がけ、その都度、美容師さんにインタビューして来ました。

入社理由を必ず質問するのですが、「雰囲気」「人間関係」が圧倒的に多く、中には「直感!」と答える人も多くいます。(直感は最近減ったな、と思います。)もちろん、福利厚生が整っていた、会社がしっかりしていた、などの回答も多いですが、それだけの理由では無いケースがほとんどです。

それは学生がサロン選びに「雰囲気」「人間関係」を重視するという事とイコールなのですが、学生に「サロン選びに何を重視しますか?」という質問をすると「雰囲気」「人間関係」が常に1、2位を占めています。

そして、ビューティープロでは美容学校の合同サロン就職説明会(就職ガイダンス)の開催もさせていただくのですが、開催後、学生に印象が良かったサロンの理由を聞くと、ここでも「雰囲気」「人間関係」に関する回答が目立ちます。

話す内容よりも、「仲が良さそうだった」「楽しそうだった」「人柄が良かった」「働くイメージが湧いた」「親切だった」「気さくだった」などなど・・。

条件ではなく、その人となりに共感している事の現れでは無いでしょうか。そして共感がより強く感じると「サロン見学へ行きたい!」という次の行動へ繋がっていきます。

美容業界で新卒採用に名乗りを上げるサロンで、そう悪い待遇のところは減りました。創業10年以上で毎年数名の新卒を定期採用しているサロンは待遇は程度の差こそあれどこも良いです。学校の目も厳しく、そうでないと毎年学生が入らないから。

条件ではなく、価値を求めるフェーズに確実に入りました。条件が有形であるとしたら、価値は無形ですので、とても抽象的です。「想いを形にする」とは良く言いますが、「想いを明文化して発信する」事が美容業界新卒求人成功のカギとなりました。

そこで、この抽象的な「共感採用」を具体的に明文化し、発信すべくアドバイザーとして私たちは活動していく事にしました!

いわば、「共感採用コンサルタント」です。

共感採用コンサルタントの仕事

ビューティープロ では2016年以降、「求人力をつけよう!」を合言葉に「求人コーチ育成講座」や「求人66日間プログラム」などの求人コンサルを行なって参りました。そこでも「共感採用」に必要な話をしていますので、そちらに関しては基本的に変わりません。

新たに共感採用に必要なプログラムを今後開発していきます。共感採用の武器は「想い」です。理念や創業者の歩み、スタッフの仕事のやりがいなど、「ストーリー」を全面に出していきます。そして抽象的なサロンの価値観を具現化して求職者(美容学生、高校生)にわかりやすく発信するようサポートします。

今まで「ナリタイ美容師になろう!」「美容師になろう!」中高校生版、「理容師になろう!」、それらのメディア制作を通じて数多くの美容学生、美容師、経営者のインタビューを記事にして来ました。

「想いを形」にするのは私たちの得意分野です。ビューティープロの仕事も「美容業界を良くしたい!」その「想いを形」にしてきた仕事でした。

その経験やノウハウを活かして、「共感採用」でサロンの求人活動を成功に導いていきたいと思います。

「体験」=「体感採用」も超重要

一般企業の採用ではインターンが当たり前となり盛んに行われています。インターンのメリットはなんと言っても職場を実体験する事により、マッチングの精度を上げる、要は離職を減らす事ができる点です。

美容専門学生の就職活動でもインターンがありますが、長くても1週間くらいのところが多く、行なっていない学校もあります。とても十分とは言えないでしょう。

美容師の仕事は理想と現実のギャップが極めて高い仕事です。美容師こそ、体験が超重要!!

私たちは美容学生に限らず、将来美容師になりたい中高校生対象に美容師の仕事を体験できる機会を積極的に作る事をおすすめしています。中高校生時代の美容室での体験(主に職業体験)がきっかけで美容師になったという話も本当に多いです。

サロンのお客様として通っていた事がきっかけで、美容師になりそこのサロンで働くケースも多く、それは結果的に「体感採用」の1つだと思います。

条件から共感、体験の時代へ

美容業界の新卒求人の状況を会社員時代から含めると20年くらい見て関わっていますが、まだまだ条件の戦いをしている状況だと思います。しかし、新卒採用全体的には条件の時代から、共感の時代へ、そして体験の時代に入ってきています。美容業界の条件が整ったのはここ10年くらいの話しですので、時代の流れに遅れていることは仕方ないと思いますが、採用するサロン側と、今の時代の学生との価値観のギャップが広がるばかりでは無いでしょうか。

条件はもちろん大事!!しかし、時代に合わせたまずは「共感採用」に取り組んでいきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?