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本屋イトマイと谷川俊太郎

今日は会社を休んだ。

今日も会社を休んだ。

胃腸炎のこともあるが、
単純に会社に行きたくない。
数ヶ月前に転職した会社には、やる事がない。同時に自分のやりたい事がない。
給料はもらっているが、何もやる事がない空間に9時間も拘束されるのは苦痛に感じる。

仕事の事を考えると鬱っぽくなる。

だから出かけた。

今年は辰年だから辰の祀ってある田無神社にお参りしに行った。
とにかく人が多くて本殿への参拝は諦め、周りにある石像や稲荷神社へお参りした。

人が多かったせいか少し疲れてしまい、本屋に行って気持ちを落ち着かせる事にした。

今日はときわ台にある「本屋イトマイ」に行ってお茶をした。

本屋イトマイは新刊本屋とカフェが併設されている書店で、店内は注文以外の会話や私語は禁止。ところどころに筆談ノートが置かれている。
自閉症スペクトラムで聴覚過敏を持っている自分にとってはとても心地のよい空間だ。

深煎りのコーヒーとかぼちゃプリンを頼んで本でも読む事にした。

カフェスペースに設けられている本棚から谷川俊太郎の「24億光年の孤独」という詩集を見つけた。
谷川俊太郎が若き頃に発表した作品で個人的に代表作だと思っている。

この詩集の中に自分のお気に入りの一篇があるのでご紹介しようと思う。

「はる」

はなをこえて
しろいくもが
くもをこえて
ふかいそらが

はなをこえ
くもをこえ
そらをこえ
わたしはいつまでものぼってゆける

はるのひととき
わたしはかみさまと
しずかなはなしをした


この詩を知った時からかみさまと交わした「しずかなはなし」とはどのようなものだろうと考えている。
多分神さまとしかできないことなのかもしれない。

また全編を通してひらがなで書かれたこの詩は上記の言い回しも相まってどこか神秘的で美しく、この詩を読むたびに少し心が洗われたような気持ちになる。

さまざまな解釈があるとは思うが、わずか11行の言葉で心が落ち着くのは、言葉にはものすごい可能性を秘めていると感じた一篇です。

長々書いたけど、本屋イトマイで久々に好きな詩に再開できて本当によかった。

少しずつでいいから、仕事に行けるようにリハビリしていこう。

少し気持ちも落ち着いたので、本屋を後にした。

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