「『誰にだって宇宙開発ができる』と言い切れる理由」、未だに米国では、核戦略を担当する部署が、1970年代のコンピューター・システムとフロッピーディスクを使用しているというターミネーターⅢの世界が現存している
IT分野は、カタカナ語に溢れていて、引用するにも日本語で説明しないと門外漢にはわからないことが多々あります。
レガシーシステム(過去の技術や仕組みで構築されているシステムを指す用語)をモダナイゼーション(現代化)するには、
①ゼロベースで新システムを構築する「リビルド」、
②新しいシステム基盤上で別のプログラミング言語でソースコードを書き直す「リライト」、
③アプリケーションをそのまま新しいシステム基盤に移行する「リホスト」
の三種類があります。どれがいいかと言うと、もう作り直しちゃったほうがいいという①「リビルド」ですね。②「リライト」?昔の言語を知っている人間でもいなければ無理。③「リホスト」は、1970~90年代のレガシーシステムの場合、ほぼ不可能でしょう。
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未だに政府、日本の地銀とか工場などは、1980、1990年代のハード、ソフトを使っている企業・行政が多く、ハードなどは1985年のヒューレット・パッカードの特定のパソコンでしか動かないので、それをオークションで買ってストックしておいて使っているとか、コボルやフォートランなどの言語のプログラマーの需要がまだまだあるとか、フロッピーディスクをまだ使っているシステムがあるとか聞きます。
ロケットを作るのに、「特殊なプラスチックが手に入るようになったから、世界でも珍しいロケットを作れるようになりました。ホームセンターで誰でも買える」、「任天堂はすごいです。Wiiのリモコンに入ってる角度センサーは、もしかすると今の日本のロケットのものより高性能」だったり、ビットコインのマイニングをプレイステーション並列でやっちゃったりする時代でもあり、
「日本が使ってるH2ロケットは今から約30年前に開発されたもので、積んでいる電子部品などはいまだに30年くらい前のものが使われていたりします」という時代でもあります。
国際宇宙ステーションの写真を見ても、1998年11月20日から軌道上での組立が開始され、2011年7月に完成したものですから、こりゃあ、どうみても二十世紀の製品だよなあ、という機器が散見されます。
かんたんに最新型に変えられないんだよね。
米国防総省の核戦略担当、まだフロッピーディスク使用と
米国防総省で核戦略を担当する部署が、1970年代のコンピューター・システムとフロッピーディスクを使用していることが明らかになった。米監査院が報告書を発表した。監査院は、旧態依然の「レガシー・システム」を未だ使っている政府部局は複数あり、なかでも国防総省は刷新が喫緊の課題となっている部署のひとつだと指摘している。
報告書によると、古いコンピューター・システムの維持に年間610億ドル(約6兆7000億円)もの税金が使われており、最新IT技術の導入にかかる費用はその3割でとどまるはずだという。(あくまで「はず」ですよ。そうそうかんたんじゃない。素人考え)
監査院によると、大陸間弾道ミサイルや核弾頭爆撃機、戦車支援用の戦闘機などがいずれも、1970年代の「IBMシリーズ1」コンピューターで制御されており、8インチ・フロッピーディスクを使っている。
国防総省のヘンダーソン報道官はAFP通信に、「このシステムを利用し続けているのは、端的に言って、まだ使えるからだ。ただし、時代遅れという懸念に応えるため、フロッピーディスクは2017年末までにセキュリティーロックのかかったデジタル装置に変更する予定だ」と説明した。
報告書によると、国防総省は2020年末までにすべてのコンピューター・システムを最新版に変更する方針。
報告書はさらに、財務省も「1950年代に使われ始めたコンピューター言語」を使うシステム、およびそのための専用ハードウェアを使っており、システム刷新の必要があると指摘した。
平成29年度安全保障貿易管理対策事業
(安全保障上重要な技術に関する生産基盤等実態調査)
(2) ロケット技術
ロケットの構成は、大きく推進剤(燃料と酸化剤)、エンジン(燃焼室とノズル)、構造(タンク、結合部など)、電気系、通信系、衛星フェアリング等からなり、その部品点数はH-IIA ロケットの場合、28 万個に上る。近年は少量生産、高信頼性要求等の特性を有するロケット用部品製造に事業性を見出せないサプライヤが撤退する事例が増えており、国内のサプライチェーンの維持や他の一般技術では代替できない特殊加工技術や検査技術の維持が、我が国の自立的な打上げ能力の確保のために重要となっている。
「誰にだって宇宙開発ができる」と言い切れる理由
ぼくは今、北海道の真ん中へんにある、赤平(あかびら)という町で小さな工場を経営しています。
その工場でぼくはロケットを作っています。
誰かに頼まれて、部品を作っているわけではありません。ロケットをまるごと作って、自分たちの手で宇宙に打ち上げているのです。人工衛星もまるごと作って打ち上げています。その人工衛星は宇宙で立派に役目を果たしました。
それからぼくの工場には大きなタワーがたっています。このタワーは宇宙に似た無重力状態を地上で再現する実験装置で、NASAとドイツとぼくの工場にしかないものです。世界にみっつしかないものが、うちの工場にひとつあります。
どの部品も、どの装置も売っていないものだから、自分たちで工夫して作りました。そうしたら今では日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)が1年の3分の1くらい、ぼくの工場まで実験しにきてくれるようになりました。実験装置がうちの工場にしかないから、うちの工場にくるしかないんです。
おかげでぼくはずっと憧れていた毛利衛さんや、はやぶさを作った川口淳一郎さんとも仲良くなることができました。NASAの人もきてくれるようになりましたし、1年間に約1万人以上の学生が見学にきてくれるようになりました。ぼくの住む赤平の人口はたった1万1千人です。とってもうれしいです。
なんでこんなにいろんな人がきてくれるのか?
それはたぶん、ぼくたちが自由に「宇宙の仕事」をしているからだと思います。ぼくたちは宇宙開発をしていますが、政府や企業から開発費をもらったりせず、自分たちで稼いだお金だけで勝手にやっています。
それに、ぼくの工場の従業員は20人足らずです。しかもこの中に、大学で宇宙の勉強をしてきた人は一人もいません。もともと保育士だった女の人もいます。そんな人でも宇宙開発をしています。できるんです。なぜならば、もう誰にでもできる時代になったからです。
どういうことか。
たとえば、ロケットはとにかく軽い方がいい。だからぼくたちのロケットは全体が鉄より強いプラスチックでできています。その特殊なプラスチックが手に入るようになったから、世界でも珍しいロケットを作れるようになりました。ホームセンターで誰でも買えるんです。便利な時代になりました。
また人工衛星を作るためには、宇宙で自分がどのくらい傾いているのか、精密に角度を調べるセンサーが必要です。その精密なセンサーはどうやったら手に入るのか。
任天堂はすごいです。Wiiのリモコンに入ってる角度センサーは、もしかすると今の日本のロケットのものより高性能かもしれません。
日本が使ってるH2ロケットは今から約30年前に開発されたもので、積んでいる電子部品などはいまだに30年くらい前のものが使われていたりします。
30年前の携帯電話は、どうやって携帯したのかわからないほどです。ポケットにもかばんにも入らないし、アンテナもひっこまない。重さも1キロこえていたので、電話を持つ手もぷるぷるしたことでしょう。まるで巨大なレンガみたいな物体が、当時の最先端でした。
技術というものは、気づかないうちに発達しているんです。
人類は意外とがんばっているんです。
だから大人たちが昔の常識で「それは無理じゃない?」「むずかしいんじゃない?」といっていることのほとんどは、意外とホームセンターに行ったら解決できちゃうようなことかもしれません。そんなすばらしい時代をぼくたちは生きているんですよ。ぼくたちはとってもラッキーなんです。
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