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縄文海進と古神道、神社、天皇制(23)朝鮮半島渡来のウソⅠ

もう日本の文化文明・技術はなんでもかんでも朝鮮半島渡来で片付ける、という誤った認識は止めましょう。学校でも教えるのを止めたほうが良い。

弥生時代の始まりとともに大陸や朝鮮半島から大量の渡来人(弥生人)が押し寄せ、先住民(縄文人)は圧倒され駆逐されたと信じられてきた。江上波夫の騎馬民族日本征服説が戦後の史学界を席巻してしまった時期もあった。手塚治虫の火の鳥にもそういう絵があって、小学生の頃(昭和三十年代)は、神武天皇は半島から騎馬に騎乗して日本国を征服した、なんて信じていた。

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一時、歴史学界、考古学界は、戦後の自虐史観の影響もあって、日本に与えた朝鮮半島の文化文明技術の影響力を誇張することこそが進歩的、という風潮さえあったように思う。それが歴史学界、考古学界の戦後の常識だったが、もう通用しなくなった。もう令和の時代、昭和の古ぼけた歴史学界、考古学界の知識は捨て去ったほうが良い。

まず、縄文人は、バイカル湖畔に住んでいた一支族がルーツである。日本人の先祖はロシアのバイカル湖から南下してきた。

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まず、考古学者とか歴史学者などの想像力の欠如している人たちは、朝鮮半島と中国長江地域などの海上ルートを比較して、壱岐対馬づたいにかんたんに往来できる朝鮮半島が古代(紀元前八年前から一千年前)の海上ルートの主流だったとか、検証もなく主張する。

地理的・気候的な特徴はなんだろう?

1)長江地域と日本:長江地域には水量豊富な揚子江があり、日本は島国で山岳部から海に数多くの河川が存在する。水が豊富。温暖で湿潤な気候で稲作に適している。年間降水量は千ミリ以上。

2)朝鮮半島:日本海、対馬海峡、黄海に三方を囲まれ、西海岸中部以南から南海岸にかけ大小無数の島が散在する多島海。北部(北朝鮮)は山岳地帯で冷涼な気候で畑作に向いている。稲作に不向き。朝鮮半島と中国とは長白山脈で区切られ、アルプスのように往来が難しい。南部(韓国)は、冬は寒冷乾燥した大陸性高気圧の影響を受けるので寒く、日本よりも住み難い。夏は温暖で湿潤な気候で稲作に適している。年間降水量は千ミリ以上。

では、弥生人はどこからきたのか?というと、大規模な民族移動があって、半島から騎馬民族が大挙来襲などという馬鹿なことはない。それで、弥生人が縄文人を圧倒して、支配したなどということもないのだ。

弥生人は、長江、その最下流の揚子江の沿岸、今の上海あたりから海を渡って直接日本に移り住んだ。そう書くと弥生人の祖先は、中国人(漢民族)か?と誤解されるだろうが、違う。

古代(紀元前八年前から一千年前)、長江一帯に住んでいたのは、たぶん現在のインドシナ半島(ベトナム人とか)と同じ先祖を持つ人類だったのだろう。特に揚子江南側には。それが北の方から漢民族が南下してきて、徐々に圧迫された。大陸の南に逃げようにも既に人が住んでいる。

そこで、彼らの一族の一部がどこに逃げようか話をする。「東の方に大きな島があって、そこはここと同じく気候温暖で冬もそれほど寒くないそうだ。住んでいる人間(縄文人)も温和で、渡った仲間が曰く、『農業を教えてくれるんなら、土地もあるし、一緒に暮らしてもいいぞ』」と言われたそうだと日本列島を逃げ場に考えた。

誰かが、「同じ東でも大きな半島があるそうじゃないか?」というと、「ああ、あそこか。あそこは渡ったやつに言わせると、冬は島国よりも寒く、夏は暑い。山がちで土地を開墾するのに手間がかかる。住んでいる人間も意地が悪いそうだよ」と話す人がいた。

そんなこんなで、じゃあ、みんなで大きな島国に逃げ出そう、と意見の一致を見る。これが弥生人。彼らは、大規模に民族移動して、日本を征服したのではなく、少しずつ難民の形で日本に逃げ込んできたのだ。

じゃあ、朝鮮はいつ出てくるか?というと、古代(紀元前八年前から一千年前)の時じゃない。三世紀~五世紀、半島の三国時代に、高句麗から圧迫された百済、新羅、任那の人間が、長江の人たちと同じく、難民として逃げてきたということ。ただし、その頃の半島人の農業・工芸・武器制作技術は日本を上回っていたので、日本を支配していた豪族集合体の社会の上辺に食い込み、やがて日本人にのまれて一体化してしまったということだ。

だから、朝鮮半島渡来なんてほぼウソ、それも上から目線の技術指導なんてものじゃなく、難民が逃げ場を日本に求めて、そこで技術を売って、社会階層の上辺に食い込もうとして、やがて、日本人という混血人に飲み込まれたにしか過ぎないのだ。

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