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Beatrustのグローバル展開の”いま”(2023.08)!!

こんにちは!Beatrust でPRを担当している Sakura Yagi です。今回は、Beatrust の共同創業者 兼 CEO である Kunio Hara  / 原 邦雄 さんに、Beatrust のグローバル展開の現状について話を伺いました。どのように進めているのか、エピソードを交えてお話いただきましたので、是非ご一読ください。


グローバル展開を目指す理由とこれまでの取り組み

1.改めて、創業初期からグローバル展開を目指してきた理由と、これまでの取り組んでこられての進捗・印象について教えてください。

以前デライト・ベンチャーズ*の南場智子さんとの対談記事の中でお話したのですが、Google でスタートアップの支援をしていた時の経験から、日本発のスタートアップがグローバルで存在感を発揮することの難しさとやりがいを目の当たりにしてきました。自分たちがそのショーケースの一つとなるような事例を作りたいと思ったことも Beatrust 創業の根本にあるのです。
グローバルで通用するビジネスを目指すには、取り扱うテーマもグローバル共通の課題であるべきと考え、「人を活かす」という普遍的なテーマを選び、それを支援するための環境を提供することをビジョンに創業しました。 実際にプロダクトのコンセプトに落とし込む上で重要視したのは、これからの社会-組織-人の関係性にフィットした形にデザインすることです。私たちが注目したのは、「より働く一人ひとりの自律性に重きを置いたアプローチ」です。ポートフォリオワーカーのような働き方が広がる中で、働く環境を柔軟に選択することや、やりたいことを・仲間を見つけて実現できる環境を選択的に渡り歩くことがますます一般的な価値観になっていくと思います。そこで我々はこれまでに無い「タレントコラボレーション(商標登録済み)」という概念を立ち上げ、新たな市場を作っていきたいと考え、このビジョンに共感いただき先駆的な取り組みにチャレンジする志を持った会社様と共にマーケットの検証と確立に向けて取り組んできたのがこれまでの3年間だったと言えます。
海外市場へのチャレンジは、漕ぎ出すタイミングも非常に重要です。日本市場での地盤を固めてから拡大しようとしても、先行の企業がすでに席巻していて入り込むスペースがなくなってしまうこともあります。確実に価値を届けられるプロダクトとサービスモデルを確立しつつも出遅れないタイミングを念頭に置きながら、市場調査を行ってきました。
(*敬称略とさせていただいております)

2.グローバル展開に向けて本格的に動き始めたのはいつ頃ですか?

去年(2022年)の10月にX-HUB TOKYOという東京都主催のスタートアップ支援イベントがあり、それに参加したのが本格的なスタートでした。これは日本発スタートアップの海外進出を後押しする目的のアクセラレータープログラムだったのですが、ニューヨーク在住のビジネスプロフェッショナルの方にメンターで付いていただいてコーチングを受けたり、現地の企業さまとサービス内容について壁打ちする時間を設けていただいたり、投資家の皆さま向けにピッチを行うなどの有益な機会を得ました。その後も定期的にJETRO*が協賛するイベントに参加させてもらったり、シリコンバレーで企業ヒアリングやインタビュー、海外イベントへの出展なども行ってきました。

(北米最大級のテックカンファレンス「Collision 2023」に参加した時の一枚(2023年06月))

これら1年程のマーケットリサーチを踏まえ、今が本格的なチャレンジの適正タイミングだという判断に至り、いよいよ本格進出に向けたチーム作り・顧客開拓をスタートしたというのがまさに今です。

3.今が適正なタイミングだと思われた、具体的なきっかけは何かありますか?

JETRO*経由でご紹介を受けた各メンターや業界有識者の皆さまからのフィードバックが、概ね非常にポジティブだったことです。現地の事業会社様にサービスへのご意見を伺った際にも、「確実にアメリカでもニーズはある」「これまでに無いソリューションだ」というフィードバックもありました。イベントでピッチをした後に、わざわざブースまで足を運んで下さって「まさにこういうプロダクトを探していました」と感想を伝えにきてくれた方もいらっしゃいました。

アメリカ市場の印象やお客さまからの反応


4.アメリカ市場にどのような印象をお持ちでしょうか?

アメリカはSaaS大国ですが、それゆえに、実に多様なサービスが目的別(vertical)に存在し、顧客もそれぞれの独立したサービスを選択的に組み合わせて使っている実態があります。結果的に、ユーザー単位での利用体験が分断されてしまい、利用者側も運用側も負荷が大き過ぎる状況が生まれてしまっていることは否めません。
こういったマーケット特有の課題やニーズを克服していけさえすれば、後発のサービス、海外発のプロダクトだとしても、「良いものはいい」と受け入れてくれる懐の深さがあるのもアメリカというマーケットの特徴です。Beatrust は、既存のツールやインフラ環境と巧くインテグレーションしながら、満足度の高い利用体験を提供していきたいと考えています。
「違い」に注目すれば枚挙にいとまがありません。最初に直面する課題は「言語」です。英語はもちろん、それ以外の言語環境を一通り用意するだけで実に大変です。さらには「ツールを取り巻く環境」も国が変われば大きく異なり、その国の法律や商習慣に準拠する必要があります。そしてもちろん「ユーザー側の意識や行動の文化差」です。これらを丁寧に観察し、優先順位を付けて取り組むべき課題へと落とし込んで確実に実行していくことが求められます。今はトライアルカスタマーを募って実際の使用感や機能面のフィードバックを集めつつ、それと同時に顧客開拓やカスタマーサポート等の営業体制の整備に取り掛かっています。実際に公式にサービスを提供開始するのは、2024年初旬を目標にしています。
プロダクト自体への評価という点でみれば、これまでのところアメリカだから日本と大きく違う、ということはなさそうです。日本でも共通認識にある課題、例えば、ハイブリットワーク普及に伴い新たに発生したコミュニケーション上の課題をどう克服するかや、優秀な人材の確保・定着などはアメリカにも同様に存在します。一方、アメリカでは「Diversity&Inclusion」などが一層大きく注目されていたりと、日本とは違う特有の組織課題がホットだったりしますから、それをどう捉えてアプローチしていくか、戦略レベルでの調整が必要になると考えています。

5.アメリカ市場に顕著な組織課題というと、例えばどういったものでしょうか?

印象的だったものとして、「優秀な社員の離職防止を第一目標に Beatrust を使ってみたい」という企業の方がいらっしゃいました。その方の話を聞いていると、優秀な方ほど、報酬だけではなく、企業風土や文化、 働き方などを総合して、「この会社にいることで、自己成長できる」「この会社ならば、本当に自分がやりたいことが実現できる」と感じられるかという非金銭的な価値観を重視される傾向にある、ということでした。自分にはないスキルや経験を持ってる人を速やかに発見してコンタクト出来ること、興味のあるプロジェクトに参加できる環境があることなどが、彼らが「その会社で働くモチベーション」に直結しているということです。こういった環境をBeatrustで提供したい、というお話をいただきました。

別の会社様の例ですと、「人種問題やLGBTQへの考え方の違いが社内分断を加速させており、DE&I の文化を会社に根付かせるための施策に悩んでいる」という声もありました。
それでもコロナ以前は全社集会やイベントなど対面で会う機会があったため、自分と違う価値観に触れる・議論する時間が生まれていたものの、コロナによる物理的な分断が原因で価値観の分断がより深くなってしまった、と危機感を強めていました。所属チームや進行中のプロジェクト、その他のソーシャルなつながりを含めて、それぞれの(既存の)コミュニティの内では十分な関係づくりが出来ているものの、その垣根を超えて コミュニケーションする機会が明らかに減ってしまったとのことでした。それを克服するための手段として Beatrust を使ってみたいという期待をお聞かせ下さいました。 

日本にいるだけではこのような状況に気がつかなかったので、とても印象的でした。世の中では「フィルターバブル」や「エコーチェンバー」と呼ばれる自分に似通った情報ばかりを摂取してしまう現象が問題になっていますが、自分が所属するコミュニティを ”越境”した先に本人も気づいていなかったような有益な情報流通が起こるようなプラットフォームが、今の時代だからこそ求められているのかもしれません。
これは日常的なコミュニケーションの単純な効率化の問題ではなく、「偶然の出会いづくり(セレンディピティ)を、如何に仕組み化するか」というクリエイティビティへの期待なのでしょう。Beatrust が後押しすべきはまさにこういったことなのかもしれない、と感じました。

Beatrust のグローバルチーム


6.どんなメンバーでグローバル展開に取り組んでいるのでしょうか?各メンバーの役割も教えてください。

エンジニアリングチームの Ryo Nagaoka、Chris Chau をはじめとした、頼りになるメンバーで取り組んでいます。
Ryoさんは技術面やセキュリティー面を担当しています。Chrisさんは元々、アメリカで仕事をしていた経験を活かしてもらい、彼の本業であるプロダクトの UI/UX デザインだけでなく、営業シーンの各種接点で力を貸してもらっています。

(取材時、オフィスにいらっしゃったRyoさんとの1枚)

7.チームの雰囲気や、Kunioさんの関わり方はいかがですか?

私の役割は、みんながモチベーション高く働ける環境を整えることだと考えています。お客さまの評価やマーケットのニーズをフィードバックしながら、メンバーが積極的にチャレンジできる環境を整えたいと思っています。みんなで話し合いながらプロダクトや戦略を変えたり、 プレゼンに反映させたりワイワイ言いながら試行錯誤を繰り返しています。

8. 目下どのようなOKRを見据えておられるのでしょうか?

まずは1件、アメリカでの導入事例を作ることです。B2Bビジネスである以上、先行事例を作り、しっかりとレビューを通じてセールスとサポートの「型」を作っていくことは非常に重要です。実績があることが検討中のお客様への最大の信頼・後押しになると考えており、とにかく我々として提供可能な先行事例の情報を量・質ともに整えていきたいと考えています。まだまだ手探りですが、内外の知恵を寄り集めて貪欲にチャレンジしていきたいと思います。

最後に


9.最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

改めての意志表明として、我々は「本気で」グローバルで成功する日本発スタートアップの新たなモデルケースになりたいと思っています。プロダクトはもちろん、ビジネス戦略においても “out-of-box thinking(型破り発想)” でやっていきたいですね。まだグローバル進出に足をかけたにすぎない段階ですが、マーケットにニーズがある限りは、その可能性にチャレンジしたい。かつて果敢に世界に渡って挑戦し成功したソニー、ホンダ、トヨタといった先駆者的企業の後に続く企業がもっともっと日本から生まれていくべきだと思います。このような日本発のグローバルチャレンジを一緒にしたい方がおられたら、是非ご連絡下さい。お待ちしています!



いかがでしたでしょうか?今回はグローバル展開についてのインタビュー記事でした。この記事を通して Beatrustの考え方や社員の様子などを皆さまにお届けできていれば幸いです。2020 年に創業して以来、様々なグローバル企業やスタートアップなどで経験を積んだメンバーが続々と参画しています。これからも社員インタビューや社員による対談記事など、あらゆる Beatrust の側面が見える記事を更新していきますので、是非覗いてみてください。次回の投稿もお楽しみに!

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