ANNA(Go To Him)

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アルバム「PLEASE PLEASE ME」の3曲目。
発表曲7曲目にして初のカバー曲が登場。

なんと言ってもジョンの泣きのボーカル、シャウトがウリの曲だ。
ジョンと言えば平和の使者的なイメージを持っている人が多いと思うが、それはだいぶ後の話で、この曲を始めとして、フラれたとか、浮気するなとか、嫉妬深い男の歌が多く、実際もそのような人だったらしい(いわゆるDVの気もあったようだ)

MISERYのところでも書いたが、この日のジョンはひどい風邪をひいていて、この曲を聴くと鼻声であることがよくわかる。

デビューアルバムでなんとも不運と言いたいところだが、当のジョンはこの声の変化を喜んでいるのではないかと想像したくなる話がある。

ジョンは「自分の声がキライ!」

我々にとっては信じられない、なんともうらやましい悩みだと思うが、本人は自分の声がキライで録音技術の発達したいわゆる中後期には、機械によって自分の声を変えたがっていたという話が残っている。

この当時はまだそのような技術はないのだが、自然の力、風邪声によってジョンは自分の声の変化に成功(?)したと言えるだろう。

全般的にビートルズのカバーは、オリジナルと聴き比べると洗練されたアレンジ、音作りにより、ビートルズ色に染めていくのだが、この曲に関してはかなりオリジナルに忠実に演奏されている。
オリジナルではピアノで弾かれているリフがギターになっている以外は忠実だ。さらに、オリジナルは全体にぶっとい音で録音されていて、ビートルズカバーの洗練の一要素である「音作り」はこの曲に関しては負けているように感じる。

オリジナルを作曲したアーサーアレクサンダーはヒット曲に恵まれず(この曲も大したヒットはしていない)バスの運転手になったそうだが、ジョンとジョージはアーサーが大好きで、ライブではこの曲以外に2曲ほど演奏が残っているし、ローリングストーンズもカバー曲を残すなど、イギリスのバンドの間では、チャックベリー並みの影響力を残した。

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