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へたくそに生きている

 社会人生活も3か月目に突入した。職場環境にも、通勤にも少しずつ慣れてきた。そして一人暮らしもそれとなりにできるようになってきて、平日にも自分の時間を確保できるようになってきた。

 一見、順風満帆な社会人生活と思えるのだが、毎日のようにつまづいてはすっ転んでを繰り返している。

 教えてもらったことをなかなか一回で覚えられないし、同じミスを繰り返してしまったり、大事なことを忘れてしまったり。指摘いただいたことをメモに書き留めてあるはずなのに、前のページを読み返すと全く同じことが書いてあって凹んだり。要するに、全然うまくいかないのである。

 自分なりの最大限を出して頑張っているつもりでも、届いている感触が全くない。ミスが起ったらなぜ起きたのか考えて、改善策を見出してもまた間違える。投げ出したくなることもしばしば。

 そんな今日の帰り際、上司からの呼び出しで軽く面談をした。私は自分の思うところを素直に話した。上司は「誰もが通る道だからね」と懐かしむように笑って聞いてくれた。

 そして、「悪戦苦闘しているみたいだけど、よく頑張ってくれているよ。」と言ってくれた。そのとき、「自分では10しか頑張れていないと思っていたけど、周りからみたら20頑張れてたのかな。」と思うことができた。

 自分にできることなんて、挨拶をきちんとするとか、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」をちゃんと通る声で言うとか、電話に出ることくらいしかないから、せめてそれだけはと思って必死こいてやってきたけど、それでよかったんだな。そう思うことができた。

 私はきっとこれからもたくさん転ぶだろう。だけど、自分にできることを精一杯やっていこうと思う。錆びだらけのナマクラと、ボロボロの戦闘服で泥まみれの毎日を生きていこう。へたくそなままで。



 

 

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