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お気に入りのラーメン屋に行かなくなった

2年前くらいの話。

大学の夏休みに実家に帰省していた時。母がいつものラーメン屋に行こうと言うので一緒に食べに行った。

そのラーメン屋は父の高校時代の同級生が経営している店で、両親と大将(店長)は仲が良かった。小さい頃からラーメンはその店にしか行かないくらい私もその店の味噌ラーメンが大好きだった。早くて安くてうまい、地元でも人気のラーメン店。

久しぶりにラーメン店に行くと大将から言われた一言

「おお〜デカくなったな〜結婚したのか?」

私はびっくりしてしまって、どんな対応をしたか覚えてない。母は「この子絵の大学に行ってるのよ〜よくわからないけどデザインとかね〜」と説明していた。大将は「へ〜...大学..絵?ふーん」母と目をアイコンタクトをとっていて母も(この子ちょっと変なのよ)という具合の雰囲気だった。

あ〜この人ら今、女が大学いっても意味ない。穀潰し。早く結婚して子供産むのが幸せなのに。って思ってんだろうなと察した。私が大学に行きたいと言われたときに散々言われた言葉が頭の中をぐるぐるした。大好きな味噌ラーメンの味もその時はしなかった。

別に両親に学費を払ってもらってないし、高校生の時に大学の学費のことや受験代だって全部自力で切り開いてきた今を、まだ親はよく思ってないんだなとショックだった。

話は少し変わるが、就活の面接の時に「いずれは地元でデザイナーをやりたい。デザイナーってご飯食べていけるってことを伝えたい」って言ったことがある。面接官に「君一人がその市のデザイナーになって何か変わるの?」と返された。都会にはデザイナーはたくさんいるが、地方にはデザイナーという存在が少ない。一人のデザイナーが与える影響力はかなり大きいと思っている。私、大学に行ってちゃんとデザイナーやってるよ!ということを自分の周りに知ってもらうことでも価値観のアップデートになると思っている。

地元の子供達にもデザイナーって職はちゃんと食べていけるよってことを自分の体験を通して知ってもらいたい。周りの 大人の意見で視野を狭めないで欲しい。

女は大学なんて行かず早く結婚することが幸せとか、子供産むのが幸せとか、親孝行するべきとか「一般的にはこう」みたいな価値観ってなかなか無くならない。思考停止してる。

ラーメン屋に行くたび思い出すこと。美味しいラーメンが食べたいな。

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