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海外アートコンペに必須!アーティストステートメントの書き方


こんにちは、BEARです。

しばらく間が空いてしまいましたが、幸い私の作品関連で色々と忙しくさせてもらっていて、記事を書くまでの余裕ができずにいました。

これまで、日本をベースに活動しているアーティストの方々に向けて、日本在住でも応募可能なアートコンペ情報の記事をいくつか書いてきました。そんな中で、応募するにあたって多くの場合要求されるアーティストステートメントやプロジェクトプロポーザルの書き方のポイントやコツみたいなところを、まとめられたらいいなぁと思っていました。

今回はアーティストステートメントを海外の審査員向けor英語版ウェブサイト用に自分で作る際のポイントをお伝えしていきます。
ここで、ひとつ断っておかねばならないのですが、これから記すものは私のここ2〜3年の欧米での経験と、いろんな本、記事で参考になったポイントの詰め合わせのようなものなので、正解でもなければ、決まったセオリーでもありません。ちょっと参考になるかも程度で読んでください。自分でも読み返せる備忘録のようなものになれば良いです。

また、2024年7月より、BEARは「アートパフィン」として日本人アーティスト・キュレーター・写真家・建築家の方々が応募できて、これから締め切りが来る海外公募のみを常時100以上リスティングしたデータベースを始めました。そちらも合わせてチェックしてみて下さい。そちらでも応募のコツや必要書類のコツなどを配信しております。


はじめに

私も含めて、文章を書くことが得意ではなかったり、アーティストとして作品が一番大事で言葉で表現することにポジティブではない方もいらっしゃると思います。ですが、現実はそうではなく、言葉で語ることが作品と同じくらい重要な場面に直面します。もちろん「アーティストに一番大事なのは作品ですので、文章に悩んでいる時間があったら制作をして下さい」という方針で、作品の写真だけが必要書類だったりするコンペや団体もあります。しかし数は限られており、応募ハードルが下がると同時に競争率はとても高くなります。
何より、上質なアーティストステートメントは現代のアートシーンでは必須ですし、イギリスの大学でも必ずプログラムが組まれています。
アーティストステートメントはBiographyやAboutとは違った、自分のアートプラクティスをプレゼンテーションする際の大事な役割を担う文章になります。あなたのアーティストとしての一種の哲学を示す文章とも言え、テーマや背景、プロセス、信念など読み手があなたの制作全体を把握するのに必要だと思われるものが構成のベースになっていきます。そして、何より重要になってくる、「何をしているのか、なぜあなたがそれをするのか」whatとwhyを提示するのがアーティストステートメントであると思います。

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