『ロビンソン・クルーソー』攻略失敗。
どうも、秋なので読書をしている僕です。
みなさんは『ロビンソン・クルーソー』という小説を知っていますか。どうやら子供向けの物語として『ガリバー旅行記』ばりに親しまれているようです。僕はつい最近まで知りませんでした。『Sonny Boy』という僕の大好きなアニメ内で、その物語ではロビンソンと同じく漂流してしまった主人公たちが元いた場所へ帰るために計画を立てるのですが、その計画を「ロビンソン計画」と呼んでおり、気になって調べることでたどり着きました。スピッツかと思ったわ。
そんなこんなで読み始めたのですが、62ページ時点で読む手を止めてしまいました。その言い訳を書き留めておこうと思います。
自分の知識が浅い。
まず誤解して欲しくないのは、面白くないわけではないということ。てか面白い。エンジンのついていない船に乗り込み、風と波に文字通り左右される航海はロマンがあるし、偶然立ち寄った陸地に原住民が全裸で槍をもって立っていることだって恐怖と好奇心をそそる。そういったワクワクがちりばめられたステキな作品で、子供向けにリメイクされるのも頷ける。ではなぜ楽しめなかったのかというと、より面白がるためには知識が必要だったというだけ。あくまで僕が面白がるためには、ですが。
未知の世界を冒険する作品って現代には満ち溢れていますよね。ワクワクを提供してくれる作品は少年ジャンプだけでも山のようにあります。僕は子供の頃、『ワンピース』『ジョジョの奇妙な冒険』『ドラゴンボール』などを浴びるように摂取してきました。もう過剰なくらいド派手で山盛りのワクワクです。そうして育った現代っ子の僕が「ファンタジー」として作品を面白がるには、それらに匹敵するワクワクが詰め込まれていないと薄味なんです。文章表現の個人的好みも合わさり、なかなか馴染めませんでした。
ではこの作品のおいしいところはなにか。それはこれが作られた時代背景や宗教観、価値観を読み取りながら読むことだと僕は思います。出版されたのは18世紀始め頃で、産業革命以前の創作物です。資本主義が活発になる前ですね。その時代にこれが読まれていたことがおもしろポイントのはずです。また奴隷は当然のように存在しており、その扱い方や描き方からその時代の価値観や倫理観を読み取るのもおもしろポイントのはずです。安全に今ある財を大事にするべきという父の言葉やそれに背いたロビンソンの後悔だって当時の価値基準を想像するヒントがあるはず。たぶんそのはず、といえるエッセンスは感じます。でも難しそうな味がします。
これを楽しむためには僕は足りていない。知識なく海外古典に手を出すのは、それこそいかだに乗って大海原へ漕ぎ出すのと同じ恐怖がある。分からないが多いものは怖い。楽しむことができる人がいる中でそれが分からないなんて恐ろしい。かといって知ろうとする勇気と元気が足りない。
ひとまず掘り下げきれていないジャンルを堪能し尽して、いつか理解が及んだときにもう一度手を伸ばしてみようと思う。そのときまで漂流したまま待っていてくれ、P62のロビンソン。
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