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「何で撮るかよりも何を撮るか」カメラマン松室一馬さんが届けたい「らしさ」と撮る世界

今回インタビューをさせていただいたのが
松室一馬さん。株式会社TABBIPOが運営している旅を1つの仕事にするためのプログラム「POOLO JOB」で出会い、同じチームで日々活動しています。今までの旅経験も非常に興味深い中で、今回は普段行っている撮影活動や背景、これからの未来を中心にお話をお聞きました。ぜひ松室さんの写真を通じての人生や世界を楽しんでいただけると嬉しいです。

【人の幸せの瞬間を「撮る」お手伝い】


ー現在どんな活動をしているのかについて教えてください。

「ラブグラフ」という出張撮影サービスを展開している会社のカメラマンとして活動させていただいております。

ー実際に活動してどれくらい経つのですか?

ラブグラフでカメラマンとして活動し始めたのは2022年の11月からで7か月ですね。というのもラブグラフのカメラマンになるためには審査に合格する必要がありました。ラブグラフが求めているクオリティ以上のものでないと合格しないもので、その審査にまず受かるためにいろんな被写体を集めて写真を撮っていました。

ーその中の被写体としては何を選んだんですか?

夫婦やカップル、ファミリーを中心に撮影しました。被写体は家族やウェディングなど多くあるのですが、ラブグラフ自体が友達や好きな人といったジャンルに特化していると思い、夫婦や恋人同士を被写体に選びました。

【人を笑顔にしたいと思ったルーツとツール】

ー元々写真を撮ることは、自分が得意と思う部分 だったのですか?

得意というより好きが大きいと思います。人の笑顔を撮るのが好きで、人生において「笑顔」をテーマに掲げています。そのきっかけは、自分には人を笑顔にする力があると思った幼少期の経験や、「スマイルクリエイター」という大道芸人さんから影響を受けて、「世界中の人を笑顔にしたい!」と思ったからなんです。そこから大道芸人になることも目指していましたが、経済的な難しさも知り諦めました。でも誰かを笑顔にするという理念が失われたのではなくて、笑顔にするツールが大道芸ではなくなったイメージです。

ーと言うと、何か他にツールが見つかったのですか?

はい。それが写真を撮ることでした。小学校の頃にカメラで撮り始めた経験があって、月日が経って大学生の時に好きな人が写真を撮ることが好きだったので、影響を受けて再び撮ることを始めました。その子とはその当時同じ学部で、色んな学部のイベントで撮影するようになって、自分の撮った写真がLINEのプロフィール写真として使ってくれたり、「すごく良い!ありがとう!」と友達が褒めてくれたんです。その時にその友達がとても笑顔だったのが印象的で、自分が誰かを笑顔にするツールはカメラで写真を撮ることだと思いましたね。そこから「ラブグラフ」という会社に出会い、自分がなりたいカメラマンにもっと近づけると感じて、動き出していきました。

【「なんのために撮るのか」と向き合う】

ーその好きな子がもたらしてくれたものって大きいですね。 笑顔にするツールとして写真を撮ることが見つかったと思うのですが、撮ること自体が辛くなったことは今までありませんでしたか?

ありますね。「なんで撮ることをやっているのか」がわからなくなってしまい、その当時カメラで撮ることが好きなコミュニティに所属していて、約17人のメンバーに個別相談をしました。そのうちの1人の女の子に、「仕事でインタビュー記事の撮影が多かったけれど、久しぶりに友達と遊びに行った時に好きな風景を撮って楽しい!」という話を聞いて、最終的に気がつきました。自分も仕事での撮影ばかりでプライベートで友達と写真を撮りに行くことが少なかったんですよね。加えてその当時コロナも重なって、色んな学校行事がなくなり、笑顔を撮る機会自体がないに等しかったんです。ただ単に取材の写真を撮りに行くためになっていたこと。きっとカメラというツールを使って笑顔を撮ることができていなかったから撮影が楽しくなかったんです。笑顔を自分のビジョンに掲げていたのに、その笑顔というものをあまり撮れていなかったのが原因でした。でも、良い面もありました。仕事をしながら自分が撮りたい写真を再認識できたのは良かったです。詳しく言語化してみると、自分は「人から自然に出た表情や型にはまらない写真を撮りたかった!」とその時に思ったんです。

【その人だからこそ撮れるものがある】

ー「型にはまってないような写真」で言うと、
こちらの写真が松室さんらしさが出ていると感じたり、ここまで引き出す発想力にも感銘を受けました。


実はこの写真はラブグラフに入る前の写真なんです。自分は割とその人たちにしか取れないような写真を撮りたいと思っています。この写真の背景として、彼女さんが昔空手をやっているのを聞いて、「空手やりましょう」という感じで、そのシーンを撮影しましたね。こういう写真はラブグラフに所属しているカメラマンの写真を普段見ていて、インスパイアを受けているのもあるのですが、求められている写真は何かを理解するのを大切にしています。

【対話の中で生まれるセルフ写真の面白さ】

ーラブグラフ以外の場で表現されている旅の写真も印象的です。旅の写真を撮るときの意識の違いや、大事にしていることはありますか?

意識の違いはなく、撮りたい写真には変わりはないですね。ベクトルがどっちに向いてるかどうかだと思っています。例えば、セルフ写真だと自分の方にベクトルが向かっていて、自分が単純に楽しいから撮るイメージです。ラブグラフでの撮影だとお客様ファーストで撮るイメージで、どちらも苦ではないですね。お客様の笑顔を見れるのが嬉しいし、その一方で自分たちのために単なるワクワクも大事にしたいのは思っています。


この写真に写っている人は、自分が運営しているシェアハウスに住んでいる人で、この人と旅をしていく中でセルフ写真の良さに気付きましたね。誰かが写真を撮る、もしくは、三脚を立ててセルフタイマーで写真を撮るスタイルで、どうやったら自分たち「らしさ」を撮れるかを意識しています。セルフ写真で言う自分たち「らしさ」というのは「本当に自分たちが楽しんで撮ったんだろうなぁ。こんなに旅って楽しめるんだ!」と思ってもらえることですかね。そういう気持ちになってもらえるように、どうやったら写真で伝わるかなというところは大切にしています。ちなみに、この写真はタイで撮影していてタイの市場の中を電車が走る「トレインマーケット」のような市場があったんです。「電車と一緒に写真撮りたいね!」と話していて、終点の駅まで向かって撮れた1枚です。この時は自分たちだけよりも、自分たちと何か物を使って撮る方が楽しいかなと話して撮影できたのが良い思い出でした。


ーセルフ写真って難しいイメージがあるのですが
大変ではなかったですか?

そこまで大変ではなかったです。むしろ面白かったのが正直な気持ちです。例えば、みんなで集合写真を撮る時に走ったけど間に合わなかったときってたまにあると思うのですが、そういう失敗が面白い。自分たちが撮っている写真で失敗した写真もあるのが面白いと思うんです。撮るのが難しいというよりかは、それも全て味があって面白いという言葉に変わると思っています。自分の中でセルフ写真の面白さはそこに詰まっていますね。

それに、自分が尊敬しているフォトグラファーがいて、その人も日本全国を回りながらパートナーとセルフ写真を撮っていることに憧れたっていうのもあります。構図も自分たちでどうやってやるのか探るのも面白い。「どういうポージングする?もっとこうした方が良いんじゃない?」といった話し合っている中で新しい面白いものが生まれたりするんですよね

【旅をして撮る笑顔を世界に届けたい】

ーこれからやってみたいことについて聞きたいです。

カメラを通してスマイルクリエイターみたいに自分が起点となって、世界中に笑顔を増やすビジョンを追い続けていきたいと思っています。その1つの方法が旅をしながらカメラで撮ること。旅とカメラの相性が良いというのもありますね。自分の好きな旅と自分が好きな笑顔というところを意識して、これからもみんなの笑顔も自分たちの笑顔を増やしていきたいです。

ー最後に写真に興味ある方へメッセージをお願いします。

「写真を撮る」というのはシャッターを押す時だけではないと思います。シャッターを押した時が撮影というよりかは、撮る前のどういう位置で撮るかであったり、撮った後に「良いなぁ!」と共有したいと思えること、写真を編集することもすべて体験。写真1枚に関わった時間の全てを「撮影」と言うと思います。要は、撮るまでの体験がものすごい価値のあるもの。その体験を楽しむというのは、ただ撮影して出来あがった写真だけではなくて、撮る前の構図を決める時や編集など全てにおいてその1枚に関係するすべての時間が素敵な撮影体験だから、そういう体験を大切にしていってほしいです。
そして、人それぞれ撮りたいものが違っていいとも思います。たまたま自分は笑顔がテーマですが、撮りたい瞬間というのがみんな絶対あるはずなので、まずは自分の心が動いたものを撮ってみる。何で撮るかよりも最初は何を撮るのかを追求していくと見えてくるものがあると思います。


【松室一馬(まつむろ・かずま)】
兵庫県西宮市出身。笑顔を求めて旅をするのが好き。2021年にカナダ留学。2022年にはヒッチハイクで日本一周を経験。その後Lovegraph(ラブグラフ)でカメラマンを務める。2年間TABBIPO学生支部に所属し、2023年4月から旅先の経験をコンテンツにする力と発信力を磨くPOOLOJOBコースを受講中。

Instagram(旅)‣https://www.instagram.com/muro_muro.0510/
Instagram(写真)‣https://www.instagram.com/muro_graph/
Twitter‣https://twitter.com/muro_110510


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