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楽しく語ろう『あなたの知らない尿もれの世界』

年齢に関わらず、多くの人が悩んでいる「尿もれ」。けれども、いまだタブー視されているのが現状です。
オープンに語って、一人でも多くの方と情報を共有することが、社会を変えるための小さな一歩であると考え、『あなたの知らない尿もれの世界』をテーマに、都内某所にてトークセッションを開催。
日本ママ起業家大学 学長の近藤洋子さんをゲストにお迎えして、Bé-A〈ベア〉代表の髙橋くみと共に語り合いました。

髙橋くみ(以下、髙橋):先日Bé-A〈ベア〉で192名の方にアンケートを実施したところ、なんと75%の方が尿もれを体験しているということがわかりました。さらに、その半数が20〜30代で初めての尿もれを経験されていたのです。
年齢に関わらず、多くの人が悩む「尿もれ」。この事実はもっと受け止めてしっかり考えていかなければと思います。

近藤洋子(以下、近藤):尿もれというと、なんとなく高齢の方のイメージがあるかもしれません。若い方でも経験されているのはちょっと驚きですよね。

髙橋:尿もれを考える上で一番大切なのが、「骨盤底筋」。膀胱や子宮、直腸が重力で下がらないようにハンモック状に下から支えている筋肉です。骨盤底筋には腟・尿道・肛門の3つの穴があって、 排泄口を開閉する働きもしています。
ですから、骨盤底筋がゆるむと尿もれなどのトラブルが起こりやすくなります。
ゆるみが起こる主な原因3つを確認していきましょう。

まずは、「便秘」
便秘がちな人は、強くいきんで排便することが多くなりますが、この“いきむ”行為は想像以上に腹部を圧迫して、骨盤底筋に負担がかかります。

次に、「妊娠・出産」
妊娠して重くなる子宮を支えるために引き伸ばされたり、出産時のいきみによって、骨盤底筋に負担がかかります。
若い方でも産後の尿もれはよく聞きますね。

そして、「加齢による女性ホルモンの減少」
女性ホルモンのエストロゲンには、筋肉の弾力やハリを保つ働きがありますから、急激にエストロゲンの分泌量が減る更年期には、骨盤底筋がゆるみやすくなります。

近藤:なるほど。私は昔、ひどい便秘でしたし、4000g超えの巨大児出産経験もある。そして、今は更年期真っ只中。尿もれしない理由がないということですね。実は私、今日も何回お手洗いに行ったかわからないくらい行っています(笑)。

髙橋:私たち、本当にお手洗いが近くて困りますね(笑)。

腟の老化が尿もれにつながる!?

髙橋:尿もれは、「腟」の老化でも起こりやすくなります。私たち女性は、女性ホルモンのエストロゲンがあることで、色々な恩恵を受けています。実は腟粘膜を潤して、ふっくらした状態を保てるのもエストロゲンのおかげ。だから加齢によって分泌量が少なくなることで、乾きやすくなり、腟壁も薄く、硬くなり、“萎縮”する。要するに縮んで硬くなってしまうんですね。

骨盤底筋には、尿道、腟、肛門という3つの穴が並んでいますが、腟が萎縮すると、隣にある尿道の固定もゆるくなり、尿もれにつながります。

近藤:骨盤底筋がゆるくなって、腟が縮んで尿道もゆるくなって、ダブルパンチで尿もれしやすくなってしまうなんて!自己肯定感を下げないためにも、骨盤底筋を意識的に鍛えることに加えて、腟ケアもしていくことが大切ですね。

髙橋:そうですね。尿もれは決して一つの理由ではなく、複合的な理由で起こるということを、女性一人一人に知っていただきたいと思います。

『あなたの知らない尿もれの世界』

近藤:尿もれについて、たくさんのリアルな体験談が寄せられています。ここからは『あなたの知らない尿もれの世界』と題して、ご紹介していきたいと思います。

髙橋:エピソード一つ目は、
「応急手当の生理ナプキン、ニオイで主張する我が尿」
ということで、漏れてドキッとしたけれど、まぁいいかと適当にあてがった生理用ナプキンで、かぶれてムレて、ニオって大惨事…という内容です。

近藤:毎日漏れるわけでもないから、専用のパッドを持っていないケースもありますよね。手近にある生理用ナプキンで尿もれをしのごうとする気持ちがすごくわかります。

髙橋:生理用ナプキンと尿もれパッドは形が似ていて、 一見代用できそうに思えますよね。 けれど、ナプキンと尿もれパッドでは、吸収する液体の粘度や、ニオイの対策が全く違います。

生理用ナプキンは、粘度がある経血を吸収できるように作られています。一方、尿もれパッドはサラッとした液体を素早く吸収するために作られているので、生理用ナプキンを尿もれパッドの代用品にすると、尿を吸収しきれずに漏れやすくなったり、少量の尿もれで、液体をキャッチできたとしても、ムレるのと尿のアンモニア臭は防ぐことができないのです。

近藤:形は似ていても、役割が全く違うということですね。勉強になります。

髙橋:今年2月に発売したBé-A〈ベア〉の「シグネチャー ショーツ 04」という吸水ショーツは、サニタリー期間はもちろんですが、アンモニア臭98%消臭機能があるので、少量の尿もれなら対応できる仕様で、ちょいもれが気になるという方に自信を持っておすすめできるアイテムです。

近藤:穿いていれば、もしもの時も安心ですね!

髙橋:そうなんです!
さて、続いてのエピソードは、
「グレーの濃淡は、産後復職の勲章」
と題しまして、産後復職後、外回りでグレーのスーツで営業していたら、我慢できず尿もれしたという内容です。慌てて新品のボトムスを買ったけれど、それ以来グレーのお洋服はトラウマだそうです。

近藤:産前だったら、間に合うタイミングだったのに、どうして?って思いますよね。産後しばらくは、自分が思っている以上にゆるんでいることも。しかも、グレーのスーツって、すごくシミが目立ちますしね。

髙橋:せめてスーツが黒だったらってね…。
尿もれに悩む女性の約8割が「腹圧性尿失禁」とされています。更年期世代に多く、くしゃみや笑った時などお腹に力が入った時に少量もれてしまうものです。

近藤:更年期の尿もれ対策にも、やはり骨盤底筋を鍛えないといけませんね。

髙橋:骨盤底筋をしっかり鍛えたところ、すごく改善したという実体験のお声も聞いています。骨盤底筋がどれほど大切なのかがわかりますよね。

近藤:最後のエピソードが、
「瞑想する小宇宙、トレーニングルーム中に響くオンナの囁き」
この方は、ヨガのレッスン中に、涼しい顔してポーズをとったら、「ブブッ!」。腟からオナラのような大きな音が出て、とんでもなくはずかしい思いをした、とのことです。

髙橋:これは、何らかの原因で腟がゆるんで、中に空気が入り、その後体勢の変化などで空気が腟から漏れてしまって起こったものですね。女性なら誰にでも起こり得る現象ですが、音が出るとやっぱり恥ずかしいですよね。

近藤:私もヨガをやるのでよくわかります。音が出ても自分じゃないわよ〜みたいな顔をしてやり過ごすこともあります。

『尿もれ対策アイテム最前線』

髙橋:ここからは、最近の尿もれ対策アイテムもご紹介したいと思います。

まずは、日本でも最近販売されている、「骨盤底筋トレーニングアイテム」です。腟に挿入したパーツに重りを吊り下げて、キープするものです。

近藤:重りを落とさないようにして、耐えて鍛えるんですね。持ってみると、想像していたよりずっと重い!

髙橋:重さで鍛えるって、ユニークだしわかりやすいですよね。
続いて、アメリカで見つけた、尿もれ対策用のタンポン。縮んだ腟を尿道側に押し戻すように広がるタンポンで、尿もれを防ぎます。実は当初あまり売れていなかったそうですが、最近ではじわじわと人気がでているようです。
このほかにも、腟レーザーとか、尿もれ対策にも選択肢が広がってきていますよね。

近藤:私は、この前、座っているだけで、腟を鍛えられるマシーンを体験しました。座るだけなので、それなら継続してできるかなと思っています。尿もれは、女性の尊厳にかかわること。対策できるアイテムが増えてくるのは時代の進化を感じますね。

髙橋:多くの人が悩んでいるにも関わらず、生理よりもタブー視されている尿もれ。でも、“ないもの”としてフタをせず、こうして“あるもの”としてオープンに語らい、情報を共有していくことで少しずつ変わっていくと思います。

近藤:“尿もれ”について楽しく話しているこの時間こそ、一歩踏み出した感じです。

髙橋:一人一人が受け入れることから始まり、問題を解決するアイテムや情報につながっていき、社会が変わっていくよう進んでいきたいですね。


◼️日本ママ起業家大学 学長 近藤洋子
FMラジオなどDJや番組制作などのキャリアを経て、2013年「日本ママ起業家大学を設立。2000人以上の女性起業家のコンサルを行い、ママ大OG約300名を輩出。
現在は、若手起業家たちのメンタリングや企業の新規事業の相談役としても従事。また、自身の更年期障害を経て、2023年「注ぎ足すほどに味になる加齢応援マガジンUNATALE」をリリースし、企業の女性向けサービス、プロダクトの企画、プロモーションも数多く行う。一児の母。

◼️Be-A Japan代表 髙橋くみ
UCL(ロンドン⼤学)卒業後、外資系映画会社、外資系アパレル会社を経て2009年共同経営者の⼭本未奈⼦と共にMNC New York株式会社を設⽴。シングルマザーに育てられたこともあり「ジェンダー平等」「⼥性のエンパワーメント」には⼈⼀倍の関⼼と持論を持つ。
2020年には株式会社Be-A Japanを設⽴。家族の住むロサンゼルスと日本を⾏き来しながら経営を⾏う傍ら、生理や女性活躍推進に関してのセミナー等を積極的に行っている。
2022年、株式会社V Holdingsを⼭本と共に設⽴。二児の母。

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